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ハ行-1 [コミックスレビュー]

「タイトル」
作者・既刊数・出版社(掲載誌)

「パートナー」
小花美穂・全3巻・集英社(りぼん)
★ ★ ★
ちょっとしたことで双子の妹とけんかしてしまった少女は、仲直りをする前に妹を交通事故で失ってしまう。しかし、その死体は病院から盗まれ、さらに数日後、少女は生き返った妹と再会した。
全体的に重い話で、ストーリーもわりと凝った作りになっている。ただし、説得力はなくもない、といった感じで、現実感にやや乏しい。現代物を扱うなら、もう少し現実感がほしかった。
また、終わり方も死人が生き返る話ではよくあるパターンで、もう少し工夫が欲しかった。
絵は全体的に手足が細すぎる。手と足の太さがほぼ同じ、というのは問題あり。

「ハートの国のアリス」
ほしの総明・全6巻・マッグガーデン(アヴァルス)
★ ★ ★
同名タイトルのPCゲームを漫画化した作品。
基本的に不思議の国のアリスをベースにしていて、各種擬人化されている。
話自体は面白いが、乙女ゲーがベースなだけに、男性が読むのはちょっと辛いかもしれない。
絵はスッキリしていて読みやすい。
終わり方は少々微妙で、特定の誰かを選んだわけでもなく、話の謎解きも匂わせる程度で終わっているので、キッチリした結末が欲しい人にはちょっときついか。

「ハードボイルドスクランブルエッグ」
木下さくら・全1巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★
作者の単行本未収録作品をまとめた、という言い方が1番しっくりくる短編集。
「魔探偵ロキ」(マ行参照)の外伝や「ニューパラダイス」(ナ行参照)の幻の2話など、作者の他の作品を知っていないと読めない話が半分くらいある。
本当にコミックス未収録の作品を寄せ集めただけなので、この本だけ買うのは危険。

「ハーメルンのバイオリン弾き」
渡辺道明・全37巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
この世の悪全てを封じ込めた箱をある女性が開けしまい、封じ込められていた魔族たちは世界中に飛び散り人を滅ぼそうとした。
そんな中で、超特大バイオリンの音色で魔物を倒す勇者が魔族の本拠地北へと旅を続けていた。
仮想世界であるにもかかわらず、登場する曲はバッハやモーツァルトなどで、世界観はかなりいい加減。
しかし、ストーリーにはかなり引き込まれ、ギャグもかなり面白い。
ストーリーの面白さのピークは14巻くらいで最後の方は失速気味だったが、終わり方には納得できたので評価は下げなかった。
ギャグのときの絵が見にくいことと、首がやたら細いことが欠点。終盤はかなり改善されたが。

「ハーメルンのバイオリン弾き~シェルクンチク~」
渡辺道明・全8巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★
上記作品の続編で、前作の子ども世代が主役となっている次世代編。
上記連載終了から間は空いたものの、話の雰囲気は前作を踏襲していて、他の作品では寒すぎると思えたギャグもこの作品だと普通に受け入れられる。
ただし、主要キャラがほぼ出揃い、敵もはっきりした段階で打ち切りになてしまい、話は中途半端に終わってしまった。
道半ばという感じなのが悔やまれる。

「BURN THE WITCH」
久保帯人・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
ロンドンの裏側に広がるリバース・ロンドンでドラゴンと戦う魔法使いたちの話。
世界観として「BLEACH」(ハ行参照)と共有している部分があるものの、そこまで近しいものではないので、別作品としてちゃんと読める。
キャラの個性が強く、ノリもいいのでサクサク読めるのがいい。

「灰色の乙女たち」
加藤理絵・全2巻・スクウェアエニックス(ステンシル)
★ ★ ★ ★
母親が亡くなり、働かない父親と共に暮らす少女。
バイトで家計を支えつつ生活していた少女だったが、あるとき父親が家出をして独りぼっちになってしまう。
決して絵が上手いわけではないのだが、引き込まれてしまう作品。
話は淡々と進んでいき、起伏があるわけではないが、そこがこの作品のいいところだとも言える。
終わり方は決してハッピーエンドではないが、それもこの作品の味だといえる。
騙されたと思って読んでみると面白いと思う。

