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サ行-2 [コミックスレビュー]

「タイトル」
作者・既刊数・出版社(掲載誌)

「自殺サークル」
古屋兎丸・全1巻・太田出版
★ ★ ★
同名タイトルの映画版のアナザーストーリー。
手をつないで駅のホームから飛び降りた54人の少女たちの中で、唯一生き残った少女の物語。
タイトルから想像できる通り、終わりは決してハッピーエンドではなく、後味もあまりよくない作品。
ただ、いろいろと考えさせられる内容なので、読んでみる価値はあると思う。

「死者とのアクセス」
渡千枝・全1巻・ぶんか社(ホラーM)
★ ★
霊感の強い少女が転校先の学校で様々な怪現象や怪事件に遭遇する。
作者の今までの作品よりも登場人物の年齢が低く、話そのものも低年齢向けにしているせいか、あまり面白いと感じられなかった。
ホラーなら救いようのない話が1つくらいあってもいいのだが、全てハッピーエンドで、ある意味残念。
霊の描き方などは上手いのだが。

「シスプラス」
勇人・全6巻・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★
妹が大好きな兄と、言葉では嫌いと言いつつも実は兄が大好きな3人姉妹。
そんな4人兄弟の日常を描いた作品。
とにかく変態レベルで妹好きな兄とのやり取りを楽しむ話で、話の内容そのものよりもキャラのかわいさだったり、エロだったりを楽しむ話。
絵がかわいいので、絵に萌えられるなら買ってもいい。

「SHISEN~死線~」
楠桂・全1巻・集英社(マーガレット)
★ ★ ★
毎朝電車で感じる視線を気にしながらもその主を確かめられなかった少女。そんな中で少女は嫌がらせを受けるようになり、電車での視線との関係を疑い始める。
その他2本の短編が収録されている。
タイトル作品以外は平凡な話だが、悪くはない出来。
作者のファンなら楽しめる内容。

「自宅警備姫テラス」
下村トモヒロ・全1巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
「アマノイワト姫」(ア行参照)の続編。
相変わらず引きこもるテラス姫を、護衛の少年はどうにかして外に出そうとがんばる。
テラス姫の行動は、ゲームや漫画好きだったら思い当ることが多く、いろいろと共感できる。
前作より確実に質は上がっているので、前作が気に行ったのなら買って間違いはない。
話は1巻で完結しているが、個人的にはもう少し続いてほしかった。

「仕立屋工房」
日丘円・全13巻・スクウェア・エニックス(ガンガンパワード・ガンガン)
★ ★ ★
1つの分野を極めた職人・天選がいる世界。
仕立ての天選である少年は、伝説の天選が使っていたというハサミを手に入れて様々な服を作るが、致命的にデザインセンスがなかった。
仕立屋が主人公・というなかなか珍しい設定がよい作品。
服を作るというのを上手く活かした話になっている。ただ、それ以外に取り立てて特徴がないのが残念。
絵はわりと安定していて読みやすい。
話は割ときれいに終わっているものの、最終決戦よりもその直前の戦いの方が盛り上がっていたのが少し気になった。そこで終わっていれば、もう少し評価も高かった。

「執事に国境なんて」
五十嵐嵐・全2巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
「愛にトシの差なんて」(ア行参照)の続編で、主人公が新米執事・ミュンスとなっている。
この作品だけでも読める作りだが、前作を知っているとより面白く読める。
個性豊かな脇役たちも健在で、声に出して笑えるわけではないが、地味に安定して読める。
絵はやや不安定だが、読みにくくはない。
話はもっと続いてもいいと思っていたが、2巻で完結。
いかにもギャグ漫画らしい終わり方ではあった。

「疾風可憐迅雷狐娘!」
橘あゆん・全5巻・スタジオDNA(ゼロサム)
★ ★
狐の妖怪と人のハーフである少女が、幼馴染の男の子の家に居候して、完全な人となるために男の子と結ばれようと努力する。
女子中高生の向けの雑誌でなぜ完全な萌え狙いのこの作品が連載されていたのかがまず疑問だった。
それくらい、内容は完全直球の萌え狙い作品で、個性の全くない主人公と狐耳と尻尾を持つ少女がヒロイン、という典型的仕様。
それでも最低評価でないのとは、所々にあるギャグがそこそこ面白いから。
最後が、主人公たちがくっつくだけのハッピーエンドでなかったのは救い。
絵は上手い。

