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打ち切りカウントダウン [エッセイ]

漫画雑誌の連載でほとんどの作品が晒される「打ち切りの恐怖」。
打ち切りというのは客観的に見て「コミックスの売り上げが悪い」「アンケートの結果が悪い」などの結果が反映され、コミックスとしてはあと1巻分しか出せないから、その残りページ数分で話をまとめなければならない、でも風呂敷を広げすぎてまとめるにまとめられない、など漫画家さんにとってはかなり不本意な形で作品が終了することも多いです。

そして、読者もその雰囲気を感じ取ることがあります。
それは出版社、雑誌によって多少異なるので、私はスクエニ系の雑誌を全て読んでいるということから、スクエニ系雑誌で打ち切られるまでの様子を、今回はレベルで表してみます。
あくまで主観ではなく、客観的に見たときの評価です。

レベル1 表紙・巻頭カラーがない 打ち切り可能性10%
この時点ではまだ打ち切りの可能性は低いです。
表紙・巻頭カラーは雑誌の看板作品、過去に実績のある作家さんの新連載、人気のある原作付作品(ゲーム原作含)の新連載が飾るもので、これがないからといって即打ち切りということはまずありません。
ただし、かつては表紙・巻頭カラーを飾ることもあったけど最近はない、という場合は徐々に人気が下降しているものと考えられ、いずれは打ち切りになる可能性を秘めています。

レベル2 掲載順位が常に後ろの方 打ち切り可能性30%
ジャンプではあからさまに人気のない作品の掲載順位が下がっていきますが、スクエニ系では厳密にそうだとは言い切れません。センターカラー作品が後ろの方に来ることもあれば、4コマ作品などの少ないページ数の作品はあえて後ろの方に持ってきている場合があります。
しかし、人気のある作品・プッシュしている作品の掲載順位が前の方だということも事実なので、昔は掲載順位が上だったけど徐々に下がってきた場合は、打ち切りの可能性を含んでいます。
3回連続で掲載順位が下から5番以内、辺りにいると危機感を覚え始める感じです。

レベル3 センターカラーがない 打ち切り可能性50%
スクエニ系雑誌の場合、コミックス発売記念、新展開突入記念などでセンターカラーになる場合が多いです。話の区切りがついたところでは新規読者の獲得が見込めますし、センターカラーで作品が目立てばコミックスの販売促進につながります。
しかし、裏を返せば、新展開に入ってもコミックスが発売されてもセンターカラーがないということは、雑誌として既に売る気がなくなった作品とも言えます。
ただし、1回の掲載ページ数が多い作品はコミックス発売間隔が短く、コミックスが出る度にセンターカラーになると間隔が短すぎるので、コミックスが出てもセンターカラーにならない場合があります。
また、オムニバス作品など、ストーリーにあまりつながりのない作品は「新展開」というはっきりとした区切りがないため、センターカラーにならない場合があります。
コミックスが2冊出て、連続でセンターカラーがない場合は打ち切りの可能性が高くなります。

レベル4 コミックスに帯がない 打ち切り可能性70%
最近は人気作品だけでなく、どんな作品でも大抵はコミックスに帯がつくようになりました。
人気作品だと、帯+本誌連動プレゼント企画などがついてきたりしますが、帯がついているうちは「コミックスを売ろうとしている姿勢」が見えます。
しかし、帯がないとはっきり「このコミックスは売る気がない」と判断できます。発行部数もかなり抑えられていて、漫画専門店でも平積みで見ることができないレベルであったりします。
本誌では話として打ち切りの気配がなくても、そろそろ何かありそう、という雰囲気が漂ってきます。
コミックスに帯がつかなくなってから3巻以上続いた作品を、私は知りません。

レベル5 話の展開が急に速くなった 打ち切り可能性90%
レベル4に加えて、今まで張ってあった伏線を大量に回収し始めた、さまざまな問題がいきなり解決し始めた、急速な謎解きが始まった(過去編開始含む)、なども打ち切りの危険性が高いです。
この状態に入ると「既に打ち切りが決定していて、話をどうにかまとめようとしている」段階である可能性が非常に高いです。この状態に入ると、長くてもコミックス2巻程で連載が終了すると考えてよいです。
打ち切りとは関係なく、円満終了の作品でも過去編終了後にラスボス戦があって最終回、は定番ですが。

レベルMax 雑誌掲載時の最終ページの柱に「次回クライマックス」と書いてある 打ち切り可能性100%
次号予告のページに「次回、感動の最終回!」と書いてあったら決定的です。
最終回のときに巻頭カラーがもらえれば看板作品、センターカラーなら中堅作品、予告ページに絵入りの最終回予告があったら底辺をさまよっていた作品、作品名の後ろに(最終回)と書かれているだけなら最底辺の作品、というような感じでしょうか。
ガンガンJOKERではこの予告すらなくいきなり最終回になるパターンも多々あり、驚かされることがあります。
ゼロサムでは最終回予告は出るけど、最終巻が紙媒体で発売されない(電子版のみ)、というパターンもあり、最終回にカラーがついていなかったら打ち切り作品だという判断をしてもいいくらいではあります。