「ハイガクラ」
高山しのぶ・一迅社(WARD)
★ ★ ★
かつて存在した4匹の凶神のうち2匹が逃げ出し、それと同時に他の神々もいなくなってしまった世界。
失われた神々を取り戻すため、2人の青年は旅を続ける。
古代の中国のような世界が舞台で、作者らしく設定がちょっと珍しい感じで引きつけられる。
全体的にキャラが多めでちょっと把握しにくいところはあるが、話はまとまっていて読み難くはない。

「廃墟サークル」
渡辺ゆうな・全3巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
大企業の跡取りとして勝ち残り、そのために生きてきた少年は、事故により性別を変えられ、跡取りとしての資格も名前も失ってしまう。
その復讐のため、少女となった少年は同じく復讐を誓う少年たちのグループに入り、その根城である廃墟で暮らすことになる。
いろいろとツッコミ所のある設定ではあるが、実際本編を読んでみるとそこまで気にはならない。
絵がかなり上手いので、絵が気に入れば買ってみてもいいかもしれない。
過去編がやや長い印象だが、話はきれいに完結している。
少し長めの読み切りのような印象だった。

「ハイスコアガール」
押切蓮介・全10巻・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★ ★
1991年のゲームセンター。ゲーセンに入り浸り、ゲームにはそこそこ自信のある少年は、ストIIで同級生の女の子に7連敗してしまう。そこで少年は卑怯極まりない待ちガイル&投げハメで少女に勝つが、そこからリアルファイトに発展してしまう。
そんな出会いだった2人のゲーセンでの物語。
当時のゲーセンを知る人だけでなく、知らない人でも説明がしっかりしているので面白く読める作品。
絵に抵抗が出てしまうかもしれないが、それで避けると損する作品。
当時のアーケードを知っている人なら買って損はしない。
面白さのピークは小学生編ではあるが、高校生編まで続いてきれいに完結した。

「ハイスコアガールDASH」
押切蓮介・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★
前作でヒロインのライバル役だった日高小春が中学生教師となった後の話。
ゲームの話が出てくるまでが結構長いが、それを乗り越えて、前作で小春の格ゲー特訓が好きだった人なら楽しめる作り。
前作ほどの吸引力がないのは残念。

「ハイパーレストラン!」
霧香&聖娜(3巻以降たかなし霧香)・全6巻・エニックス(ギャグ王・ガンガンWING)
★ ★ ★
レストランでアルバイトをしていた女の子が、レストランを救う勇者に連れ去られてそのまま冒険していく。
面白い部分とそうでない部分の差が激しく、面白い部分は声に出して笑えるが、そうでない部分は読むのに疲れる。
絵はまだまだ発展途上といった感じで、所々でアラが目立つ。
ギャグマンガとして終わり方には納得できた。

「バウンティソード ダブルエッジ」
大武ユキ・全1巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★
PSソフト「バウンティソード ダブルエッジ」を漫画化した作品。
ゲームと漫画のキャラデザが同じ人なので、ゲームを実際にプレイした人でも違和感なく読めると思う。
ただし、ストーリーは中途半端なところで切れている。ストーリー運びが良かっただけに残念。
ゲームの雰囲気を感じたい人なら、買ってもいいと思う。

「はかいしんるるこ」
村山渉・全1巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★
かつて魔法使いに封印された破壊の神・るるこ。
彼女は現代に蘇るが、全ての力を失っていた。
突然女の子が居候としてやってくる、という典型的な話。
最後に少しだけ捻りはあるが、それ以外は平凡な作り。
作者が好きなら。

「博士の不可解な夜宴」
木下さくら・全1巻・マッグガーデン(まんがこっち)
★ ★
世界各国が覇権を争っていた時代。
大邸宅にたった2人で暮らす少年と青年の元に、失踪したとある博士を探して軍がやって来る。
全編割とシリアスな雰囲気になっていて、作者のシリアスな話に期待して読んだのだが、いまひとつな出来だった。
つまらなくはないのだが、設定が割とありがちで、吸引力がなかった。

