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ハ行-2 [コミックスレビュー]

「タイトル」
作者・既刊数・出版社(掲載誌)

「ばらかもん」
ヨシノサツキ・全18巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★
自分の書道に行き詰まり、日本最西端の島にやってきた書道家の青年。
青年はそこで天真爛漫な少女と出会い、何かを見つける。
作者が島の出身だけあって、描写がかなりリアルなのがいい。
島での穏やかな雰囲気や人々との交流が読んでいて心地よい。
読むと癒される作品。
話としてはまだ続けられる状態ではあったが、区切りを付けたところできれいに終わった。

「ハラサキ」
櫻シノ・全2巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★ ★ ★
幼い頃の記憶がほとんどない女性は、結婚を機に故郷の村を訪れることにする。
しかし、そこに向かう電車の中で気を失ってしまい、気が付くと別次元の村に辿り着いていた。
最初は主人公に感情移入してしまうのだが、中盤以降いい意味で共感できない展開になってくると面白くなってくる。
ラストシーンは必見。
一気読みがおすすめ。

「パラドクス・ブルー」
nini×中西達郎・全5巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
人間の前に突然現れ、様々な試練を課す天使。
その試練に勝てば天恵が与えられ、負ければ災害に見舞われる。
その天使たちと戦う高校生たちの物語。
ちょっと変わった推理物のような感じで、全編に問題編と解答編がある。
ただ、この解答がちょっと捻られ過ぎていていまひとつ納得できないものが多いのが残念。
筋は通っているのだが。
また、全体的に文字が多めで読みにくいのが欠点。
最後はきれいに完結していて、中西作品としては珍しくハッピーエンドとなっている。

「玻璃月蜻蛉縁物語」
岩崎美奈子・全2巻・一迅社(WARD)
★ ★
人と人をつなぐ縁。その縁を見ることができる少年と、切ることができる少年。
2人が誤ってつながった縁を切っていく物語。
原作が付いている作品だけあって、話がよく練られているな、と感じることが多い。
2巻で完結しているものの、終わり方はやや中途半端。もう少し続いてもよかったと思う。

「ハルカゼ BITTER★BOP」
別天荒人・全4巻・マッグガーデン(マサムネ)
★ ★ ★
放火事故を起こして退学寸前になりながらもどうにか学校に残り、周囲の目を気にしながら生活する少年。その少年がある日、電車に轢かれながらも生きている、という記憶喪失の青年と出会う。
何だかんだで青年と共に生活するようになった少年は、青年が巻き込まれている事件に自らも巻き込まれることになる。
設定がそれなりに珍しくてよい作品で、キャラにもわりと個性がある。ただ、それが若干空回りしているようなところもあり、オマージュ的なパクリネタはあまり好きになれない。
絵は描き慣れていて読みやすいのだが。
中盤からは無理矢理な設定も見えてきたが、最後はきれいに完結してくれた。

「春の回線」
夢路行・全1巻・潮出版社(コミックトムプラス)
★ ★ ★ ★
母がテレビと間違って拾ってきたパソコンを元の場所に返そうとやってきた少女が、そこで明治生まれだという少女に出会う。
その他6本の短編が収録されており、どれも少し不思議な世界を扱っていて雰囲気がいい。
特にタイトルになっている1話目がお勧め。

「春の呪い」
小西明日翔・全2巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★ ★
妹の春が19歳にして癌で亡くなってしまう。春には婚約者がおり、春が死んだことで今度は姉が新たな婚約者として指名されるが、姉はそれを承諾する条件として春と巡った場所を案内してほしい、と提案する。
姉は妹のことが大好きだったけど、妹は姉よりも婚約者を見るようになっていて、その婚約者は妹よりも姉のことが好きだった、という三角関係が話に大きく絡んでくる。
婚約者に惹かれつつも妹のことを想って苦悩する姉の姿がいい。
人の心を抉ってくるような展開も多く、引き付けられる。
完全なハッピーエンドという終わり方ではなかったが、それなりにキリよく終わっている。

「ハルポリッシュ」
土塚理弘×みなもと悠・全5巻・秋田書店(月刊チャンピオン)
★ ★ ★
日本刀が大好きで刀に魅せられている少女は、高校で居合と出合い、居合道部に入部する。
居合のことがちゃんとわかった上で描いているというのが伝わってくる作品で、居合の基礎もわかって読み応えのある作品になっている。
キャラにも個性があり、居合のシーンもなかなかに迫力があるので飽きさせない。
ただし、終わりはやや打ち切りっぽい感じで、物語の途中で切られてしまったような印象。もっと続きが読みたかった。