「失楽園」
尚村透・全6巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★
外界から隔離された完全全寮制の高校は、男尊女卑がまかり通っていた。
そこで新たに開発されたゲームにより、女子は男子生徒の所有物兼武器となったため、完全な”物”として見下されていた。
そこに転校してきたある女子生徒。彼女はなぜか男子しか参加資格のないゲームに参加する資格を持っていたので、学園の女子を全てを助けるために動き出す。
設定はかなりぶっ飛んでいるものの、読んでいるとそこまで違和感はない。
ただ、終盤間際まではベタな展開が続き、最後は無理矢理設定を作りだして強引にまとめた感じがあり、微妙なところもあった。

「CITY HUNTER」
北条司・全35巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
プロのスナイパーの男性とその相棒の女性が様々な依頼を受け、解決していく。
テレビアニメ化、アニメ映画化、実写映画化など様々なメディアミックスがあった作品。
「キャッツ アイ」と同じ作者で、最初の頃は「キャッツ アイ」のキャラと同じ顔の登場人物が目立ったが、10巻を越えるとすべて顔の描き分けがされていて、絵もグッと見やすくなった。
最初の頃に中途半端に途切れたエピソードがあったが、後半でちゃんと描かれた。30巻くらいのブランクがあったのは少々きつかったが。
連載終了が突然決まったとのことで、最終エピソードよりも、主人公の育ての親との決戦や仕事仲間との決闘などの方が話的には盛り上がっていた。

「死神様に最期のお願いを」
山口ミコト・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★
一家惨殺の犯人として、超法規的措置として死刑の決まった少年が、死神の力を借りて本当の犯人を探す物語。あらすじだけだとありきたりに見えてしまうが、実際に読んでみるとかなり入り組んだ話になっている。
騙し騙され、鎌をかけあいつつ、話はどんでん返しの連続で飽きさせない……のは2巻の途中までだった。
途中から大きく寄り道展開に入り、肝心の真犯人探索の話が進まなくなり、最後は打ち切り。
ヒントはあるものの最終的に犯人がわからないままなので、読むなら覚悟を。

「死神様に最期のお願いをRE」
古代甲・全5巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
約10年の時を経て、原作者はそのままに作画を迎えて最初からリメイク連載された作品。
序盤の展開はほぼ同じだが、新キャラも加えて、最終的に一家惨殺事件の犯人がわかるところまで描かれ、キッチリ完結した。
中盤以降は真犯人を特定するための展開に絞っていて、下手な寄り道がなくなっていた。
ただ、話として結構入り組んでいて理解するのに時間がかかるため、後半はちょっと読みにくかった。
「うみねこのなく頃に Ep4」などの作画を担当していた絵の上手い人を作画に起用しているので、絵のレベルはリメイク前よりも格段にこちらの方が上。

「死神と銀の騎士」
イロノ・全6巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
死神とその使い魔であるラルヴァと戦う銀の騎士。幼い頃に大切な人を死神に殺された少年は銀の騎士となるが、任務途中でラルヴァとなってしまう。
正統派の王道ファンタジー。ただ、所々に捻りがあり、ベタな展開にならないようにしているところには好感が持てる。
絵は安定していて上手い。

「シノハユ」
五十嵐あぐり・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★ ★
家族との麻雀が好きだった少女の元から、ある日母親が忽然と姿を消してしまう。
麻雀を続ければいずれ母親に会えるかもしれない、と少女は麻雀での全国制覇を目指す。
「咲-Saki-」(サ行参照)の外伝で、本伝ではプロとして活躍している女性雀士たちの小学生時代からの過去が描かれている。
作画も阿知賀編と同じ人なので、違和感なく読める。
阿知賀編と違い、話を急いでいないのもいい。

「ジバクくん」
柴田亜美・全6巻・エンターブレイン(ファミ通ブロス)
★ ★ ★
12に別れた世界・ツェルブワールドにそれぞれ存在し、ジバクくんという精霊と心を通わせることのできるグレートチャイルド。
その中の”1の世界”のグレートチャイルド・爆が世界制覇と世界一のグレートチャイルドを目指して冒険する話。
柴田さんらしい作品だとは思うのだが、いつもなら強く感じる物語の力や笑いの力が、この作品には少ない。
作者の別作品に登場するジバクくんが面白いだけに、残念。
ストーリーは後半の盛り上げはよかったのだが、その分前半が意味のないように思えてしまった。