「バガタウェイ」
古日向いろは・全12巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
小さな離島で暮らしていた少女は、母の勧めで本当の高校に寮住まいで通うようになる。
少女はそこでラクロスに出合い、のめり込んでいく。
高校のラクロスをテーマにした作品で、読んでいるとしっかりラクロスのことがわかった上で描いているというのがわかるので、なかなか読みごたえがある。
話のテンポが割と早いので、大量の登場人物を把握できれば面白く読むことができる。
大会編を最後まで描き切って、きれいに完結した。

「鋼の錬金術師」
荒川弘・全27巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★ ★
人体練成に失敗し、失った体を機械で補った錬金術師の兄弟。
その兄弟が元の体を取り戻すために旅をする物語。
これぞ少年漫画、といった雰囲気で、テンポがよく一気に読める。
脇役にも味があり、キャラもよくたっているし、話もいい。
絵は既に完成されていて読みやすい。アクションシーンにも迫力がある。
話も最後までだれることなく、これだけ長い巻数で無駄がないと感じられるのがすごい。
間違いなく名作。

「パカ★RUN」
中林嵩晶・全3巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
莫大な借金を抱えながら弟妹たちを養う女子高生の少女。
少女は地下競馬の騎手の目に留まり、少女たちが馬に乗りながら剣で戦う地下競馬の騎手になることになる。
黒乃奈々絵さんが原作の作品で、架空の競馬を舞台にしている割には競馬の知識もしっかりしている印象。
一見無理のある設定にも見えるが、読んでいるうちに納得させられてしまうところがあり、違和感はない。
残念ながら打ち切りとなってしまったが、そこまで中途半端な終わり方ではなかったのが救い。

「獏」
びっけ・全4巻・一迅社(WARD)
★ ★ ★
悪夢を見ると信じしまう、という病気が流行った中世ヨーロッパ。
その時代で悪夢を食べる術師・獏とその従者たちの物語。
悪夢を食べる獏、という設定はよくあるもので、それ以外の個性は乏しい印象。
作者の頭の中だけで話が進んでいる箇所もいくつかある。
話はきれいにまとまったのだが。

「幕末風来伝斬郎汰」
喜名朝飛・全6巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
幕末の動乱期に「血袴の斬郎汰」と呼ばれた幼い剣士がいた。
彼は親を殺した兄弟弟子を探して旅を続け、その途中で少女と出会う。
読み始めたとき「るろうに剣心(ラ行参照)」に近い内容だと感じたが、読み進めていくと似ていると感じることはなくなる。
ストーリーは中盤まではよかったのだが、5巻の途中以降かなり急ぎ足な展開になってしまって残念。様々な伏線をもっと有効に使ってほしかった。
絵はまだ未熟だと感じられるが、見づらくはない。

「バクマン。」
小畑健・全20巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
コンビで漫画家になった2人の少年と、声優を目指す少女。
いつか自分の描いた漫画がアニメ化されたら、少女がそのヒロインを演じる。
その夢が叶ったら結婚するが、それまでは会わないと約束した2人の物語。
とにかくジャンプの裏側がわかる作品で、作品の作り方はもちろん、原稿料からアンケートのことまで、かなり細かく描かれている。
ちょっと違った角度から漫画が読めるようになる作品。
マンガをたくさん読んでいる人にお勧めしたい。
最初に提示された夢が叶うところまで話は続くが、もう少し先まで読んでみたいと感じるのが少し残念なところ。

「爆力冒険メガバーン」
西川秀明・全3巻・エニックス(ガンガン)
★ ★
冒険好きの少年が、ある日突然巨大な空飛ぶ機関車に襲われ別世界に連れて行かれる。
最初の頃はこれから面白くなるかな、と思わせる内容だったが結局面白くならないまま終了。終わり方も中途半端で打ち切りのようだった。
最初かなりの美形キャラとして登場した敵も変に崩れてしまい残念。
とてもきれいな絵が描けるのに、くずした絵が多かったのが悪かったのか。

「化物語」
大暮維人・全22巻・講談社(マガジン)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの小説を漫画化した作品。
吸血鬼の眷属として不老不死になってしまった少年と、様々な怪異に取り憑かれた少女たちの物語。
登場する怪異がどれも個性的で、じっくり読まないと原理がよくわからない部分はあるが、絵がとにかくきれいなので、読む価値は十分にある。
丁寧に原作を追って行ってくれているので、話の時系列はわかりやすい。
原作での「猫物語」まで描かれていて、最後はきれいにまとまっている。

