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タ行-1 [コミックスレビュー]

「タイトル」
作者・既刊数・出版社(掲載誌)

「DARKER THAN BLACK 漆黒の花」
岩原祐二・全4巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★
同名タイトルのアニメの1期と2期の間で起こった話を、キャラデザ担当が漫画化している、という作品。
アニメを知らないと読めない話のように思えるが、実際読んでみるとアニメを知らなくても特に問題はない。
話の勢いもあるので、一気に読めるのがいい。
ただ、終わり方についてはアニメ2期に繋がっているということもあり、「漆黒の花」としてのみエピソードが完結しているので、やや中途半端気味。
最終的にはアニメを知っている人向きか。

「堕アホリズム」
田中ひかる・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★
「アホリズム」(ア行参照)の外伝的作品。
本編の13年前、「弩アホリズム」(下記参照)の4年後の話で、「病文字」と言われる禁断の文字を選んでしまった少女の物語。
「病文字」という設定を出すための話という感じで、本編の謎解きなどは特にない。
本編と違う人が作画しているが、絵はそれなりに似ているので、読んでいて違和感はない。

「第三次性徴期、大塚くん!」
君塚力・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★
14歳で事故に遭い、26年間眠り続けた後、奇蹟的に目を覚ました大塚くん。
見た目は40歳、中身は14歳のまま中学に復学することになる。
見た目と中身のギャップが激しいのが面白く、運動したいけど体がついてこないとか、加齢臭が気になるとか、HなDVDを合法的に借りられるとか、いろいろネタが楽しい。
テンポもいいので、サクサク読める。
ただ、2巻以降は1巻ほどの勢いがなくなり、尻すぼみ的に終わったのは残念だった。

「堕イドル」
ガクキリオ・山口アキ・全2巻・講談社(別冊マガジン)
★ ★
堕ちたアイドルとして孤島に集められた50人のアイドル達によるデスゲームの話。
各ゲームの設定や攻略方法など、理に適っていてなかなか読み応えのある話だったのだが、3回戦の途中で打ち切りとなってしまい、何の結末もわからないまま終わってしまっていた。
最後まで連載が続いていれば、良作になっていたかもしれない。

「大正格闘浪漫 疾風の天」
松葉博・全2巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
大正の時代、風の力を受け継ぐ天狗一族とそれに対する鬼一族の戦いを描いた作品。
同作者の「天馬の風」とほぼ同設定で、時代が前の話と考えていい。
「天馬の風」よりも登場人物の年齢が上なので、格闘シーンにも迫力が出てきた。
ストーリーの着眼点は悪くはないが、最後の方は詰め込んだ感じがする。
また、ストーリーの練り込みも少し足りない。

「-di[e]ce-」
山本佳奈・全6巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
血の繋がりはないのに、同じ誕生日で同じ顔をしている高校の同級生2人。
2人が16歳の誕生日を迎えた日、突然2人がお互いを殺さなければならないゲームが始まる。
物語の進行スペースは非常に遅く、序盤から伏線を張りまくっているので、置いていかれる人は多数いると思われる。感情移入もしにくい作り。
それが終盤はかなり早い展開となり、謎解きに向かう過程はなかなか読みごたえがあった。
ただ、オチは結構ガッカリなもので、そのオチだけは避けてほしかった、というレベル。
話の筋は通っているのだが。

「橙星」
群青・全3巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
昔封じられた4人の魔女の墓を見つけると願いを叶えてもらえる、という伝承の残る国。
それぞれ願いを持った少年・少女たちは魔女の墓を探して旅を続ける。
話の大筋は非常にオーソドックスなものではあるが、ちょっとした捻りもありつつ、話の進むテンポもよいので、サクサク読める。
最初から終わりが決まっていたようで、きれいに終わってくれた。
本誌にのみ掲載された外伝がコミックスに収録されなかったのが残念。
絵は幻想的な感じがしてよい。