「四百四鬼」
もち・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
蟲を使って人から生命力を奪い取る鬼と戦う桃太郎とその一行。
鬼に敗れた桃太郎が力を癒すために眠りにき、現代になって目を覚ますと、ほとんどの力を失ってヒヨコの姿になっていた。
ギャグとシリアスのバランスがいい作品で、何かにつけてヒヨコになった桃太郎がいい味を出している。
設定もしっかりしているしキャラも立っているので、作者の別作品が好きなら買って損はしない。

「渋谷君友の会」
藤枝とおる・全6巻・エニックス(ステンシル)
★ ★ ★ ★
母親が死んでから家事を一手に引き受けて家庭的になっていた男の子が、好きな女の子が追っかけをしている男の子と出会い、妙に気に入られてしまう。
一見するとただの少女漫画なのだが、話の演出の仕方や進め方が面白いのでついつい読み進めてしまう。
あまり恋愛に重点を置いていないところもいい。
全ての謎解きを完了して、きれいに終わったところも好感度大。

「渋谷金魚」
蒼伊宏海・全11巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★ ★
ある日の渋谷に突如人食い金魚が大量発生し、渋谷の街は巨大な金魚鉢の中に閉じ込められてしまう。
そこにいた人たちが金魚から生き延び、金魚を全滅させるために戦うサバイバルパニックホラー。
なぜ舞台が渋谷なのか、なぜ金魚なのかが明確化されていて、終始話に緊迫感がある。
整合性がキッチリとれた形で最後はきれいに完結した。
パニックホラー系の話でキッチリきれいに完結した作品を読んだのはこれが初めてだった。

「しましま」
群青・全1巻・一迅社(WARD)
★ ★
しましまという妖怪が立ち寄るお土産屋の息子たちの物語。
しかし、お土産屋の次男はしましま嫌いなのにしましまに好かれていた。
妖怪ほのぼの系の話としてはなかなかよく出来ているが、ちょっと話がわかりにくい部分もある。
また、話が完結していない部分もあり、絵が好みでないと微妙なところ。

「〆切はおとといです。」
team.きんだいち・全1巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★ ★
漫画家・金田一蓮十郎の漫画制作現場での裏話を描いた作品。
漫画制作現場での裏話というコンセプトなのに、内容の8割くらいはハロプロの話となっていて、読みたいのはその話じゃない、と思うことが多々あった。
ハロプロが好きな人ならきっと楽しいのだろうが……

「シャーマンキング」
武井宏之・全32巻(完全版全27巻)・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
自分に霊を憑依させ、その霊の力を使うことが出来るシャーマン。その力を持った少年がシャーマンの頂点である”シャーマンキング”を目指す話。
作者の前作「仏ゾーン」で使われた設定をより具体化して形にした作品。
20巻くらいまでは何とか一定レベルを保って面白かったが、その後失速。これだけ巻数が続きながらも最後は打ち切りできっちり完結していなかった。
しかし、数年の時を経て完全版にて真の最終回が描かれた。
通常版の最終回から300P近い描き下ろしがあり、きれいに完結している。
読むのであれば、完全版を。

「JUST!!」
峰倉かずや・全1巻・徳間書店(キャラ)
★ ★ ★
同じ高校に通い、寮も同室である校内でも有名な青年2人。
その2人がデキているという噂が流れる中、その1人が好きな女の子が登場し、危ない三角関係が始まった。
作者の初期作品なので、同じストーリーで通していてもコミックの最初と最後で絵がだいぶ違う。
前半の絵は頭と体のバランスが変なところが多い。
ストーリーはまあまあ、といったところ。

「シャイニング ティアーズ」
神田晶・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンパワード)

同名タイトルのPS2ソフトを漫画化した作品。
作者の前作「スターオーシャン3」(サ行参照)のときはゲームに合わせてかなり絵柄を変えてきていたが、今回は絵がスターオーシャン3のまま。
そのため、ゲームの絵を期待していると肩透かしを食らってしまう。
ゲームをプレイしていないので何とも言えないが、ストーリーも個性がなく、キャラもいまひとつな印象。
極々普通のシミュレーションRPGに見えてしまう。
終盤も特に盛り上がったようには見えなく、無理矢理終わらせた印象。
ゲームが好きな人でも買わない方がよいかも。