「はこぶね白書」
藤野もやむ・全7巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★ ★
どうしようもなく成績が悪く、少女が何とか入試に合格した学校は、動物が人間のことを学ぶための、動物が人間に化けて通う学校だった。
ほのぼのとした雰囲気があり、作者の作風がよく活かされている作品。
特に大きな事件もなく、話にあまり起伏もないが、癒しを求めている人にはお勧め。
謎解きは全て行われたものの、唯一、最後が打ち切りのように突然終わってしまったことが残念。
まとめ方も無理矢理に見えた。

「ハザマノウタ」
介錯・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンパワード)
★ ★
姉を魔族に殺された魔族の血を引く少年と、片羽にコンプレックスを持つ天使の少女。
両親の再婚で、2人は期せずして兄弟となって一緒に暮らすことになる。
ギャグとシリアスが半々くらいの作品なのだが、シリアス部分の方が格段に面白い。
連載終盤までかなり面白く読めていたのだが、最後は打ち切り。
かなり中途半端に終わってしまったのが残念。

「はじめての甲子園」
火村正紀・全7巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
生徒数1名という高校で甲子園に出場しようとがんばる少年の物語。
設定だけを見るとギャグマンガ以外の何物でもないが、実際は3割くらいシリアスな部分があり、丸っきりギャグにしていないのが逆にいい。
ただ、9人メンバーがそろう前に話が打ち切りとなり、残念。もう少し早く展開していればよかったのかもしれないが。

「はじめてのひと」
谷川史子・集英社(ココハナ)
★ ★ ★
初めて好きになった人だけでなく、初めて憎んだり、執着したり、愛されたり、と大人になってから体験する「はじめて」が描かれたオムニバスストーリー。
対象年齢は割と高めで、そのせいかハッピーエンドは少なめ。
大人の女性の日常が描かれていて、いい意味で生活感がある。

「はじめてのふたり」
夢路行・全1巻・一迅社(きららセーズ)
★ ★ ★ ★
毎日すれ違う駅でお互いを意識し始め、付き合うことになった2人。
すれ違いの日々だったり、誤解があったり、それでも不器用に2人は付き合いを深めていく。
少女漫画おなじみの三角関係とかライバル登場ということはなく、不器用に付き合っていく2人を見守っていく感じに読める作品。
あの頃はあんな感じだったな、と思える20代の女性に読んでほしい話。

「ハスク・エディン」
如月芳規・全4巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
古代城塞都市エルドラドを守るために編成された軍と、エルドラドを狙うテロリストたち。
軍で戦う少年兵たちは、エルドラドが何であるのか、何があるのかも知らずにその命を散らしていく。
少年兵たちの視点で話は進んでいき、その視点は話毎に代わるオムニバス形式。
序盤から重要人物と思われる人たちがサクサク死んでいき、いい意味で話がどこに向かうのかわからないのがいい。
少しずつ明かされていく謎など、話の吸引力は非常に強い。

「バス走る」
佐原ミズ・全1巻・新潮社(バンチ)
★ ★ ★ ★ ★
バスに関わるいろいろな人たちの恋愛を描いたオムニバス作品。
ハッピーエンド・アンハッピーエンド、様々な終わり方があり、オムニバスとしては非常によい出来。
絵も切ない感じがしてよい。
表紙は百合っぽいが、中身はノーマル。

「PUZZLE+」
菅野マナミ・全2巻・マッグガーデン(マサムネ)
★ ★ ★
様々な人の前に現れては、その人の願いを叶えてくれる箱があった。
しかし、願いを叶える度に箱の鎖は外れていき、7つ全て外れると箱が開いて何かが起こるらしい。
それを防ぐために、少女は箱が現れては壊していく、という作業を続けていた。
2巻で完結すると予め決まっていた作品なので、話の流れは非常にスムーズ。
まだ話を見せることに慣れていない、というのは各画面で感じるが、悪くはない印象。
しかしながら、最後は少々盛り上がりに欠け、いまひとつの印象だった。
その盛り上げさえ出来ていれば、評価は上げたかもしれない。
努力の跡は見えたのだが。