「ハルマゲどん」
渡辺志保梨・全2巻・スクウェアエニックス(ガンガンパワード)
★ ★ ★
1999年7月、人類を滅亡させるために恐怖の大王が地球に降り立った。地球の持つポイントが0点になると地球は滅亡するはずだったが、約束の時間になってもポイントは0点にならず、地球は滅亡しなかった。
しかし、その後も大王は地球に残り、滅亡調査を続ける。
1巻程度で完結できる話を無理矢理引き伸ばした感じがするので、中盤は新キャラが登場しまくるワンパターンに陥りつつあった。
しかし、なんとか2巻で完結し、話もどうにかまとまっている。
絵はすっきりしていて読みやすい。

「ハレグゥ」
金田一蓮十郎・全10巻・スクウェアエニックス(ガンガン)
★ ★ ★
「ジャングルはいつもハレのちグゥ」(サ行参照)の続編。
タイトルが変わっただけで完全に話が続いているため、前作を知らないと読めない。
ただ、前作から続けて読んでいるとわりと面白く読める。
おまけ漫画も面白い。
しかしながら、後半はかなりグダグダになっていた印象。
もう少し早く終わっていた方が良かったかもしれない。

「ハロウィーン伝説」
渡千枝・全1巻・講談社(フレンド)
★ ★ ★ ★
幼い頃突如として姉が錯乱し家族を惨殺した。
その中で唯一生き残った少年が、13年後同じ事件が起こったことを知り、事件の真相を調べ始める。
少々わかりにくい部分もあるが、読ませてくれる作品。絵柄も怖い雰囲気を出せていて、安定しているのでよい。

「BAROQUE」
上田信舟・全3巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
大熱波によって歪んでしまった世界で、ただ1人狂った神を浄化出来る存在だと言われた少年が、その浄化のために塔の最下層を目指す。
同名タイトルのゲームが原作の話で、主人公が何度も死んで何度も生き返って塔を降りていく、という設定を知っておかないと話がわかりにくい。
作品全体の雰囲気は暗いが、読みにくいというとこはない。
ストーリーは全体を通してわかりにくく、ゲーム自体を知らないとなかなか理解できない。
しかしながら、ゲームを知らなくてもそこそこ理解できること、ちゃんとハッピーエンドで終わっていたことで、評価は下げなかった。

「パンゲア」
浅野りん・全5巻・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★ ★
その実を摘み取るとあらゆる願いをかなえる、といわれる樹から作られた杖を持つ少年。
その少年は姉を探しながら旅を続けていた。
また、その少年の周りには共に旅をする仲間も集まっていた。
作者初の異世界ファンタジーであるが、とても上手に描けている。
新キャラ登場で最終回になっているので、下記続編を読むことは必須。

「パンゲア・エゼル」
浅野りん・全7巻・マッグガーデン(マサムネ)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編。
休載期間が長かったものの、作品の質は落ちることなく続いていた。
前作が好きな人なら買って間違いない。
ただ、最後に謎解きは行われたものの、きれいに終わっているわけではないので、その辺りは覚悟が必要。

「半熟忍法帳」
新山たかし・全9巻・エニックス(ギャグ王)
★ ★ ★
忍者見習いの4人組によるちょっとHなギャグ漫画。
「ギャグ王」で唯一創刊から休刊までの間連載された作品。
絵は安定しているが、コマ割が小さくセリフが多いので見にくい。
あまり面白いとは思えなかったので、長続きはしたものの、他誌への移動がなかったのにも納得できた。
ラストはまとまり良く終わっている。

「HUNTER×HUNTER」
冨樫義博・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★ ★
父が有名なハンターである少年は、父のようなハンターになりたいと倍率が数百万倍と言われるハンター試験を受けるために旅立つ。
少年はその旅の途中で信頼できる仲間たちと出会う。
「幽遊白書(ヤ行参照)」の後半以来、絵が乱れてしまった傾向にあった作者だったが、この作品で完全に立ち直って、元の見やすくてきれいな絵に戻った。所々にある線の荒い絵もわざと描いているところだと思えるので問題なし。
ストーリーもよい。キャラそれぞれに信念があるし、特徴付けや描き方もうまい。
ただし、話が後半になるに連れて設定が複雑化したり休載期間が長かったりして次第に読みにくくなってきている。蟻編までで終わってよかった。