「邪眼探偵ネクロさんの事件簿」
木下さくら・全1巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
原作が日日日さんで、特殊能力のある探偵役が事件を解決するタイプのミステリー。
推理部分に関しては特殊能力が関係ないので、その辺りの都合のよさはない。
話は全体的に見ると可もなく不可もなく、といった感じ。
キャラは悪くないのだが、そこまで個性を感じなかった。

「JACKALS」
金炳進・全7巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★ ★
犯罪組織が支配する町で、金次第で暗殺を請け負うジャッカルと呼ばれる人たち。
そのジャッカルの1人である青年の物語。
この作品の前に原作の村田さんが作画した読み切りがあったのだが、こちらは絵が全くダメで連載には至らなかった。
しかし、それを作画だけ変えたら見事なまでの変身振りで、かなりいい作品に生まれ変わった。
それほど作画には迫力があり、残酷なシーンも描いてくれるので見応えがある。
話にも少しずつ捻りがあってよい感じ。
話もきれいに完結しているので、一読の価値ある作品に仕上がっている。

「JUDGE」
外海良基・全6巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
それぞれの心の中に罪を抱える若者たち9人。
その9人が突如誘拐され、わけのわからない施設に監禁される。
その施設では、生き残るには12時間ごとに死ぬべき人間をそれぞれが投票し、最終的に4人だけ生き残れるというゲームのルールを伝えられる。
作者の前作「Doubt」(タ行参照)に近い雰囲気があるが、明確な繋がりはなく、この作品単体で話は成立している。
話のペースは非常に遅く、話としてもっと短くまとめられると感じるのが残念。
話の後味の悪さは前作同様。

「SHADOW LADY」
桂正和・全3巻・集英社(ジャンプ)
★ ★
普段は極度に内気な女の子が「マジックシャドウ」というアイシャドウを塗ることによって、様々な力を持つシャドウレディに変身し、遊びで下らないものを盗んでいく。
初めは半分ギャグ漫画だが、途中から少しちゃんとしたストーリーになる。
しかし、説得力が今一で、急ぎ足な展開が減点。終わり方もそれほど納得できない。
絵がとてもきれいなだけに残念。

「ジャンクヤード・マグネティク」
村山渉・全6巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★
人に様々な力を与える代わりに精神を蝕む魔石。
その魔石を壊す旅をしている男1人女2人の冒険物語。
設定がシンプルでテンポで読ませる作品だが、設定がシンプルなだけに印象に残りにくい。
一応きれいに完結はしたが、話がちょっと長すぎた感じもした。
絵は安定している。

「ジャングル少年ジャン」
柴田亜美・全1巻・アスペクト(ファミ通)
★ ★ ★
世界武闘大会に向かう飛行機がジャングルで墜落し、その飛行機に乗っていた格闘家の青年はジャングルの中で不思議な少年と出会う。
オールカラーのコミックスで、文字も手書き。
それ故に、見にくい部分があるのが残念。
ストーリーは柴田さんらしいもので、笑える部分もたくさんある。特に、自爆くんのところが面白い。

「ジャングル少年ジャン番外編」
柴田亜美・全3巻・アスペクト(ファミ通)
★ ★
柴田さんがゲームショーやゲーム会社を取材して、その様子が描かれている作品。
ゲームのこと、特に格闘ゲームのことがわからないと、内容を理解するのが苦しい。
また、オールカラーで文字も手書きなので、見にくい部分がある。

「ジャングルはいつもハレのちグゥ」
金田一蓮十郎・全10巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★ ★
ジャングルの平和な村で暮らす少年・ハレの家に、ある日両親を亡くした少女・グゥがやってきて一緒に暮らすことになる。
このグゥがとにかく面白い。顔を変化させたり人や物を片っ端から飲み込んだり、体の中に人を住まわせたりしている。そのグゥとハレのやりとりが面白い。
絵柄もすっきりとして見やすい。
一応10巻で完結しているが、続編の「ハレグゥ」があり、そちらで話として終わりを迎えるので、読むならそこまで読むべき。