「大長編ドラえもん」
藤子・F・不二雄・小学館(てんとう虫コミックス)
★ ★ ★
映画原作となる1冊でおおきな1つの話を描いたシリーズ。
ストーリーとして、面白いものとそうでないものとの差があるので、評価はここに落ち着いた。
ストーリー的矛盾がある話もあったが、映画ではちゃんとフォローされていた。
コマが小さい割にややセリフが多いが、読みにくくはない。
途中で作者が亡くなったが、以降は同じ絵が描けるスタッフの手によってシリーズは続いている。

「大都会にほえろ」
楠桂・全9巻・角川書店(あすか)
★ ★ ★
大都会で起こる妖怪による犯罪を取り締まるモンスターGメン2人と、刑事、運動神経のやたらいい女性の計4人の主人公たちの四角関係を含みつつ、様々な犯罪を解決していく話。
恋愛にまっすぐ走ることなくラブコメになっていて恋愛よりも事件の方が主張が強いので評価は下げなかったが、可もなく不可もない作品。
ラストはうまくまとまってはいるが、1番最初の目的が結局果たされていないのは気にかかる。
絵は楠さんの絵が確立されているのできれいだが、服のしわ部分のトーンが多く、その他のトーンも多くて少し見づらい。
また、顔と体のバランスが多少崩れ、顔が大きく肩幅が狭い絵は変に見える。

「Doubt」
外海良基・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
ネットゲームで知り合った5人+1人は、カラオケボックスで気絶させられてどこか奇妙な場所に閉じ込められる。
そして、1人ずつ人が殺されていく。
雰囲気はかなり良かったのだが、謎解き部分でかなり脱力してしまった。
いくらなんでもそれはないだろう、というもので、作品の評価が一気に下がった。
最後は単純なハッピーエンドにしなかっただけ良かったが。

「tactics」
木下さくら×東山和子・全15巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
裏で妖怪退治屋を営む少年と、その少年に封印を解かれた鬼喰い天狗の物語。
絵は合作で描かれているが、違和感なく読める。
構図がきれいで、序盤はかなり面白いのだが、中盤で作者の1人・木下さんの病欠で東山さんのみの作画になった短編が続くなど、中だるみがあった。
話は一応区切りのついたところで一旦終わっているが、後味はよくない。
続編として「tactics新説」がある。

「タクティクスオウガ」
松葉博・全4巻・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★
SFCソフト「タクティクスオウガ」を漫画化した作品。
ゲームではロウルートになる部分を漫画化していて、そこにこのゲームを漫画化した価値がある。他の漫画にはない、理想のためにその手を血で染める主人公になっている。
話のテンポは早めで、サクサク読める。
最初から固有名詞のオンパレードだが、コミックスでは最後に解説も付いているので、理解しやすくなっている。
ただし、ゲームではChapter2のところでストーリーが終わっているので、謎が謎のままの部分が多い。
ゲームをプレイしたことがないしするつもりもないという人にはお勧めできない。
ゲームの雰囲気を知りたいだけならお勧めできるが。
絵はゲームに近い雰囲気があって、読みやすい。残虐なシーンも上手く処理している。

「takeru」
中島かずき×唐々煙・全4巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
「劇団☆新幹線」の舞台を漫画化した作品で、邪馬台国があっただろう頃の古代を舞台に話は進んで行く。
しかし、グライダーが出てくるなど妙に現代っぽいところもあり、若干肌になじめないのがちょっと辛い。
全体的に見るとわりとよく出来ているが、どんでん返しもなく、極々普通に進んで極々普通に終わった感じ。
もう少し意外性がほしかった。

「タコピーの原罪」
タイザン5・全2巻・ジャンプ+(集英社)
★ ★ ★ ★
宇宙にハッピーを広めるため地球にやって来た宇宙人・タコピー。自分にパンをくれた少女を幸せにするため、タコピーは様々な便利道具を少女に与えようとするが、少女はそれを受け取らなかった。
タコピーは善意だけで動いているものの、善意だけではどうにもならない現実であったり人間関係で最悪の結果を招くなど、読んでいるといろいろ考えさせられる作品。
次第に壊れていく主人公、イジメをしないと自我を保てないいじめっ子など、心を抉ってくる。
最後は少々都合のいい終わり方に見えてしまったことだけが残念。

