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ハ行-5 [コミックスレビュー]

「タイトル」
作者・既刊数・出版社(掲載誌)

「平成バンパイアの逆襲」
浅野りん・全1巻・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★ ★
吸血鬼の父親と人間の母親の間に生まれた男の子の話。
タイトル作品の他、全5話が収録されている短編集。
4コマ、ショートストーリー、少女漫画と様々なジャンルの話が読める。
「CHOKO・ビースト!!(タ行参照)」の特別編があるのもファンにはうれしいところ。
どの話もレベルが高いが、唯一「お菓子な野郎」は面白くなかったので評価を1つ下げた。

「ヘタッピマンガ研究所R」
村田雄介・全1巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
漫画の描き方を解説した作品。
絵だけではなく、キャラの作り方、作家インタビューなどもあって、純粋に読み物としても楽しめる。
終盤の厳しいセリフなど、印象に残るシーンもあってよかった。
ジャンプを読んでいる人ならより楽しめる。

「HEAVEN」
七瀬葵・既刊1巻(立ち消え)・スクウェア・エニックス(ガンガンパワード)
★ ★
あるとき浅草を訪れた少年は、そこで異空間に紛れ込み、2人と女神と出会い、少年には特別な力があると判明する。
そして、少年と女神は同居するようになる。
どこかで見たことある設定の話で、ギャルゲーのノリではあるが、作者が作者なだけに許されてしまっている雰囲気を感じる。
絵だけの作品なので、それを覚悟で。
コミックスが1巻出た段階で連載そのものが立ち消えて雑誌も休刊していることから、続編は期待できない。

「ベルサイユのバラ」
池田理代子・全10巻・集英社(マーガレット)
★ ★ ★ ★
男装の麗人・オスカルを主人公としたフランス革命を描いた作品。
アニメはシリアスな部分のみで構成されているが、原作はそれなりにギャグっぽい部分もある。
アニメから入るとそこに違和感を覚えるかもしれない。
内容的には割と史実に忠実。

「べるぜバブ」
田村隆平・全28巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
最強にして最凶の不良少年・男鹿はあるとき川から流れてきた赤ん坊を拾う。
実はその赤ん坊は魔王になる子供で、思いっきり懐かれた男鹿は魔王の息子を育てることになる。
不良ばかりの高校でケンカばかりの展開ではあるが、所々笑いもあり、割と面白く読める。
キャラも割と立っている。
ただ、終盤は割とワンパターンになり、ベル坊を赤ちゃんの状態から成長させられないジレンマもあって、尻すぼみのような感じで終わったのは残念だった。

「ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。」
matoba・全12巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
魔界の行政機関である万魔殿の頂点に君臨する美少女悪魔・ベルゼブブ。仕事は有能だが天然気質のあるベルゼブブの近侍として1人の青年が配置されることになる。
設定は魔界なのだが、生活スタイルは人間界の役所とさして変わらないので、キャラの名前だけ悪魔から引用していると考えた方がいい。人間界や天界との仲も良好で、争いの雰囲気は一切ない。
個性的なキャラたちが暮らす日常を楽しむ癒し系の作品。
最後はキッチリハッピーエンドで終わった。

「ペルソナ 罪と罰」
松枝尚嗣・全3巻・集英社(月刊ジャンプ)
★ ★
PSの「ペルソナ2罪」「ペルソナ2罰」のサイドストーリー。
ゲームの登場人物はほぼ出てこなく、ペルソナ能力に目覚めた別の高校生の物語。
ゲームの世界観を壊すことなく、わりと上手くまとめている。
ただ、やはりゲームを知っていると、ゲームとは別のところで起きていた大事件の設定には違和感があるし、重要アイテムとして扱われているのが漫画オリジナルのものにやはり違和感があったり、であまり好きにはなれなかった。