「収集体質」
よねやませつこ・全4巻・一迅社(WARD)
★ ★ ★
霊は見えないけど霊を寄せつめて重さだけ感じる体質の少年。
その少年がお払いまでできる強い霊力を持つ姉などにからかわれつつ、霊に悩まされながら日々過ごしていく。
全体的にはコメディタッチで、肩の力を抜いて読めるが、後半になるに連れシリアスな場面も増えてくる。
序盤のギャグ漫画風の展開からは想像もつかない感じで最後はシリアスな展開できれいにまとまっている。
シリアスとギャグがいいバランスで混ざっていて面白く読める。

「住所未定(仮)」
まりお金田・全3巻・一迅社(REX)
★ ★ ★
右手で触ると触った人をエロエロにしてしまう力を持つ少女。
その少女がとある寮の管理人となり、住人たちが追い出されないように奮闘していく。
設定からもわかるように、ちょっとエロ要素のあるコメディ。
大筋のストーリーもあるようでない感じ。
エロ目的で読むなら、それなりの作品ではあると思う。

「獣神演武」
荒川弘・全5巻・スクウェア・エニックス(ガンガンパワード)
★ ★
とある村で平和に暮らしていた血の気の多い少年は、成人の儀を境に自分が大きな運命の中にいることを知り、旅に出る。
非常にオーソドックスな作りの話で、アニメ化もされたが、これは予めアニメ化前提で作られたためで、そこまで面白くもない。作画は「鋼の錬金術師」(ハ行参照)の荒川さんだが、シナリオは別にいる。
絵はいいのだが、「鋼の錬金術師」レベルを求めているなら、避けた方がよい。
話はきれいにまとまって、コミックス描き下ろしも含めて後腐れがないようになっているが、あくまで普通だった、というレベル。

「JUDAS」
水無月すう・全5巻・角川書店(少年エース)
★ ★
人に触れることを禁じる呪いをかけられた青年と、その依り代として青年と共に生きる少年。少年が血を流すと少年の体は青年に乗っ取られ、死を与えることでしか救えない人々の命を狩っていく。
登場人物たちのキャラはよく立っているものの、ある意味弾けすぎていてついていけない部分がある。
絵も全体的に描きこまれすぎていて読みにくい。
最終的には聖書を基にした話だとわかるのだが、作者の中での自己完結に見えて微妙。

「シュート!」
大島司・全33巻・講談社(マガジン)
★ ★ ★
高校サッカーを舞台とした、少し恋愛を織り交ぜながら展開するサッカー少年の物語。
アニメ化、映画化もされた作品。
主人公が所属するチームが高校選手権で優勝するまでは、結構引きつけられて面白かった。
前半、主人公所属チームのキャプテンが死んでしまう所など、本気で泣ける。
しかし、ユースの話になるとそう面白くもなくなった。何しろ登場人物が多く顔が似通っているので、ユースメンバーでは誰がどのチーム出身でどんな特徴だったかというのが、補足説明されているもののわかりにくい。
また、ユース編に入ると外国人の登場人物が一気に増えてさらにわけが分からなくなった。
絵は一番いい時期を通り越して、少し見にくくなってしまった感じがする。

「シュート!~蒼きめぐり逢い~」
大島司・全5巻・講談社(マガジン)
★ ★ ★
上記作品の主人公の中学時代の話。
上記作品より後に描かれている。
とりあえず、登場人物は少なく、混乱することなく読める。
ただ、上記作品の序盤で主人公たちの弱点が明らかにされるが、ここではそれが明るみに出ていないのはいいとして、その弱点が半ば無視されているのが気にかかる。

「シュート!~熱き挑戦~」
大島司・全12巻・講談社(マガジン)
★ ★
上記作品の続編で、2段上の作品とストーリーは繋がっている。
ストーリーはまあまあ面白くはあるが、主人公が外国に行ったときの偶然の連続は気にかかる。
同名作品がここまで続くと絵はさすがに成長し過ぎていて見にくい。特に5巻の表紙は買う気が失せるほど酷い。
固有名詞のついている技も現実感に乏しい。

「シュート!~新たなる伝説~」
大島司・全12巻・講談社(マガジン)
★ ★
主人公が入れ替わっての、上記作品の続編。
絵は何とか見やすいくらいにはなったが、くどい。
前作のサブキャラが登場することと、主人公が変わったことで前作との繋がりがありつつ少し新鮮味が出ているのが救い。
しかし、中盤以降は主人公が元通り。さしたる盛り上がりもないまま完結した。
終盤は各話の冒頭で前話を2Pくらい振り返る展開が入り、ページ稼ぎにしか思えなかったのは残念。