「多重人格探偵サイコ」
田島昭宇・全24巻・角川書店(少年エース)
★ ★ ★ ★
警察官として働いていた青年は、ある日恋人が猟奇殺人犯に手足を切り落とされながらも生きている、という状態にさせられてしまい、その犯人を撃ち殺して裁判にかけられた。そこで別の人格が目覚めた青年は、出所後探偵として数々の猟奇殺人事件を追うことになる。そして、青年が追いかける猟奇殺人犯たちの左目にはバーコードのような痣があり、青年の左目にもまたバーコードの痣があった。
ストーリーは凝っていてかなり引き込まれるし、絵も非常に上手い。
序盤から結構グロテスクな描写もあるので、その辺りは少し人を選ぶ。
中盤以降は探偵というよりも、多重人格になった主人公の謎を追っていくような展開になり、話の方向性が序盤と違ってしまったように感じられた。
それなりにきれいに終わったが、途中でついていけなくなる人もいる展開だった。

「ダズハント」
筒井哲也・全1巻・スクウェア・エニックス(Web公開作品)
★ ★ ★ ★
プレイヤー同士が携帯電話を奪い合うゲーム・ダズハント。
少年院上がりで会社で居場所のなかった青年は、そのゲームに入り込み、何人もの人を殺しては携帯電話を奪って多額の現金を手に入れていった。
Web公開作品なので、全編通して「PCで描きました」という雰囲気が強いのがネックだが、オチもわりと効いていて面白く読める。
きれいに完結している。

「黄昏乙女×アムネジア」
めいびい・全10巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
60年の間繰り返された増改築のため、複雑に入り組んだ構造になった私立学園。
かつてそこで人柱にされた女子高生・夕子の霊と、彼女を唯一見ることのできる少年が出会う。
夕子は幽霊であるものの、見える人には実際触れることができ、夕子自身も服を脱いだり着替えたりできる。
そのため、序盤はエロ狙いに見えるが、実際は都市伝説をうまく取り入れたりしていて、それなりのホラーものとして読むことができる。
絵は暗い雰囲気がよく出ていて、引き込まれる。
終盤の謎解きはいい感じに引き込まれるが、都市伝説絡みの話はそこまで必要のないものも多くて、ちょっと無駄が多い感じがするのが少し残念。
最後はきれいに終わっていた。

「たそがれのにわ」
高坂りと・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガンパワード)
★ ★ ★
精霊のバランスが崩れ、滅びようとしている世界。
その世界で世界中に散らばった大地の力を集めれば、世界の滅びを止められるという。
大地の神子である少年と、その守人となった少女は大地の力を集めるために世界を旅する。
設定はわりと単純なのだが、話がそれなりに捻られていることが多く、ワンパターンに陥る雰囲気はない。
一応2巻で完結しているものの、最後は打ち切りだったのでは、と思わせるように終盤思わせぶりなキャラが出てきたりしたのは残念。

「正しい国家の創り方。」
橘あゆん・全4巻・一迅社(REX)
★ ★ ★
雑誌編集者として就職した女性は、予期せずある漫画家の担当編集にさせられてしまう。
作家の巧みな誘導でコスプレさせられたり、おかしなことをさせられたり、と女性はひたすら弄ばれる。
主人公の女性がノーマルな人ならよくある話なのだが、女性も女性でアイドルオタクだという設定がなかなか面白い。
基本的には内容よりもコスプレや絵で楽しむ作品だが、アイドルオタクライフはなかなか楽しく読める。