「HELL HOUND」
長友良充・全3巻・エニックス(ガンガンWING)
★ ★
魔法技術の確立により世界の実権を手にした法皇庁のもとで働く「神の猟犬(ヘルハウンド)」と呼ばれる男女の物語。
アクションものの話であると、政権を取っている人たちの敵対勢力が主人公である話が多いが、これはその逆であるのがなかなか面白い。
ただ、ストーリー展開がワンパターン気味で最終展開もなんとかまとまってはいたが、終わり方はいまひとつ。
絵には不安定なところがあり、読みにくいところもある。

「HELL HELL」
東ジュン・全5巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
地獄王・ソロモンの命令で、72人の息子たちは地上で殺し合うことになる。
68番目の息子で王から最も嫌われた子供である少年は、他の兄弟と比べて軟弱な武器を持ちながらも、なんとか生き残ろうと戦い続ける。
話が所々捻られていて、ソロモン72柱の悪魔という王道な設定ながらも、わりと読める作りになっている。
絵はまだ成長途上だが、アクションシーンは悪くない。
一応ハッピーエンドで終わったものの、最後は無理矢理まとめた感じだった。
やはり72人も描こうとすると無理があったか。

「ペンギンぱあてぃ」
室山まゆみ・全2巻・小学館(フラワーコミックス)
★ ★ ★
ペンギン王国のボンクラ王子が修行のため人間界にやってきて性悪な女の子に拾われ、その家で生活することになる。
1巻では女の子の顔、性格が安定していないが、1巻後半から安定してきている。
「Mr.ペンペン(マ行参照)」の続編であり、時代設定も後になっている。
どちらもなかなか面白く、絵柄も見やすくてよい。

「変身王子ケエル」
柴田亜美・全1巻・エニックス(ガンガン)
★ ★
乱暴者の王子ケエルが女神によりカエルの姿にされてしまい、清らかな心を持つ人に100回キスしてもらわないと元に戻れなくなってしまった。
1話1話では面白いのだが、それぞれの話の関連性がわからない部分があるので評価を落とした。
絵は柴田さんの絵が安定してきた頃のもので、見やすくはなっている。

「ペンデュラム」
たつねこ・既刊4巻(立ち消え)・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
世界の運命を変えるほどの力を持つ厄災(カラミティ)と呼ばれる少女を起こし、その主人となってしまった少年の物語。
作者の前作「フランケンシュタインズ・プリンセス(上記参照)」と同様、序盤から数回は物語がある程度進行するのだが、それ以降は日常的な話が続く。
終盤は謎解きに入ったが、その途中で連載は立ち消えになってしまった。
4巻で5巻は描き下ろしで発売して完結するという告知があったが、発売されることはなかった。

「変な家」
綾野暁・一迅社(ピッコマ)
★ ★ ★ ★
オカルトフリーライターの女性が、知り合いから家の購入について相談を受ける。見せてもらった間取りには様々なおかしい点があり、その家についていろいろ調べ始めることになる。
非常に引きの良い作品で、読み始めたら続きが気になって仕方がない程の吸引力がある。
内容的に荒唐無稽に思えても、実際あり得るかも、と思わせてくれる。
ホラーが好きな人にもおすすめ。

「ホイッスル!」
樋口大輔・全24巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
サッカーの名門中学に入学した少年は背が低いという理由だけで3軍に落とされ、満足にボールにさわれない日々を送っていた。そして、一般入試で入学したため決して自分が2軍にもなれない存在だと知る。
その環境から抜け出すため、少年は転校し、新しいサッカー部で努力を続ける。
よくある話のように思うのだが、主人公の少年には決して天性の才能があるというわけではなく、努力して力をつけていくところに好感が持てる。
絵も試合のシーンは迫力があって見せてくれるし、そうでないところも見やすい。
全体的に引きつける力を感じる。
最後は打ち切りのような感じで終了したが、悪くない終わり方だった。
最後まで変なスーパーシュートが出てこない、努力の話でよかった。