「蜂の巣」
峰倉かずや・全1巻・一迅社(WARD)
★ ★ ★ ★
治安の悪化により、死体から臓器を抜いて売買する臓器荒らしが横行するようになった時代。
死体を回収して正規に火葬する「葬迎員」の2人が事情のある死体を回収してまわる物語。
臓器売買の元締めなども登場するが、話はその人と主人公が出会う前に終わっていて、出来のいい話だけに続きが読みたいと思うし、これで終わってしまうのが惜しいと感じる。
Arcanaに収録された読み切りも再録されており、作者のファンなら買って損はしない。

「ハチミツとクローバー」
羽海野チカ・全10巻・集英社(YoungYou)
★ ★ ★ ★ ★
安アパートに暮らす美大学生と、見た目がかなり幼いながらも芸術的な才能を持つ少女、またそれを取り巻く人たちの物語。
作品全体に漂うほのぼの感がよく、さりげない日常を描きながら非日常的なことが起こったりと、そのバランスがすごくいい。
絵の雰囲気も物語と合っている。
途中で少し中だるみするところもあったが、最後はわりときれいに完結していて納得。
いい作品だった。

「ハツカネズミの時間」
冬目景・全4巻・講談社(アフタヌーン)
★ ★ ★ ★
ある隔離された学園で暮らす4人の男女。
その生活に慣れきっていた4人だったが、1人の転校生が来たことにより、学園のあり方に疑いを持ち始める。
設定はわりとありがちなのだが、予想できない展開が待っていて飽きることなく読める。
絵も話に合ったいい雰囲気を持っている。
終わり方は作者らしいというか、全部が全部ハッピーエンドではない。
ただ、これも1つの結末という意味で納得できるものでよかった。

「はつきあい」
カザマアヤミ・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
初めて付き合った恋人同士のオムニバスストーリー。
中高生だけでなく、社会人の話もあるなど、年齢層も割と幅広い。
ほぼ男性視点の話だが、話は少女漫画っぽい。
読んでいてやや恥ずかしい感じはあるが、絵が好みなら問題はないと思う。
読後感はなかなかいい。

「初恋限定。」
河下水希・全4巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
とある街の中学・高校に通う男女の初恋を描いたオムニバス作品。
登場人物は結構多く、その中の数人の恋愛にスポットを当てた話が数話ずつ描かれている。
特に主人公はいない。
そのため、結構ちゃんと読んでいないと人物相関がわかりにくい。
恋愛ものが好き・この絵が好き、という人なら楽しめるとは思う。
最後は打ち切りだったせいもあって、まとめられるところだけまとめたような印象。

「Happy!」
浦沢直樹・全23巻・小学館(スピリッツ)
★ ★ ★ ★
兄が2億5千万の借金を抱え、少女はそれを返済するためにテニスで賞金を稼ぐ決心をする。
同作者の作品「YAWARA!」(ヤ行参照)と主人公の年齢、顔が似ているが性格は違っていて芯が強く、そこに好感が持てる。
また、とにかくここまで憎々しいキャラはいただろうか?と思えるキャラがいるのもいい。
絵は浦沢さんの絵が完成されていて、とても見やすくていい。
終わり方もほぼ満足のいくものだった。

「はっぴいヱンド。」
有田イマリ・全5巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)

田舎に引っ越してきた少女は、少しずつ地域に馴染んで楽しく暮らしていた。
しかし、ある日毎日書くように言われていた学級日誌を書き忘れてしまい、罰ゲームとして殺されてしまう。けれど、気が付けば転校初日に時間が巻き戻っていた。
タイムリープをしながら少しずつ真相に近付いていくタイプの話なのだが、どういう仕組みでタイムリープが起こっているのか、タイムリープを起こしているのは誰なのか、という謎解きが終わったところで連載終了してしまった。
ループを抜け出すところまでやってくれればもっと評価は高かったのだが……

「ハッピーシュガーライフ」
鍵空とみやき・全10巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★ ★
幼い頃に両親を亡くし、叔母による歪んだ愛情の下で育てられた少女・さとうは愛を知らなかった。
気の向くままに男遊びをしていたさとうだったが、あるとき街で出会った少女・しおを拾い、愛を知る。2人はささやかに暮らしていたが、しおを探す少年が現れて2人の暮らしに変化が表れる。
ほとんどの登場人物がある種の異常者、ということで、いい意味でどす黒い話が楽しめる。
特に登場人物の1人・太陽はいい変態になっている。
話の進むペースが少し遅いというのはあるが、謎解きをすべて終えた上で、最後はきれいに完結している。