「佇む記憶」
夢路行・全1巻・一迅社(ぶ~け)
★ ★ ★
小さい頃、小さな踏切りで死に掛けたことのある少年は、その踏切りに佇む女性の幽霊を見つける。
全て怖い話を集めた短編集で、バッドエンドの話も多い。
作者の作風とはちょっと違う感じだが、作者の違った雰囲気を楽しみたい人にはお勧め。

「TATOO HEARTS」
加治佐修・全2巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
鍼治療と間違えられて背中に特別な刺青をされてしまった少年。
その刺青には持ち主の心に比例した力を引き出す力があり、少年は様々な敵に命を狙われるようになる。
打ち切りになってしまった作品ではあるが、絵は安定していて画面構成などもなかなかよかった。
ストーリーもわりと好きだった。

「たとえばこんな幽霊奇談」
楠桂・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★ ★
何でもない平和な日々を過ごしていた女子高生が突然幽霊にとりつかれる。
幽霊にとりつかれた理由というのがまた下らないが、それはそれで笑えるのでいい。
絵もだいぶ見やすくなってきた頃の楠さんの作品。
巻末に収録されている短編はノストラダムスの大予言を元にした話なので、1999年に何も起こらなかったのであまり意味のない作品になっていて残念。

「たなかは」
田中淳一・全1巻・一迅社(REX)
★ ★
漫画家志望の青年が行き当たりばったりで上京し、バイトをしながら漫画家を目指していく。
どうやら作者の実体験が多分に含まれているようで、その辺りのリアリティを感じられる作品。
話も1巻で上手くまとまっている。
ただ、絵がまだまだ未熟で、本当に漫画家になりたてなのだな、というのも同時に感じる。
表紙の見た目よりずっと読める作品ではある。

「他人暮らし」
谷川史子・全1巻・集英社(コーラス)
★ ★ ★
学生時代からの友人で、今はバツイチ・独身・新婚とそれぞれの暮らしをしていた3人。
その3人がひょんなことから3人で一緒に暮らし始めることになる。
気の置けない友人同士なのに、それぞれのライフスタイルの違いから一緒に暮らしてもあまり上手くいかない辺り、リアリティがある。
3人のオムニバスエピソードは、悪くはないけどそこまで意外性もなくて少し残念。

「タビと道づれ」
たなかのか・全6巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★ ★
内気で友達もいない少女は、ある日学校をズル休みして幼なじみのいる町へ向かった。
しかし、その町は同じ一日を繰り返しており、少女は幼なじみにも会えず、町からも出られなくなってしまう。
内気なヒロインに最初はイライラしたのだが、成長していく姿を見て途中から話に入れるようになった。
田舎町の切ない雰囲気のある絵もよい感じ。
4巻以降、謎解きが始まってからの吸引力は素晴らしいものがある。

「旅のしをり」
佐伯弥四郎・全1巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★
作者の短編集。全18本収録されている。
私個人としては初期短編集を期待して買ったのだが、ほぼArcana(ア行参照)に掲載されている作品ばかりでちょっとガッカリした。
Arcanaを揃えている人にはほぼ必要ないくらいで、このコミックスにだけ収録されている作品というのは50Pもない。
Gemeinshaft(カ行参照)のキャラの短編もあり、短編集としての存在意義は薄い気がする。

「ダブルアーツ」
古味直志・全3巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
世界に蔓延する病気「トロイ」を一時的に抑える力を持つシスターの少女。
しかし、少女もまたトロイに感染し、死にそうになる。
それを助けた少年は世界で唯一トロイに感染しない少年で、少女は少年と手をつないでいる間だけトロイの発症を抑えることができた。
2人は常に手をつないだまま、トロイをなくすための旅に出る。
残念ながら途中で打ち切りになってしまったため話として完結しなかったのが惜しまれる作品。打ち切りさえなければ★+1はつけていた。
しかしながら、1巻に収録されている「island」の出来は秀逸なので、この読み切りを読むためだけにコミックスを買ってもいい。