「はんだくん」
ヨシノサツキ・全6巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
「ばらかもん」(上記参照)の主人公の高校生時代を描いた作品。
書道家として既に有名になりつつあった半田は全校生徒の憧れの的だったが、本人は全校生徒から嫌われていると思い込んでいた。
全てを悪く受け取る完全なマイナス思考の主人公と、気を遣い続ける周囲の人たちのギャップを楽しむ作品。
全編通して悪くない感じではあるが、本編ほど楽しめなかった。
本編のような田舎を楽しむ作品ではないので、その辺りは注意が必要。

「PANZERKLEIN」
神田晶・全5巻・エニックス(ガンガン)

5年前に流星にぶつかった者が得たクラインという武具精霊。クラインは様々な武器の形となり寄生した人間に力を貸していた。
設定自体どこかで見たようなものであったり、強引なところがあったりするので、首をかしげたくなるところは各所にある。
絵は読みにくいものではないが、女の子の制服デザインがごつく見えてしまうものだったのが残念。
ストーリーは後半に行くに連れ破綻していっており、最終的には初期設定を無視しまくっている上、とんでも設定も多い。
一応ハッピーエンドで終わっているが、謎が謎のまま終わっている部分も多い。
また、そのことについてコミックスで全くフォローがないのが最低評価の決め手となった。

「Pandora Hearts」
望月淳・スクウェア・全24巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
15歳の誕生日に永遠の監獄といわれるアヴィスに落とされた少年。
少年はそこでアリスという不思議な少女と出会う。
話がよく練られており、読者を楽しませよう、と努力しているあとが見て取れる。
中盤以降はかなり話が入り組んでくるが、最後はきれいに終わった。

「ハンド×レッド」
星樹・全3巻(立ち消え)・一迅社(REX)
★ ★ ★
かつての親友に呪いをかけられ、少年は100年に1度、10日間だけしか現実世界に存在できないようになってしまった。
少年は100年に1度の機会に親友を探し出し、呪いを解こうとする。
呪いが解ける10日間を最初から描くのではなく、呪いを解くことに失敗する話を何話か最初に入れるという手法が斬新でいいな、と感じた本作品。そこでかなりこの話に入ることができた。
絵はまだまだ粗いが、話の雰囲気はよく表せている。
話としてかなり面白かったのだが、突如休載となったまま連載が立ち消えてしまった。

「バンパイアドール ギルナザン」
雁えりか・全6巻・スタジオDNA(ゼロサム)
★ ★ ★
かつてエクソシストに封印された吸血貴公子・ギルナザン。
そのエクソシストの子孫によって封印は解かれたが、魂を女の子の人形に入れられてしまい、魔力も極々弱くなってエクソシストの下で働くことになってしまった。
話は可もなく不可もなくの部分が多いが、キャラの個性が強いので、それで結構楽しめる。
絵は安定しているものの全体的に濃いので、読みにくい。
最後はギャグ漫画らしい終わり方で、まずまずの終わり方だった。

「BAMBOO BLADE」
五十嵐あぐり・全14巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★ ★
高校時代の先輩・後輩で別の学校同士で剣道部顧問をしている教師2人。
ひょんなことから生徒たちを戦わせる勝負をすることになり、後輩の教師は剣道が強いと噂の女の子を剣道部に入れようとする。
シリアスとギャグが半々くらいだが、かなりしっかりと剣道漫画をやっている。
キャラもしっかりと立っていて、なかなか面白く読める。
原作は土塚理弘さん。
終盤の展開で剣道から少し離れるところはダレるが、最後は割と後味良く終わっている。

「BAMBOO BLADE B」
土塚理弘&スタジオねこ・全12巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
上記作品と同じ時間軸上にある中学校の剣道部の話。
原作は同じなのだが、作画が上記作品と比べると数段劣り、またペンタッチの違う2人がメインで作画をしているため、読んでいて違和感がなくなるまでが大変。
上記作品と同じ感覚で買うと失敗するかもしれない。
ストーリーは2巻くらいから面白くなる。
話は剣道の試合がメインで、迫力はまあまあ。下手に試合を長引かせず、話がサクサク進むのはよかった。