「HAPPY BOY」
江川達也・全3巻・エニックス(ガンガン)

平和な村で暮らす男の子が、砂漠で倒れていた魔法使いの少女を助け、強い戦士を探しているという少女に従い村を出ていく。
「ガンガン」が隔週として新創刊する際に看板作品としてスタートした作品。
作者も有名なだけあって、絵は描き慣れており安定感があるが、手を抜いているように見えてしまうのは残念。
ストーリーは2巻以降面白くなってくる感じがしたのだが、ものすごく中途半端に終了、残念。

「破天荒遊戯」
遠藤海成・全24巻・エニックス→一迅社(Gファンタジー→ゼロサム)
★ ★ ★
突如父親に家から追い出されて旅に出されてしまった少女が、街で偶然出会った青年と旅をすることになる。
ストーリーのテンポは良く、キャラもよく立っているので楽しく読める。
絵は全編通してあまり安定しないが、読みにくくはない。
話が盛り上がってくるのは10巻以降で、連続して謎解きがある10巻台の吸引力はかなりのもの。
ただ、すべての謎解きを終えずに最終回を迎えてしまい、話として区切りはついたけどモヤモヤする部分は残ってしまった。

「花いちもんめ」
渡千枝・全1巻・ぶんか社(ホラーM)
★ ★
「死者とのアクセス」の続編。
前作に続いて低年齢向けの話であまりいいと思える話もなく、前作からの伏線も途中で変えられてしまったようで、おかしな回収のされ方をしていたのが残念。
「理科室の骨」という話はわりとよかったが。

「花帰葬」
幸田真希・全2巻・マッグガーデン(アヴァルス)
★ ★ ★
同人PCゲームが原作の作品。
ゲームとは主人公を変えているようだが、なかなか面白く読める。
美形ばっかり出てくるとか、BLっぽいとか、その辺りが気にならない、もしくは好きだという人にはわりとお勧め。
話や設定がキッチリしているので、読んでいて安心感がある。
終わり方もきれいだった。

「華園ファンタジカ」
上田信舟・全3巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
様々な種族が通う学校に、引きこもりの姉の婿探しをするため、その弟が性別を女性に変えて入学してくる。
今までの作者の作風とは少し違い、全体的にかなり明るい話となっている。
あまり重い展開はなく、気楽に読める感じで楽しい。
キャラも全体的に立っている。
割と楽しく読めていたのだが、最後は打ち切りみたいな感じ。ちょっと中途半端に終わってしまって残念。

「花と惑星」
谷川史子・全1巻・集英社(クッキー)
★ ★ ★
片思いの先輩に思いを告げようと必死の少女だったが、近くには彼女を見ている少年もいて……
極々普通の少女マンガの短編集だが、どの作品もそれなりに読める。
最終的にはどれもハッピーエンドなので、読後感はよい。

「バナナのナナ」
鬼八頭かかし・全2巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★
1人1つ特殊能力を持ち、その能力を保つために代償を払う制約のある世界。
バナナを自在に操れる能力を持ち、能力を使うとバナナを皮ごと食べないといけないという制約を持つ少女とその姉は冒険者になるべく旅立つ。
バナナを自在に操れる能力など、初期設定は割と面白かったものの、話が進むに連れ普通の話になってしまっているのが残念。
それ故か、最後はものすごい打ち切り展開で、超展開になっている。作者がある意味暴走している感じ。
手を出さない方が無難。

「BANANA FISH」
吉田秋生・全19巻・小学館(フラワーコミックス)
★ ★ ★ ★
ベトナム戦争の最中、1人の兵士が「バナナフィッシュ」という謎の言葉を残して死亡した。
そして1985年のアメリカで、ストリートキッドのボスである少年は路地裏で倒れた男からペンダントを受け取り、その男もまた「バナナフィッシュ」と言い残して死んだ。少年はバナナフィッシュをめぐる争いに巻き込まれていく。
ストーリーにいつも一定の緊張感があっていい。
7巻くらいまでのバナナフィッシュをめぐる争いはかなり面白かったが、それ以後は話の路線がそれてしまって残念。しかし、最終巻の出来がよかったので評価は落とさなかった。
絵柄は1巻と10巻を比べるとかなり違うが、きれいに成長したという感じで好感が持てる。
描き込みすぎがなくてすっきりとしている。