「Wチェンジ!!」
松葉博・全6巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★ ★
「チェンジ!!」(下記参照)の続編で、前作を知っていることが前提の作品。
前作ではパンチラが気になっていたが、今作では減っていて読みやすい。ただし、ヒロインへのムカつき度は上がっているので、前作で変身前のヒロインが嫌いだった人は気をつけた方がいい。
ただ、物語後半でヒロインの性格が変わるので、そこまでの辛抱。
最後はきれいにまとまってよかった。

「ダブルブリッド」
しろー・全2巻・メディアワークス(電撃大王)
★ ★ ★ ★
同名小説を漫画化した作品で、妖怪と人間のハーフとして生まれて警察で働く少女と、少女の元に派遣された青年の物語。
最初の方はキャラを捕らえきれていない感じがしたが、ページが進む毎に良くなっていっていて、終盤はかなりいい盛り上がりを見せている。
小説では表現できなかった視覚的な表現もきっちりできていて、原作を知らなくても楽しめる作り。
絵は少々読みにくいが。

「たまごのきみ。」
住吉文子・全4巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
美的感覚が地球と真逆の惑星に生まれた少女。
少女は身よりもなく、不細工なために、里親から冷遇されていた。
しかし、湖に落ちて流れ着いた先が地球では、少女は絶世の美女であった。
設定がわりとありきたりで、展開も「どこかで見たことがあるな」というものが多い。
作者特有のぶっ飛んだキャラもあまり多くなく、後一歩ほしいな、と思ってしまう。
ただ、話の展開には一切無駄がなく、きれいに4巻で完結したのは見事。

「ダメっ娘喫茶 でぃあ」
柚木涼太・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
対人恐怖症の女の子が、それを克服するために妹喫茶で働く、という話。
設定だけを見るとバカバカしいが、実際読んでみるとこれが意外と面白い。
周りのキャラがそこまで強くないのがネックではあるが、一定レベルを保っている。
全2巻と話は短めに終わってしまったが、終わり方は悪くなかった。

「男子高校生の日常」
山内泰延び・全7巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★ ★
男子高校生が放課後友達の家で彼女を作るシミュレーションをしたり、女装してみたり、とひたすらどうでもいい日常が語られる作品。
終始グダグダな感じで進むが、それはそれで味があり、ついつい読み進めてしまう力もある。
いつまでも連載を続けることも可能な話だったが、話がマンネリ化する前にスパッと終わったところは評価したい。ただし、終わり方がきれいというわけではないが。
絵はあまり上手くない。

「DANCE DANCE DANCE!」
森田柚花・既刊2巻(立ち消え)・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★
不思議な世界の憧れる少女が、あるとき不思議な霧に包まれて過去の世界へやってきてしまう。
少女は過去の町で出会った少年に助けられ、元の世界に戻る方法を探しながら少年と共に暮らすことになる。
かなりベッタベタの設定で話が展開していくので、話にあまり期待を持って読み進められない。絵はかわいらしくてよいのだが。
中盤で少し話が面白くなりかけたかな、という辺りで連載が立ち消えとなってしまった。

「探偵学園Q」
さとうふみや・全22巻・講談社(マガジン)
★ ★
「金田一少年の事件簿」(カ行参照)と同じコンビが描いた推理漫画。
日本で唯一拳銃の携帯を許された探偵が運営する探偵養成学校が舞台だったり、1度見たものは決して忘れないという瞬間記憶の能力を持つ女の子がヒロインだったり、IQの高い人が出てきたり、と最初からある意味すっ飛ばしている作品。
最初からそういうものだと思っていればそれなりには読める。
最初から終わりを想定して作られた作品のようで、終わり方はきっちりしていて、謎などがほとんど残らないのは評価できる。
しかし、本格的なミステリーが読みたいと思っている人にはあまりお勧め出来ない。
息抜きのつもりで。

