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サ行-6 [コミックスレビュー]

「タイトル」
作者・既刊数・出版社(掲載誌)

「殲鬼戦記ももたま」
黒乃奈々絵・全10巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
桃太郎の子孫が鬼退治の方法を学ぶ学校に、鬼の子孫である少年が入学した。少年はそこで鬼退治の方法を学ぶ。
「PEACE MAKER」(ハ行参照)を休載してまで始まった連載だが、そこまで面白くない。
作者の趣味が反映されている部分が多くあり、作者が楽しく描けているとは思うが、自己完結しているように見える部分もある。
主人公にそこまで共感できないというか主人公の性格があまりよくないので序盤は読むのが割とつらかったが、謎解きの辺りはそれなりに面白く読めた。
絵は迫力があってよい。

「閃光華るびくら」
見田竜介・全4巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
「朱玄白龍るびくら」(サ行参照)の続編。
前作では変に狙ったシーンやサービスカットもどきが多いのが気になったのだが、掲載誌が移動して本作になってからはそういったシーンもなくなり、一気に面白くなった。
やはり絵に癖があるので、それを受け入れられるかどうかがポイントだが、慣れればあまり気にならない。
ハッピーエンドできれいに完結しており、最後の盛り上げもよかった。一見の価値あり。

「戦國ストレイズ」
七海慎吾・全15巻・スクウェア・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★ ★
北海道の剣道がやらたと強い女子高生が戦国時代にタイムトリップしてし、織田信長に拾われる。
イケメン戦国武将の話かと思いきや、結構しっかりした歴史ものの話になっている。
それなりに史実に沿った展開でもあるし、タイムスリップしたのが主人公だけではなかったりするので、最後まで飽きずに読めた。

「仙術師はくじけない」
川添真理子・全1巻・新書館(WINGS)
★ ★ ★
美形な男好きの仙術師(男)が旅をしながらいい男を見つけては、彼らの周囲で起こる事件を解決していく。
この手の話としてはわりとよくある展開ではあるものの、それなりに楽しめる。
長期連載となるとワンパターンになるだろうが、全1巻のものとしてならば気にならない。
初期作品よりも絵がだいぶ上達しているので、わりと読みやすくなっている。

「仙術師は恋におぼれる」
川添真理子・全1巻・新書館(WINGS)
★ ★
上記作品の続編。
続編となるとワンパターンが心配だったのだが、わりと話が工夫されていて普通に楽しめた。
ギャグもそこそこ面白かった。

「仙術師と魔神の城」
川添真理子・全1巻・新書館(WINGS)
★ ★
上記作品の続編。
上記作品でシリーズ完結となったはずだったが、復活した。
話のパターンは同じなので、今までの話が好きな人なら、それなりに楽しめる。
短編ではなく、1巻分の長編なので、話は割と練られている。

「仙術師と復讐の琴」
川添真理子・全1巻・新書館(WINGS)
★ ★
上記作品の続編。
この巻から完全に続編前提の作りになっていて、いろいろと伏線も張られ始めた。
話のノリは今までのものとほぼ同じ。

「仙術師と災厄の壺」
川添真理子・全2巻・新書館(WINGS)
★ ★ ★
上記作品の続編で、初めて1巻完結ではない話。
シリーズで初といっていい、ストーリーの根幹に関わる謎解きがでてきて、やっと出てきた、という感じがした。
悪くない出来だった。

「戦線スパイクヒルズ」
井田ヒロト・全7巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★ ★ ★
天才的なスリの才能のある少年は、あるとき同じ学校の少年に有名私立大学の入試問題を盗む話を持ちかけられる。
小説「平成のトムソーヤー」を漫画化した作品で、原作を読んだことはないものの、非常に上手く漫画化しているように感じる。下手に時代設定を現代にせず、原作のまま90年代の話として描かれていたのが良かった。
小説にないエピソードも多数入っているようだが、それがプラスになっているところは評価できる。
登場人物もさほど多くなくて話に入りやすいし、キャラも立っている。

「戦場ハピィ・ライフ」
美川べるの・全1巻・講談社(別フレDX Juliet)
★ ★ ★ ★
高校生でちょっとおかしい者同士の彼氏と彼女の4コマ漫画。
実際にはありえない話というのはあるが、それを気にせず笑える。思わず声に出して笑ってしまうような場所も多い。
作者のファンなら買って損しない。