「華の神剣組」
松沢夏樹・全7巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★ ★
日本一の剣士を目指す少年が、鬼を退治する神剣組に入って鬼を退治して行く話。
作者の作品としては珍しく、ほとんどシリアスな展開で進んで行くのだが、そこが面白い。
この作者はシリアスだけでもいいものが描けるのだ、と驚いた。
最初から最後まで無駄な展開がなく、終盤の盛り上げもよかったし、終わり方にも納得。
しかしながら、そのシリアスさについていけるだけの画力がないことが唯一の欠点。
下手ではないのだが、迫力に欠ける。

「花祭」
あき・全1巻・リブレ出版(Daria)
★ ★ ★
芸を生業とする「花」と呼ばれる少年たち。花はパトロンとなる花主を求め、花主はよりよい花を探し、花を切り捨てていく。
そんな世界で生きる花や花主たちの物語。
話はどうやら1巻で終わってしまったようで、残念ながら登場人物たちの話にはあまり決着がつかないまま終わってしまっている。
設定や雰囲気がかなりいい作品だけに、残念。

「はなまる幼稚園」
勇人・全11巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★ ★
少しませた幼稚園児と先生が過ごす日常の物語。
ませてはいても所詮は幼稚園児、という感じが上手く表現されていて、子どもが好きな人には結構お勧め。
ませた幼稚園児を扱う「クレヨンしんちゃん」(カ行参照)とはまったく別の印象で、萌える要素も多い。
絵もかわいらしく、読みやすい。
話としてもう少し続いてもおかしくはなかったが、間延びする前に完結。
きれいにまとまっている。

「花を咲かそう」
あいざわ遥・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★ ★
花が好きな女の子が、同級生で花屋の寡黙な男の子に恋をする。
タイトルになっている作品はかなり短く、都合のいい展開が気になる。
また、他に収録されている作品も特に目立ってよい作品はない。
ただ、主人公自身の恋愛がない作品があるので、それは他の作品と視点が違っていて評価できる。

「ぱにぽに」
氷川へきる・全17巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★
オチがあるようでないような1P学園コメディー。
あまり面白いと思ったことはないのだが、ウサギの話が好きなので買ってみた。
作品として徐々に伸びていった印象で、途中でアニメ化するなど予想外の人気も出た。
最後はギャグ漫画らしく、終わったような終わっていないような、という終わり方。
世界観が気に入れば読んでみても。

「パノラマアワー」
吉川博尉・全1巻・マッグガーデン
★ ★ ★
「瓦礫の楽園」(カ行参照)に収録されている作品などを再編集した短編集。
ある程度加筆されているので、こちらの方が完成度は高い。読める話も多かった。
作者の短編集を買うならこちらがお勧め。

「パパムパ」
もち・全3巻・エニックス(ステンシル)
★ ★ ★
動物保安隊として世の動物を守ろうとするパパムパという生物と、そのパパムパに保安隊として任命された2人の少女の物語。
序盤はギャグマンガとして弾け切れていない部分があったが、回を重ねる毎によくなっている。声に出して笑ってしまうこともしばしば。
絵はまだ不安定。

「PAPUWA」
柴田亜美・全14巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★ ★
「南国少年パプワくん」(ナ行参照)の続編で、前作から4年後の設定。
とにかくギャグの切れがよく、笑わない回がないくらいに笑える。
シリアスなところもいい。
前作を知らないと話に入りにくいところがあるので、読み始めるのなら前作を読んでから。
最後までギャグの質が衰えることなく終わってくれたのはよかった。

「バベルハイムの商人」
古海鐘一・全5巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
運命金貨という悪魔の通貨を手にすることにより、悪魔との取引が可能となる。
悪魔は要望に合わせた様々なアイテムを売ってくれるが、使用するにはリスクもある。
「世にも奇妙な物語」「笑うせぇるすまん」のような作品で、こういう話が好きな人なら割と楽しく読める。
序盤は人間が自滅する割とよくあるパターンだが、次第に捻りが効いてくる。
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