「探偵学園Qプレミアム」
さとうふみや・全1巻・講談社(マガジン)
★ ★
上記作品の続編で、前作から数年後の話になっている。
一応前作でキッチリ完結していたのに、実は敵が生きていた、などの設定が出てきて、引き伸ばしに入っているな、とまず思ってしまった。
前作が好きだった人ならよいのだろうが。

「探偵になるための893の方法」
坂本あきら・全3巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★
資格オタクの青年は、定職にもつかずひたすら資格を取るために勉強するだけの日々。
そのせいで彼女にも振られたところで、大学時代の先輩に拾われて何でも屋をすることになる。
原作者が我孫子武丸さんということで、数話かけて完結するミステリ作品。
トリックがすごいということはなく、全体的にはキャラを楽しむ作品かな、と思う。
絵は上手いので、読みやすい。
最後は打ち切りの感じだった。

「タンバリン」
柴田亜美・全2巻・小学館(ガッタ)
★ ★
かつて天上・地上世界を統一した天地王が所有していた冠具・タンバリン。その一部を持ち、自ら天地王になろうとする少年の物語。
ストーリーは重めで、柴田さんにしては珍しくギャグがほとんどない。それだけに、ストーリーが今までの作品と似たような主人公と登場人物で構成されているので、目新しさも面白さもそれほど感じなかった。
全編通しておどろおどろしさを出そうとしていたが、その路線には走らないほうがよかったように思う。
雑誌が休刊になった為に打ち切られた作品だった。

「小さな魔女の首輪(コリエ)」
チノク・全3巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
幼い魔女のリュリュは、力を抑える首輪をつけられ、とある古城で隔離生活を送らされていた。
そこに新たな職員として青年・カミロがやって来る。
今まで接してきた誰とも違うカミロと接するうち、リュリュは徐々に心を開いていく。
とにかくリュリュに萌える話で、ちょっとツンデレでわがままな幼女に萌えるという人なら確実にヒットする。
話も大半は日常を描いているが、シリアスな部分もよく、絵の雰囲気もいい。
やや打ち切り気味な感じで終わってしまったのが残念だった。

「CHANGE×CHANGE」
松葉博・全1巻・マッグガーデン(マサムネ)
★ ★
血を見ると人格が換わってしまう極道の女子高生が不良相手に暴れまわる。
全編通してパンチラの嵐で、明らかに狙っているのがわかる。
その他、ヒロインの胸がでかい、メール交換による少女漫画っぽさがある、などなどで私の肌には合わなかった。
それでも、最後の方はパンチラ度が下がり、まとまりもよかったので、最低評価にはしなかった。

「チェンソーマン」
藤本たつき・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
両親がおらず、借金返済のためギャングの手下として最底辺の生活をしていた少年。
その中で少年は一緒に暮らしていた悪魔と共に殺されてしまうが、悪魔が少年の心臓となることで蘇生する。その時に出会った女性とともに、少年はデビルハンターとして公安で働くことになる。
様々な能力を持った悪魔が登場するが、その個性の付け方が上手い。
最後までラスボスがわかりにくかったのはよかったが、全体的に話が概念的というか抽象的なところがあるので、人を選ぶところはある。
絵は粗く見えるが、読みにくくはない。

「チキンパーティー」
金田一蓮十郎・全3巻・秋田書店(プリンセス)
★ ★ ★
母親がほとんど家に寄り付かず、ほぼ1人暮らしをしている少女の元に、にわとりの着ぐるみを着た奇妙な人が転がり込んできた。
少女はにわとり男の正体がうやむやのまま一緒に暮らすことになる。
少年漫画を描いている作者が描いた少女漫画、ということであまり期待していなかったのだが、読んでみるとわりと面白い。
にわとり男のキャラは立っているし、話もワンパターンにはなっていない。
話も3巻でサックリ終わり、ワンパターンになる前に終わってくれてよかった。まとめ方もありきたりだが悪くなかった。