「シュート!~久保嘉晴の伝説~」
大島司・全1巻・講談社(マガジン)
★ ★ ★
3段上の作品の前半で死亡した少年の物語。
「シュート!」の中に全て収録されているので、「シュート!」を持っているなら特に買う必要はなかった。
話自体は面白いのだが、別の単行本として出版する必要があったのかどうか、と疑問を持ってしまう。
その点で評価をぐっと下げた。

「Superior(シューピアリア)」
ichtys・全9巻・スクウェア・エニックス(ガンガンパワード)
★ ★ ★
世界の人々の半数を殺したという魔王。その魔王を殺すために勇者が魔王の城を訪れるが、勇者は魔王以外の魔物を一切殺さない主義だった。
その性格に惚れ込んだ魔王は、勇者と共に旅に出ることにした。
絵が非常にきれいな作品で、内容云々よりもまず絵に惹かれる。
話はオーソドックスなので、絵が好きなら買って損はしない。
また、ギャグもわりと面白い。
全9巻となっているが、話は完結していなく、続編に続いている。
読むなら続編も含めて。

「シューピアリア・クロス」
ichtys・全6巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
上記作品の続編。
話に一旦区切りがついたせいか、続編は人物の掘り下げに力を入れている。
そのため話の進むペースが落ちてしまったのが残念。
コミックスの大きさが変わっているので、保存には少々不便。
最後は割ときれいに終わっているが、ご都合主義な部分が多く、ハッピーエンドでもちょっと微妙な感じ。
序盤の話の進むペースの遅さを考えると、後半にページを割けなかったのか、と思ってしまう。

「朱玄白龍るびくら」
見田竜介・全2巻・エニックス(ガンガン)
★ ★
人類の天敵として突如現れた兜蟲と戦う男の子と女の子の話。
ストーリーは少年漫画の王道を行くもので、目新しさはないがそれなりに楽しめる。
問題なのは絵。非常にアクが強く、人によって好みが大きく別れる。しかも、現在の絵で作者の絵が完成されているため、これから一般ウケする絵に変わることもないと考えられる。
また、男性読者向けかどうか、女の子のサービスカットらしき絵が漫画の至る所にあるため、私は絵の全てが許せなくて評価を下げた。
これで完結ではなく続編「閃光華 るびくら」(サ行参照)もあるが、そちらはこちらよりも面白い。
ただ、こちらを読まなくても話はわかるので、続編が好きな人にだけこちらを読むことをお勧めする。

「Steins;Gate 亡環のリベリオン」
水田ケンジ・全3巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
タイムマシンを開発した会社によって世界が平定されたものの、完全な管理社会となったことに反発する人々がタイムマシンで過去を改変するために過去へ飛ぶ。
ゲーム原作のスピンオフ作品だが、原作を知らなくても読める。
タイムパラドックスなどの考証は割としっかりしていて、設定の甘さは感じられない。
ただ、絵がまだ未熟なので、全体的に読みにくく戦闘シーンがいまひとつ。それに耐えられれば。
最後はグッドエンドとバッドエンド、両方の要素が取り入れられた展開でよかった。

「春期限定いちごタルト事件」
饅頭屋餡子・全2巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
小市民を目指す2人の男女の周りには、なぜか小さな事件が起こる。
2人は事を大きくしないように、事件を解決していく。
推理ものとは言っても殺人事件が起こるわけではなく、なくなったバッグを探したり、流しを汚さずにおいしいココアを3杯入れる方法を考えたりする、ライトミステリ。
読者にいろいろと推理させようという形態も取っていないので、気軽に楽しめる。
殺人事件ばかり起きる推理ものに辟易している人にお勧め。

「純生キッド」
児島都・全1巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
大好きな超ビックアイドルのいる学校に転校した少年・純生が、テレビとあまりに違うアイドルの姿を目の当たりにして混乱するが、熱は冷めることなくさらに熱くなる。
絵は決して見やすくはないが、独特の画風があっていい。
キャラたちも個性が強くそれぞれ主張できていてよい。ちゃんときれいに終わっているので、その点もいい。
初めは1話限りだったのが、人気が出たために1巻完結まで持ち込んだ。
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