「聖クラリス探偵団」
祥寺はるか・全2巻・エニックス(ギャグ王)
★ ★ ★
聖クラリス学園・探偵部のメンバーが依頼された事件を解決していく話。
少年探偵彼方(サ行参照)の主人公の従弟が主役で、こちらの方がやや頼りない感じ。
事件も少年探偵彼方のように犯人が3人に限定されていて、ちゃんと読めばわかるようになっている。
ちょっと頭の体操をするのにいいかもしれない。
日本中の名士の子弟たちが集まってくる学園が舞台なのだが、あまりにも現実離れした設定に感じてしまうのは残念。

「戦国月夜」
大橋薫&楠桂・全2巻・集英社(クリムゾン)
★ ★ ★
戦国時代に鬼姫と呼ばれた姫の生まれ変わりの男の子と、その男の子を守る霊の話。
大橋薫・楠桂の合作。作者は双子同士で絵の雰囲気も近いので、それぞれ別のキャラを描いていても違和感はない。
無理なつじつま合わせもあるものの、ストーリーは既存のものに対しての工夫が見られ、なかなか良い出来になっている。

「セント・ミラージュ・ガーディアン」
沢田翔・全1巻・スクウェアエニックス(Gファンタジー)
★ ★
セント・ミラージュ学園の生徒会メンバーが学園で起こる様々な事件を解決していく。
とにかくキャラが先行している話で、もっと話が長ければ違っていたかもしれないが、全1巻ではキャラだけの作品だと言っていい。
話も悪くはない程度に仕上がっているが、キャラ紹介だけで終わってしまった雰囲気もある。
絵には癖があり、少々読みにくい。

「千の月」
榧世シキ・全1巻・一迅社(WARD)
★ ★ ★
中央統治局特別捜査部に籍を置く2人の青年。
2人のもとに持ち込まれるさまざまなちょっと不思議な事件を扱った作品。
雑誌掲載のときにはバラバラだった話が、描き下ろしを加えることできれいにまとまっている。
絵と話の雰囲気が暗く、少し読みにくいが、単純なハッピーエンドばかりではなくてよい。

「蒼海訣戰」
納都花丸・全10巻・一迅社(REX)
★ ★ ★ ★
人種差別がまかり通る世界で、被差別人種でありながら海軍幹部の養子となった少年が海軍士官学校に入学する。
少年はそこで差別を受けながらも成長していく。
主人公が猫耳なのでちょっと誤解が生まれそうなのだが、内容はかなりシリアスで重い。表紙で判断せずにまず読んでもらいたい作品。
話としては一応キリのいいところで終わっているが、謎のまま残されている部分も多々ある。

「蒼海訣戰-世界編-」
納都花丸・全1巻(打ち切り)・アスキー・メディアワークス(電撃ジャパン)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編。
話は完全に繋がっていて、ここから話に入れるようには作られていない。
掲載誌の休刊に伴いコミックスが2巻以降発行されず、雑誌掲載分は同人誌として販売されたらしい。
ここから話が広がっていく、という段階で消えてしまって非常に残念。

「装甲悪鬼 村正 魔界編」
銃爺・全5巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★
原作はPCゲームで、本作はその外伝的な作品。
24件の殺人事件の罪に問われている青年の物語。
1話はかなり引き込まれる内容だったが、以降は戦闘シーンが多くて話の進み方が遅く、話もいろんなキャラにスポットが当たるものとなり、状況把握が大変になってしまった。
絵は迫力があっていいものなのだが。
最後も魔界編としては話が終わっているが、別作品への誘導があったりして、中途半端だった。

「葬送曲ナイトメア」
亜樹新・全2巻・マッグガーデン(マサムネ)
★ ★
人の悪夢を食べる獏が経営するお店。悪夢を持った人はなぜかその店を訪れてしまう。
第1話はあまりにも「夢喰見聞」(ヤ行参照)と似すぎていてどうかと思ったのだが、以降は個性が出てきていて、何とか読むことが出来た。
4・5話目の出来はなかなかよかったと思う。
しかし、その後は話がわかりにくくなってしまい、作者の頭の中だけで話が展開していた印象。
終わり方は悪くなかったのだが。