「ちちとこ」
うち子・全10巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
酷い方向音痴でほぼ家にいない母親の代わりに、頑張って子育てする父と元気な息子の物語。
読んでいてほのぼのする感じの話で、のんびり気楽に読める。
絵もスッキリしていて読みやすい。
中盤はやや中だるみな感じになったが、最後はきれいに終わった。

「千歳ヲチコチ」
D・キッサン・全8巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
平安時代。貴族の娘としてはちょっと変わった考えを持つ少女・チコが失くした文を拾った青年・亨。
亨が文に対して返歌をしたことから、2人に接点が生まれる。
平安時代が舞台なのに言葉遣いなどに横文字が多用されていていることに対して若干の違和感があるが、平安時代のことをよく調べた上で描かれているというのが伝わってきて全体的に見ると好感触。
平安ものが好きな人にお勧め。
最後もきれいに終わった。

「ちぱパニック!!」
幸宮チノ・全3巻・エニックス(ギャグ王)
★ ★ ★
ある一家がアフリカから持ち帰った卵がふ化し、悪魔の子供が生まれて世界征服を狙うが、あまりにも弱いためにいいようにもてあそばれ、結局はその家に居候することになる。
柔らかい雰囲気のあるギャグ漫画。絵も見やすく、ほのぼのとしている。
ストーリー的にもまあいいのだが、世界征服という言葉はいつも出てくるが「悪魔の子供」という設定が立ち消えになっているように感じるのが残念。
ラストはほぼ納得できた。

「チャンネル5」
柴田亜美・既刊5巻(立ち消え)・徳間書店(アニメージュ)
★ ★ ★
300年に及ぶ惑星戦争の結果、人々の寿命は20歳になっていた。
その中で、唯一完全な健康体を持つ少年が、惑星を救うため「チャンネル5」計画を実行することになり、宇宙へと旅に出る。
登場人物が多いために、それぞれ見分けるのが少々大変。
顔がアップになると、似たような顔の登場人物が同時にいる場合、誰が話しているのか一瞬わからなくなる。
柴田さんの漫画はほとんどが時代は違うが、大きく横の世界でつながっているという世界観。
どの作品も単独で楽しめるが、全てを読んでおくと、より楽しめる。
話が大詰めに入る前に休載し、そのまま未完となってしまった。
後に描き下ろしで区切りのあるところまでは描かれたらしい。

「超空転神トランセイザー」
美川べるの・全3巻・講談社(e-manga)
★ ★
魔法少女に憧れる少女の前に、魔法少女に付き物のかわいいマスコットが現れ、変身ステッキを渡す。
しかし、それで変身したのは魔法少女ではなく、特撮ヒーロー・トランセイザーだった。
初めてトランセイザーに変身したときはかなり笑えたのだが、それ以降が少々パワーダウン。
作者のギャグも面白いのだが、ストーリー漫画ということもあり、他の作品ほど面白くないのが残念。
それが最後まで続いてしまい、きっちり終わってはいるものの終わりも微妙だった。

「CHOKOビースト!!」
浅野りん・全4巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★ ★
精神獣という精神を獣化できる力を持つ女の子を無理矢理引き取らされた少年。
女の子はその力が強大であるために、謎の一族から狙われていた。
大ボケな女の子と、とにかく無責任で気性の激しい少年のコンビがいい。他のキャラたちも個性が強く好感が持てる。
絵は見やすく、ストーリーは面白く、文句の付け所がない。こんなに面白い漫画なのに、いつも雑誌の後ろの方でカラーなしの連載をされていたのが不思議なくらいだった。

「超獣伝説ゲシュタルト」
高河ゆん・全8巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
遥か南に存在する呪いの島ゲシュタルト。
そこには何でも願いを叶えてくれる超獣が存在するという。
そこを目指すプリーストとゲシュタルト出身の不思議な少女(本当は男だが、魔法により女になっている)の冒険物語。
登場人物などをしっかりと理解すれば、かなり面白く読める作品。
ただ、突然の場面変更や伏線は何度も読み返さないとわかりにくい。
終わり方にはそれなりに納得は出来たのだが、取り残されたままの伏線が山ほどあって、とても終わったように見えなかった。
高河さんはかなり漫画を描くのになれているので、絵はまあまあ安定感があってよい。