「忘却のクレイドル」
藤野もやむ・全5巻・マッグガーデン(アヴァルス)
★ ★ ★
事実上の徴兵制が再開された世界で、特殊訓練を受ける15歳の少年少女たち。
しかしある日、目覚めると施設は廃墟と化していた。
序盤の訓練施設での話は割と引き込まれたのだが、廃墟化して以降、食事やトイレやお風呂など日常的に満足な生活が送れないことについてあまり触れられることなく進んでいるのが妙に気になってしまった。
それだけ人間関係にスポットが当てられているということかもしれないが……
廃墟の描き方などはなかなかいい。
終わり方もハッピーエンドではないものの、わりとよかった。

「放課後ヒーロー」
ウダノゾミ・全4巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
平凡ではあるけれどちょっと個性的な高校生の日常を描いた作品。
肩の力を抜いて読める作品で、ちょっと気を抜きたいときに読むといいかもしれない。
やや個性に乏しいが、それなりに読める。
絵は上手くはないが、読みやすい。
話は割ときりよく終わっていてよかった。

「封神演義」
藤崎竜・全23巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
古代中国・殷でのさばる妖怪仙人たちを封じていく話。
中国の長編歴史小説を藤崎さんなりにアレンジした構成で、原作とはかなり違っているとのこと。
しかし、なかなか面白いので展開に引き込まれる。
登場人物が多いのにしっかりと描き分けされているのもいい。
ただ、人気が確立して以降展開が遅くなってしまい、中だるみになる部分がある。
終盤の謎解きはよかったのだが。

「鬼燈の島」
三部けい・全4巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★
家庭に問題のある子どもたちを引き取る施設・鬼燈学園に2人の兄妹が転入してきた。
古い木造校舎で教師・生徒たちは寝食を共にするが、学園には上ってはいけない階段や封印された部屋があり、大人たちは何かを隠していた。
全編に渡って不気味な雰囲気が漂っており、怖いけど先が気になる話作りになっている。
ただ、終わり方がかなり急だったので、オチにはちょっと納得できないところもあった。
絵に若干癖があるので、合わない人もいるかもしれない。

「ホームメイド」
谷川史子・全2巻・集英社(クッキー)
★ ★ ★ ★
家事全般が苦手な漫画家の母親を持つ少女。
母の傍若無人ぶりと血のつながりがないことから、少女は母に嫌われているのではないかと疑いだす。
作者の持つ柔らかい雰囲気が非常によく出ている作品で、癒し系の作品としてピッタリ。
テンポのよいギャグと、切ない過去の話のギャップもまたよい感じ。

「ぼく、オタリーマン」
よしたに・全6巻・中経出版
★ ★ ★ ★
ネットで有名な「ダンカン」の過去ログと書下ろしが掲載されている本。
サイトを知らない人の方が楽しめるが、知っていても書き下ろしでわりと楽しめる。
SEであれば共感できる内容も多く、絵も親しみやすいのでとっつきやすい。

「僕と彼女のXXX」
森永あい・全8巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★ ★
美人だが性格が最悪の少女と、美形だが女々しい少年の心と体が入れ替わってしまい、お互いそれを隠して暮らすことになる。
入れ替わりものとしての設定はよくあるものだが、トイレのことや女性特有の悩みなど日常感があり、アレンジの仕方が上手いので高めの評価をつけた。
絵は安定していて読みやすい。
話は元の体に戻ることよりも、入れ替わった後の方で馴染んでいくことに重点が置かれていて、他の作品とは違うものを感じてよかった。
終わり方にも納得がいった。

「僕と彼女の××× 番外編」
森永あい・全1巻・マッグガーデン(Beat’s)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編。
入れ替わりから元に戻った後の、本編の後日談となっている。
本編の終わり方に納得できた人のための番外編という感じで、後味良く終わっている。
本編が好きな人なら買って損はしない。