「BAMBOO BLADE C」
高尾じんぐ・全7巻・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★
上記作品と同じ時間軸上にあり、上記2作品の最終話の後の世界の別の高校での物語。
練習では強いのに試合では負けてしまう男の子と、剣道は強いけど常に二番手になってきた女の子たちの話。
今作は前作と違い、作画にかなり上手い人を持ってきているので、それだけで話への入り方が違って見えたのはよかった。
あまり長い話にはならないと序盤で断言されていたが、序盤の話の進み方は結構遅い。そして、後半2巻くらいは超速で話が進むのでどう見ても打ち切りに感じる。
ただし、シリーズ完結作として1つの結論は出ている。
その後にも話が続きそうだったが、続編はない。

「B壱」
大久保篤・全4巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
動物の骨をくわえるとその動物の力が使えるようになる、という力を持った少年。
その少年が幼い頃の親友を探して旅をする物語。
設定がわりと珍しいもので、シリアスなところは結構読ませてくれるのだが、無駄に寒いギャグが多いことが問題。地名も全てがギャグで、これさえなければ、と思うことがよくある。
絵は決して見やすいものではないが、アクションシーンには迫力がある。
ストーリーは3巻くらいからかなりよくなったのだが、最後は打ち切りで非常に中途半端に終わってしまった。
あと1巻あれば名作の域に達したと思えるだけに、残念。

「P.S.アイラブユー」
谷川史子・全1巻・集英社(コーラス)
★ ★
仕事に生きるため、結婚する道を捨てた女性が、ある時図書館で不思議な男の子と出会う。
話の雰囲気はいつもの谷川さんらしいのだが、残念ながら読んでいてオチが読めてしまう。
もう少しオチがわかりにくかったら、と思えて残念。

「ビースト&ビースト!!」
浅野りん・全1巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
「CHOKO・ビースト!!(タ行参照)」の前身となった作品と、その外伝的な話が収録されている。
浅野さんの初期作品集で、絵はだいたい現在と同じだが、ストーリーがまだ未熟な感じがする。
「CHOKO・ビースト!!」が好きだと楽しめる作品。

「ビーズの指輪」
あいざわ遥・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★ ★
同棲はしていても結婚まで踏み出せないカップルの話。
特にどこがいい、というものはないが、都合のいい展開もなく、ちゃんと結婚で完結しているので、安心して読める。
りぼんのコミックスにしては、対象年齢が少し高め。

「PEACE MAKER 鐵」
黒乃奈々絵・マッグガーデン(コミックブレイド)
★ ★ ★ ★
「新撰組異聞PEACE MAKER」(サ行参照)の続編で、池田屋事変の後の新撰組が描かれている。
キャラの見た目にギャップがあったりするが、話はいい感じに暗くて崩壊への道筋がうかがえてよい。
前作を知っていることが前提。
所々に長期休載期間を挟んではいるが、質が落ちることなく話は続いている。

「P2!」
江尻立真・全7巻・集英社(ジャンプ)
★ ★
運動部に憧れていた少年は、運動神経の悪さからあらゆる部活の入部テストに落ちていた。
しかし、卓球と出合い、卓球部員として少しずつ成長していく。
典型的なスポーツ成長ものの作品だが、卓球に対する知識がしっかりしており、キャラもわりと立っているので読みやすくて引き込まれる。
絵もスッキリしていて良い。
しかし、最後は完全な打ち切りで、回収できなかった伏線が多数あった。
もう少し続いてくれれば、と残念。

「Healing Planet」
桜野みねね・全1巻・エニックス(ガンガン)

異次元カウンセラーとなった少女が、様々な悩みを抱えたクライエントと交流する話。
一応この漫画の売りは全編フルCGと癒しなのだが、CGは絵が雑に見えて読みにくいだけで、癒しに関しては本当に癒される人がいたのかどうかも疑問。全編通じてほぼボケ倒す主人公は嫌いだったのだが、唯一クライエントの母親に向かって文句を言うシーンがいいと思えたので購入に踏み切った。
余談だが、コミックスで作者が打ち切りだったこの作品に対して未練タラタラだったのは読んでいて痛かった。

「ピカピカ家畜」
厘のミキ・全3巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★
誘拐・監禁され癖のある女子高生マハネ。78回目の誘拐で、マハネは生と死の中間の異世界で家畜にされてしまう。
相変わらず作者らしいというか、読む人を選びまくる作品。
読んでいると結構気持ち悪いし、少なくとも楽しい気分にはならない。
それでも普通とはかなり違った世界を楽しみたい人にはいいかもしれない。
最後はかなり急展開で、謎解きはかなり急ぎ足だった。
ただ、2つのエンディングが用意されていて、それなりに納得できる終わり方ではあった。