「超絶変身!!アースカイザー」
くぼたまこと・全2巻・講談社(モーニング)
★ ★ ★
静岡で世界征服を狙う様々な悪の組織や怪人たちが暮らす日常を描いた作品。
タイトルにあるアースカイザーは作中に登場しない。
基本的には「天体戦士サンレッド」(タ行参照)の舞台が静岡になって怪人たちのオムニバス形式の話になった感じ。
サンレッドが好きな人なら確実に楽しめる内容。
読んでいるとちょっと切ない気持にさせてくれる。いろんな意味で。
思っていた以上に話が続かなくて残念。

「超弩級ホカホカ戦士チャブダイン」
牧野博幸・全2巻・エニックス(ギャグ王)
★ ★
宇宙から突然やってきた不思議な生物によって無理矢理正義の味方にされてしまった少年が、反発しながらも宇宙からやってくる敵と戦う話。
作者が好きなので、この作品は期待して買ったのだが、あまり出来はよくなかった。
絵は完成されているし、ストーリーも作者らしさが作品の所々に見受けられて、笑える箇所もあるにはあるが、以前の作品と比べると力がない。
2巻前半のふざけた話はその中でもわりと面白かった。
あとがき漫画が面白いのが救い。

「超能力者斉木楠雄のΨ難」
麻生周一・全27巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
念動力、透視、瞬間移動、様々な超能力を使いこなす高校生・斉木楠雄。
しかし、何でもできるが故に人生を楽しめない楠雄は、穏やかな日常を過ごすことを望んでいた。
万能ではない超能力と、その力をもってしてもどうにもならない腐れ縁の友人たちなど、声に出して笑うまでではないにしろ、地味に楽しめるギャグ漫画。
少しだけ入る時事ネタも面白い。
世界がループしていることにも意味を持たせるなど、ギャグ漫画ではあるがちゃんとしたストーリーもあり、最後はきれいにまとまっていた。

「町立ジャーマンローズ高校2年Eins組」
土方・全1巻・マッグガーデン(アヴァルス)
★ ★ ★
東京から地方の男子校に転校してきた少年。
しかし、クラスにはなぜか美少女がいた。
テンポのいい4コマで、キャラも立っていて読みやすい。
おそらく増刷しないので、見かけたらすぐに買ってもいいくらい。

「ちょこっとヒメ」
カザマアヤミ・全7巻・スクウェア・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★ ★
ある猫を拾って育てることになった少年と、その猫の物語。
猫が8割は擬人化されていて描かれているので、それに萌えるための漫画と言っても過言ではない。
癒し系の話でもあるので、絵の雰囲気が好きなら特に拒否感なく読めると思う。
話がマンネリ化・ワンパターン化する前に完結し、ホッとした。

「ちょびっツ」
CLAMP・全8巻・講談社(ヤングマガジン)
★ ★ ★
人型になったパソコンが世間に出まわっている時代、ある貧乏学生がごみ捨て場で一台のパソコンを拾った。そのパソコンには何も入っていなかったが、それはとてつもない性能を持った「ちょびっツ」と呼ばれるパソコンだった。
話はそれなりに面白くはあるが、作者が何かを勘違いして描いたような青年漫画、というのが第一印象だった。
話を無理矢理青年漫画にしている風もあって、掲載誌が青年誌だからといってあえて話をそちら側に向けなくてもいいのでは、と思えた。
絵は可愛くてよいのだが。
それなりに話がまとまって完結したが、結局なぜパソコンが人型なのか、が結局うやむやのままであったり、終盤になってほぼ必要のない新キャラが出てきたり、絶対に売れそうのない絵本が作中で次々と続編が出たり、と細かいところが雑なままだった。
結局キャラだけの作品だったように思う。
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