「僕と君の間に」
鈴木央・全3巻・集英社(ウルトラジャンプ)
★ ★ ★ ★
滝の中央にある隔離された世界で育った少年。
幼なじみの少女は外の世界に憧れ、少年とともに旅立とうとするが、事故で死んでしまう。少年は少女の遺志を継いで外の世界に旅立つ。
きれいに3巻で完結している話で、終わり方もよかった。
中盤が少しダレる感じもあったが、第1話と最後の展開のつながりがよかった。
絵はかなり描き込まれていて、それでいて読みやすくてよかった。

「ぼくとミモザの75日」
鬼山瑞樹・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
ヤクザの父親に虐待されて学校にも行けていない少年の下に1人の女性が世話係として現れる。
ミモザと名乗ったその女性は殺し屋で、少年の父親を殺してしまう。ミモザに対して家族的な感情を持ち始めていた少年はミモザと共に逃げ出し、逃亡生活を送ることになる。
タイトルの通り既に終わりが決まっている前提で話が始まっているので、ある意味安心して読める。
逃亡生活中のストーリーは緩急ある作りになっていて、バランスも良い。

「ぼくのお父さん」
矢部太郎・全1巻・新潮社(小説新潮)
★ ★ ★
作者の実父である絵本作家・やべみつのりと作者の幼少期の思い出を描いた作品。
「大家さんと僕」(ア行参照)とは違い、フルカラーで描かれている。
一通り読んでみると、かなりエキセントリックな父親だったというのがわかる。
「大家さんと僕」ほど心に響く言葉などがないのはちょっと残念だったが、父親のキャラは読んでいると心が温かくなる感じはある。

「ぼくの学校は戦場だった」
楠桂・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★
全寮制の学校に転校した少年が、その学校内の授業で軍事訓練があることを知り驚いて反論するが、非国民として牢に入れられてしまう。
ストーリーはまあまあいいのだが、絵が未完成なので画面がごちゃごちゃしていて見にくい。
また、他の収録作品も初期作品なので見にくく、読みにくい。

「ぼくの体はツーアウト」
よしたに・全8巻・集英社(ビジネスジャンプ)
★ ★ ★
健康をテーマに、作者が健康診断を受けるところから始まり、肥満外来に行ったり、マッサージを受けたり、禁煙したり、いろいろと体験したことが描かれている。
様々な健康法などに興味がある人にはお勧め。
サクサク読める作り。

「ぼくの地球を守って」
日渡早紀・全21巻・白泉社(花とゆめ)
★ ★ ★ ★
月世界で暮らした前世を持つ男女7人の物語。
一口にどんな作品とは言い難いが、かなり面白い。
絵も10巻以降からはとてもきれいでいいのだが、カラーで金髪の人の黒眉毛はやめてほしかった。
ラストは都合よく見えなくもないが、それまでの内容を見ていると仕方ないとも思える。
中盤で結末を決めたとのことで、最初の頃紹介されたエピソードが後半立ち消えになっているものがあり、そこは気にかかる。

「ボクの創る世界」
カザマアヤミ・全1巻・ソフトバンク(ブラッド)
★ ★
思い描いたイメージを具現化する「幻燈」。
その幻燈師を目指す人たちが集まるアカデミーの話。
設定自体はそこそこ珍しくないものなのだが、話自体は極々普通の少女マンガ。
絵が好みなら読んでいいかもしれないが、もう少し切なさがある感じであればよかったと思う。

「ぼくの地球と歌う」
日渡早紀・白泉社(MELODY)
★ ★ ★ ★
「ぼくの地球を守って」と「ボクを包む月の光」の続編。
「ボクを包む月の光」では新たな謎や謎解きはあまり入ってこなかったが、今作では前世の7人が暮らしていた母星やキチェスについての謎解きがいろいろ提示されるので、かなり引き込まれる作りになっている。
「ボクを包む月の光」を飛ばして読みたいところだが、「ボクを包む月の光」を読んでいないと人間関係がわかりにくいので、「僕の地球を守って」の次にいきなり本作を読むのはお勧めしない。