「光」
凛野ミキ・全4巻・スタジオDNA(ゼロサム)

他人からは偽善者と見られている少年、その少年に憧れる少女、様々な人々の体に、あるとき突然不思議な痣が表れる。
その痣が表れた人たちは突然時間の止まる世界の中で自由に動くことができ、その空間の中では不思議な力を使うことが出来た。
設定だけを見るとわりとよくある設定なのだが、実際の内容はかなりハード。確実に読者を選ぶ内容で、中には嫌悪感を持つ人もいるかもしれない。
その分キャラに個性はあるので、チャレンジするつもりで読む、くらいの気持ちを持っていた方がいいかもしれない。
ただし、最後は思いっきり打ち切り仕様で、謎が謎のまま終わっている。

「ヒカルの碁」
小畑健・全23巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★ ★
平安時代に宮廷で囲碁の指導をしていた青年の霊にとり憑かれた少年が、次第に囲碁の世界にはまっていって強くなっていく話。
囲碁がわからなくても十分に楽しめる作品。
むしろ、囲碁を知らない方がこの作品を読むことによってだんだん囲碁のルールがわかってくるので、それが楽しい。
絵は非常にきれい。
最初は絵だけの作品かと思っていたが、ストーリー構成が非常に上手く、サクサク読めるのもよかった。
惰性で連載が続く前に完結して、名作になったと思う。

「ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編」
鈴羅木かりん・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガンパワード)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
絵はあまり安定している感じはしないのだが、ポイントポイントで見せてくれる絵にかなりドキッとするところがある。
こういうシーンが描けるからこそ漫画化した意味がある、と思わせてくれる。
ゲーム未プレイの人でも十分読める。
ポイントを抑えて短くまとめてくれている。

「ひぐらしのなく頃に 綿流し編」
方篠ゆとり・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
他の2作品に比べると絵でも見せ方でも一歩劣るところがあるが、それでも十分にがんばっているのが見て取れる。話の配分の仕方も上手いし、描くべきところはキッチリ描いてきている。
他の2作品の出来がよいので見劣りするだけなのかもしれない。
ラストシーンはかなり衝撃的。漫画化した意味が十分にあると思えた。

「ひぐらしのなく頃に 祟殺し編」
鈴木次郎・全2巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
他の2作品と比べても作者の画力が高く、安定した高レベルで作品を見せてくれている。
不気味さの演出なども上手いし、ほのぼのシーンもキッチリ描けている。

「ひぐらしのなく頃に 鬼曝し編」
鬼頭えん・全2巻・角川書店(コンプエース)
★ ★ ★ ★
上記3作品とは違い、こちらはゲーム原作ではない番外編。
しかしながら、原作がゲームの作者なので、特に違和感なく話に入れる。
設定は祟殺し編の後の話で、雛見沢村の外の世界の話。
上記3作品を読んでいなくても、ゲームを知っている人なら読んで損はしない。
絵はなかなかにグロテスクでよい。
結末にもそれなりに意外性があって、面白く読めた。
ただ、本編の謎解きのヒントになるようなものがなかったのはちょっと残念。

「ひぐらしのなく頃に 暇潰し編」
外海良基・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
上記作品群とは少しタイミングをずらして連載が開始された。
話はきれいに2巻でまとまっていて、原作を忠実に再現している。
残酷な描写もそこそこ上手いので、他の作品同様面白く読める。
ハッと驚くシーンがなかったのは残念。

「ひぐらしのなく頃に 宵越し編」
みもり・全2巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
鬼曝し編同様、ゲームにはない番外編。
世界設定が罪滅し編に似た世界の後日談となっているので、罪滅し編を知っている人が読んだ方がよい。
絵はかなり癖があって独特のものなので、少し抵抗があるかもしれないが、話の出来はなかなかよい。
むしろ2巻以降が本番。
謎解きのところはかなり面白く読めた。

「ひぐらしのなく頃に 解 目明し編」
方條ゆとり・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
綿流し編の解答編なので、作者も綿流し編と同じになっている。
綿流し編同様、ゲームを上手く漫画化している。
グロテスクなところもいい感じに描かれていてよい。
全4巻という指定があらかじめあったのか、途中若干中だるみのように見えた部分があるのが残念。
原作通りではあるのだが。

「ひぐらしのなく頃に 解 罪滅し編」
鈴羅木かりん・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンパワード)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
鬼隠し編の解答編となっているので、作者も鬼隠し編と同じになっている。
グロテスクなところも含め、心理描写もしっかり描かれていて、かなり読み応えがある。
終わり方は祭囃し編に繋がる作りになっていて、単純にゲームと同じ終わり方にしなかったのも評価できる。