底辺付近の作品の場合、「○○先生の次回作にご期待ください」と書いてあっても、掲載誌で再度連載が始まることはまずありません。発行部数の少ない雑誌やWEB媒体への島流し、増刊でカラーなし読み切り、新創刊の雑誌でやり直し、などなど人気商売の厳しさを感じさせてくれる展開が待っています。
最近は絵が上手ければ原作のある作品のコミカライズの作画担当になる場合も多々ありますが、同じ雑誌でオリジナルでの連載をもう1回させてくれるようなことはあまり見かけなくなりました。
こういった作品ほど、最終回はかなり哀愁漂う感じに仕上がっています。大抵の場合は「まだ戦いは始まったばかりだ!」といったところで終わります。主人公行方不明、というパターンも多いです。
ただ、あまりにも急速な打ち切りだと、作者の中で何かが弾けたのか、ものすごいアンハッピーエンドや開き直ったギャグ展開で読者の心をつかむ場合も稀にあります。
こういった作品は次回作で化けてくれる可能性があるので、本当に次回作に期待が持てることもあります。
それに、原作がつくとものすごい力を発揮するタイプの作家さんもいて、原作越えではないかくらいの作品が出てくることもままあり、そうなるとコミカライズ終了後に再びオリジナル連載で帰ってくることもあります。

スクエニ系の雑誌では、1巻発売までは雑誌全体で作品を推す雰囲気があり、掲載位置も前の方で、1巻発売時は必ずセンターカラー以上の扱いをしてくれます。
しかし、売り上げがあまりよくないと、早ければ2巻に帯がつかなくて全3巻完結とか、全2巻で完結という壁がやってきます。新人の作家さんはこの壁を越えられない場合が多いです。
この全2巻の壁を乗り越えても、全4~5巻の壁があり、コミックスに増刷がかかるとか、おそらく水面下でメディアミックスの可能性があるとかがないと、これ以上の伸びしろがないと判断されて打ち切られることが多々あります。すでにヒット作を出したことのある作家さんの次回作、みたいなものでこの壁を越えられずに終わってしまうパターンは多いです。

その代わり、この壁を越えられると、コミックス10巻前後くらいまで連載が続いて円満終了に持っていける確率がグッと上がります。
最近ではアニメ化などのメディアミックス後、ほどなく完結に持っていくパターンが多いように感じます。その場合も打ち切り作品のような急展開ではなく、じっくり終わる方向に向けて話が進んでいくので、きれいに終わってくれることが多いです。
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愚痴 [エッセイ]

ある日のお昼休み。
某所でお昼ご飯を食べていると、隣に2人組の女性が座って話を始めました。
何とはなしに聞いていると、どうやら同じお店で働いている女の子がどれだけ無神経に仕事をしているか、というのを片方の女性が一方的に愚痴っていました。
片方の女性はたまに相槌を打つだけで、とにかく聞くだけ。あまり楽しそうではありません。
その様子を聞いていて、私も同じような境遇に陥ったことがあるな、と聞くだけになっている女性に対して同情しました。

他人と関わって生きているとそれだけでストレスというのは蓄積していきます。
今までの経験から、女性はそのストレスを話すことと食べることで発散しようとする傾向にある、と感じます。なので、あまり連絡のなかった女の子から、
「今度飲みに行こうよ。」
と誘われるときは大抵、
「あぁ、また愚痴を聞かされるんだな。」
と思うようになりました。
私が愚痴をこぼすときにも同じことが言えますが、女の子の愚痴っていうのはただ聞いてほしいだけで、特にそれに対してアドバイスを求めているわけではありません。
でも、生返事で聞かれるのも嫌、という状態で、ある程度親身になった相槌と、ちょっとした肯定意見と、事情を聞く軽い質問(その人とはいつから一緒に仕事をしているの?とか)があればいい、という状態です。
基本的に女の子はおしゃべりなので、相手が一方的に話すだけ、の状態になるとさして楽しくなくなってしまいます。
たまに喫茶店で男の方が一方的に話しているカップルを見かけますが、大抵女の子はつまらなさそうです。
そして、愚痴が最高潮に達したときに必ずと言っていいほど出て来る決まり文句は、
「そのとき何て言ったと思う?」
です。
「そんなのわかるわけないじゃん。」
っていうのが本心ですが、愚痴を聞いているときに話している相手を否定したり、愚痴の対象になっている人をフォローしたりすると愚痴が倍の長さになるから大変です。
「それはわかってるけどさ……」
と更なる愚痴が続きます。
極論してしまうと、小学校のときの友達の悪口で盛り上がるのと同じレベルで、悪口の対象になる人を同じように否定してもらいたい、というところに行き着くのではないかな、と思います。

また、こういうときによく思い出すのは、学生時代にケーキ工場でバイトをしていたときにいたあるおばさんのこと。とにかく人の悪口ばかり言っている人だったのですが、いざその人がいなくなると他の人が一斉にその人の悪口を言い始めるのです。
なので、ここで愚痴っている分、あなたも同じだけ誰かに愚痴られているのではないかな、とふと思ってしまいます。因果応報とは正にこのことか、と。
それでもって居酒屋などで数時間愚痴を聞かされた後の支払いは割り勘、というのがいつも納得できないところだったりします。なので、私は相手がしゃべっている間に飲みまくって食べまくるようにしています。
それで支払いが同じくらいで丁度いいと思うのですが、相手は相手で、
「一人で食べまくって支払いは割り勘ってどういうこと?」
と思っているのだと思います。
結局、どっちもどっち、ということでしょうか。
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