「ぼくらの」
鬼頭莫宏・全11巻・小学館(IKKI)
★ ★ ★ ★ ★
ある林間学校で一緒になった15人の少年少女たち。
そこで出会った不思議な青年によってゲームに誘われた彼らは、遊び感覚で契約して巨大ロボットで敵と戦うことになる。
しかし、そのロボットを操縦すると、戦闘後に死んでしまうことが後々わかる。
様々な葛藤を抱え、彼らは謎の敵と戦っていく。
既存のロボット漫画とは一線を画していて、それぞれのキャラたちのエピソードに引き込まれていく。
少しずつ謎解きがありつつ、新たな謎が出てくる展開もいい。
最後まで決して都合のいい展開はなく、読ませてくれた。

「ボクラノキセキ」
久米田夏緒・一迅社(WARD)
★ ★ ★ ★
前世王女だった記憶を持つ少年。それをうっかり口にしてしまったため、周りから疎まれていた少年の前に、周りと分け隔てなく接してくれる少女が現れる。
前世や魔法の話が出てくると、一瞬作者の独りよがりな設定があると思ってしまいがちだが、この作品は設定がしっかりしており、話も作り込まれている。
あらすじで敬遠せずに1度読んでみることをお勧めする作品。

「ぼくらの気持ち」
谷川史子・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★ ★
仲のいい女友達に告白した男の子だったが、「友達でいよう。」と断られてしまう。
タイトル作品に限らず、どの作品も上手くまとまっているが、印象に残る作品はない。
作品を読み返すよりも、おまけを読み返している方が面白いと感じてしまう。

「ぼくラはミンナ生きテイル!」
Tiv・全3巻・一迅社(REX)
★ ★
姉を捜すために田舎から出てきた少女は、街中で猫を助けたことで命を落としてしまう。
しかし、その猫に命を分けてもらい、1年間生き延びることができるようになった。
その猫は人間の世界で生きていく術を学ぶ学校の生徒だったため、少女はその学校で100件の事件を解決し、ちゃんと生き返るためにその学校の生徒となる。
ほとんどの登場人物は人間化した動物たちで、そのかわいさを楽しむための作品。
ただし、主人公を含めてほとんどのキャラがドジっ子のため、それにイライラすると辛い。
かわいい絵とドジっ子が好きという人になら。
最後は打ち切りだったのか、100の事件を解決することもなく、根幹の設定を覆すような話になっていて残念だった。

「ボクを包む月の光」
日渡早紀・全15巻・白泉社(別冊花とゆめ)
★ ★ ★
「ぼくの地球を守って」の続編で、前作の子供たちが主人公。
前作からかなり作者の絵が変わっているので、同じキャラとは思えない人もちらほら。
話も前作を知らないとわからない作りになっている。
前作がきれいに完結しているだけに、前作を知っている人も無理に読む必要はない。
新たな謎などは出てきていないので。
前作に強い思い入れを持っている人なら、楽しめるかもしれない。

「POCKET HEART」
吉崎あまね・全1巻・エニックス(ステンシル)
★ ★ ★ ★
オルゴール職人を目指す少年と、オルゴール職人だったおじいさんとかつて暮らしていた2人組のブラウニーの物語。
3話の短期集中連載だった作品で、まだ続きが読みたいと思わせるものの、これだけでも満足できるというところで完結している。
短編集ではない全1巻の作品としてのレベルは高い。
絵には柔らかい雰囲気があって読みやすい。
将来性も含めてこの評価。

「ぼけ日和」
矢部太郎・全1巻・かんき出版(描き下ろし)
★ ★ ★ ★
認知症になってしまった本人、その家族、担当医師の交流を描いた作品。
物盗られ妄想は一番頼りにしている人に対して出る、など認知症になると実際にどういう症状が出るのか、家族はどう接したらいいのか、認知症についていろいろ学べる作品。
少しおかしいことが続いたら医者に行って早い段階で薬に頼った方が、結果的に家族も本人も楽になるなど、目からうろこの情報も多い。
認知症を知るための最初の1冊になる作品。