「ひぐらしのなく頃に 解 皆殺し編」
桃山ひなせ・全6巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
序盤は他の作品に比べて画力が劣ることが心配だった作品だが、中盤で一気に画力が上がった。
残酷描写や歪んだ表情などよくなり、カラーも上手くなった。
途中で化けた良作。

「ひぐらしのなく頃に 解 祭囃し編」
鈴羅木かりん・全8巻・スクウェア・エニックス(ガンガンパワード・ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
シリーズ最終作にふさわしく、鬼隠し編・罪滅し編の作画を担当した鈴羅木さんが作画をしていることがとても自然な形に見えて、話に入りやすい。
残酷描写などなどは相変わらず上手く、話の進むペースもよいので引きつけられる。
最後はきれいに終わっていて、文句のつけどころのない終わり方だった。
最終巻の書き下ろし漫画もよかった。

「ひぐらしのなく頃に 礼 賽殺し編」
鈴羅木かりん・全1巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
時系列的に「祭囃し編」の後の話なので、全ての謎解きを知った上で読む必要がある。
話はきれいに1巻でまとまっており、シリーズを通して読んできた人なら読んで損はしない。

「ひぐらしのなく頃に 怪 現壊し編」
鬼頭えん・全1巻・角川書店(コンプエース)
★ ★
聖ルーチア学園に通う園崎詩音。
全寮制のお嬢様学校で、ある日殺人事件が起こる。
本来はもっと続く予定だったような話で、非常に中途半端なところで終わっている。
謎が謎のまま終わっているので、読後感は悪い。
鬼曝し編の続編が掲載されているので、前作を読んだ人は買ってもいいと思う。

「ひぐらしのなく頃に 心癒し編」
影崎由那・全1巻・角川書店(エース)
★ ★
昭和58年の6月を乗り越えた梨花の物語。
なので、本編の結末を知っている人向けの話。
話は悪くないが、特に謎解きがあったりするわけではないので、公式同人誌のような感じ。
絵もあまり上手いとは感じられない。

「ひぐらしのなく頃に 昼壊し編」
佳月玲茅・全1巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★
作者の公式番外編を漫画化した作品で、世界観は「ひぐらし デイブレイク」が元になっている。
本編の結末を知らなくても、キャラ設定を知っていれば読める話になっているが、羽入の存在は知っていた方がいい。
全体的にちょっと背景が白いのと、キャラの顔が微妙なものがあるのが玉に傷だが、原作が好きなら読んで損はない。

「ひぐらしのなく頃に 令 星渡し編」
刻夜セイゴ・全2巻・ビッグガンガン(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★
「ひぐらしのなく頃に」本編から約35年後、令和元年の雛見沢村で再びオヤシロサマの祟りが起こる。
梨花を除く本編の主人公4人にそれぞれ子供が出来ていて、その子供たちが惨劇の謎に挑む。
舞台が令和になっても、雛見沢村が世界遺産を目指して観光地化されているなど、それなりに村が存続していると思わせてくれているところは素直に上手いと思う。
なお、話としてこれは問題編なので、謎が謎のまま終わっている。これを読むなら解答編もセットで。
綿流しのお祭りの日に村にある宗教団体のお祭りに参加してしまった場合の話が展開されている。

「ひぐらしのなく頃に 令 鬼熾し編」
夏海ケイ・全2巻・ガンガンONLINE(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★ ★
こちらも令和の「ひぐらしのなく頃に」。
キャラ紹介がメインの序盤はほぼ「星渡し編」と展開が同じになっているが、画力が高いのはこちらの作品なので、引き込む力は強い。
1巻の中盤くらいで展開が分かれてくる。
読者を驚かせようとする構成が上手い。
なお、この作品も問題編。綿流しのお祭りに宗教団体に属する少女を誘った場合の話が展開されている。

「Pico☆Pico」
衛藤ヒロユキ・全1巻・エニックス(ギャグ王)
★ ★ ★
1000年に1度現れるというバグウィルスを倒すための「光の子」となった小学1年生5人がバグウィルスを倒すために旅に出る。
作者の趣味がよく反映している漫画だというのが第1印象。
1巻だけではラストの方は急ぎ足な展開に感じてしまうので、もう少し続いてもよかったのではないかと思える作品。
よくまとまってはいるのだが。
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