「星影のブレス」
しもがやぴくす&みらい戻・全2巻・集英社(マーガレット)
★ ★ ★
「月光のピアス(カ行参照)」の続編で、失われた7聖宝のうち「星影のブレス」が見つかったときの話。
今回は小説1冊を漫画2冊にしたので展開もスムーズになり、かなりよくなった。
これ以降の小説が漫画化されていないのが少々残念。

「ほしのうえでめぐる」
倉橋ユウス・全2巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
宇宙エレベーターを建設しているとある街にて。
長年建設が続けられていた宇宙エレベーターが、突如建設を一時凍結してしまう。
その宇宙エレベーターに関わる人々のオムニバスストーリー。
序盤のストーリーは切ないものがあったりしてなかなかいいのだが、中盤以降ちょっと話がわかりにくくなっていくのが難点。
序盤の雰囲気のまま最後まで行ってくれたらよかったのだが。
オムニバスストーリーが最後に集結して収束するという流れはいいだけに、残念。

「星の王女」
桃川春日子・全2巻・マッグガーデン(アヴァルス)
★ ★
両親を亡くして血の繋がらない兄と2人で暮らしてきた少女。
お互いに惹かれながらも想いを伝えられずいた2人。
そして、病弱な兄は少女を残して亡くなってしまう。
他にも幼馴染が出てきたりする、典型的な少女漫画。
作画が「西の善き魔女」(ナ行参照)の桃川さんだということで買ってみたが、ベッタベタな少女漫画が苦手な私には合わなかった。
終わり方もベッタベタ。
設定がふた昔前くらいの印象だった。

「ほしのこえ」
佐原ミズ・全1巻・講談社(アフタヌーン)
★ ★ ★ ★
新海誠さんがたった1人で作ったことで有名なOVAを漫画化した作品。
基本はOVAを忠実に再現していて、表現し切れなかった部分を補完した形になっているので、原作ファンもすんなり入ることができる。
また、終わりに想像の余地を残したOVAとは違って、わりときれいに話をまとめているので、読後感もよい。
絵は作品に雰囲気に合っていて、かなり上手い。
原作を知らずに読んでも特に問題ないと思う。

「星の速さで駆けてく」
谷川史子・全1巻・集英社(クッキー)
★ ★ ★
幼馴染みの死を受け入れられずにいる少女の前に幼馴染みとそっくりな少年が現れる。
その他2本の短編が収録されており、ハッピーエンドの話は少ないものの、そこがいいと思える。
都合のいい展開も少なく、安心して読める。

「What’s Michael?」
小林まこと・全9巻・講談社(モーニング)
★ ★ ★
ある1匹のトラ猫「マイケル」を中心としたギャグ漫画。
1話1話ならば楽しめる作品が多いのだが、物語に登場する猫の飼い主が2転3転しているのが気にかかる。
また、ラストもこれで終わり?と思えるような終わり方で残念だった。
完結して数年後に発売された9巻は、それまでの後日談という感じで、年月は経過していても面白く読めた。
1、2巻はあまり好きではないがそれ以降は好き。
絵も3巻以降安定してきてよい。

「本町一丁目栗本菓子店」
樹原ちさと・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★ ★ ★
和菓子屋を経営するの少女の父は元探偵で、商店街で起きた事件を解決していく。
犯人や展開がどれも意外でとても面白い作品。
殺人事件を扱った漫画が多い中では新鮮でよかった。
ラストは少々強引だったが、めでたしめでたしといった感じで許せる。

「PON!とキマイラ」
浅野りん・全7巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
1000年に1度ふ化するという神獣の卵を預かった天空に住む少女は、間違って卵を地上に落としてしまう。それを地上で拾った少年の前で神獣はふ化し、少年が神獣の親になってしまう。
浅野さんらしいストーリー展開で、話のテンポがいい。それぞれのキャラに存在感があって、神獣もかわいい。
終わり方は満足のいくものではなかったが、悪くはない、といったところ。
話が間延びする前に終わってよかった。
絵も見やすくてよい。
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