「蒼天をみる想い」
夢路行・全1巻・スタジオDNA(クレッセント)
★ ★
宇宙を旅しながらカウンセリングを生業とする人たちが相談者たちの心を救っていく話。
舞台は宇宙空間ではあるが、あまり突飛な感じもなく、宇宙ということを上手く利用して話が進んでいく。
若干納得のいかない話もあるが、おおむね読後感はよい。

「壮太君のアキハバラ奮闘記」
鈴木次郎・全6巻・スクウェアエニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
隠れオタクだった荘太は、ある店に出会うことで彼女にも友人にもオタクであることをカミングアウトする。
以来、荘太はオタクの道を更に進み続けることになる。
設定がなかなか面白く、キャラも立っている。
笑えるところも結構あり、思わずうなずいてしまう話もある。
この作品自体はよかったのだが、連載途中で作者が別連載を同じ雑誌で始めてしまい、その影響で半ば打ち切りのようにこの作品が終わったのは非常に残念。
もっと読みたかった。
絵はちょっと個性が強いが、読みにくいことはない。

「蒼太のみち」
瀬尾真由子・全2巻・エニックス(ガンガンWING)
★ ★
生まれながらに制御できない力を持ってしまったために洞窟に隔離されて育てられた少年が、制御を可能にする仲間を手に入れ、外の世界で暮らすようになる。
話はそこそこ面白いが、絵がまだまだ成長段階で読み難いことが欠点。
話はわりときれいにまとまっているが、何とか及第点、というくらい。

「双翼の武装使い」
sanorin・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
人類が滅亡に向かおうとしている中、規格外の身体能力と頭脳をそれぞれ持つ2人が能力武装を手に入れて世界を救うために立ち上がる、という話。
主人公2人が無双していく話なので、基本的に読んでいてスカッとする展開が多い。
序盤は割と面白かったのだが、主人公2人が能力者の学園に入学する、という展開になってから一気に普通の話になってしまい、残念。
最後は完全な打ち切りで、無理矢理ラスボスとの戦いに挑むシーンを挟み込んで何とかまとめた、という感じになってしまっている。
絵は安定して上手かったのだが。

「ソウルイーター」
大久保篤・全25巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
99個の人間の魂と1個の魔女の魂で魔鎌は死神の武器となれる。
その死神の武器となることを目指す魔鎌の少年と鎌職人の少女の物語。
女性の裸が多いなど、少々狙った描写は多いが、アクションシーンの迫力はさすがのもので、引きつけられる。
話に勢いもあるので、少年漫画を求めている人にお勧め。
ラスボスとなる鬼神の復活から最終決戦までが異様に長かったことだけが残念だが、最後は割ときれいにまとまっている。

「ソウルイーター ノット!」
大久保篤・全5巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
上記作品の外伝で、本編の登場人物たちもたまに出てくる。
上記作品が武器と職人たちの戦いをメインにしているのに対し、こちらは武器と職人たちが通う学校の話がメインとなっている。
全編通して明るい雰囲気になっていて、いろいろと設定を補完する話にもなっているので、本編を知っているなら読んでおいて損はない。
ただし、本の判型が違うので、本棚に並べるときにちょっと困る。

「SOULGADGET RADIANT」
大森葵・全10巻・一迅社(REX)
★ ★ ★
人の体と一体化し、強力な武器となる霊魔装具。
記憶をなくし、唯一の手がかりである霊魔装具を持った少年が自分の過去を探しながら、自分を拾ってくれた人と生活していく。
ストーリーはオーソドックスながら、テンポのいい話の進め方で結構読ませてくれる。
絵が少々読みにくいのが辛いところ。
話はキッチリ最後まで描き切っていて、読後感のよいハッピーエンドとなっている。
最終決戦の盛り上がりもよかった。

「続・愛はかく語りき」
楠桂・全1巻・集英社(マーガレット)
★ ★ ★
「愛はかく語りき」の続編。
楠さんが初めて恋愛の最終結果を結婚とした話。
主人公が売れっ子漫画家だったのに落ち目になるところなどいいと思ったのだが、その漫画家生命が最終的にどうなったのかがわかりにくいので、評価は上がらなかった。
ラストはほぼ納得できる。

「続 心の星に輝きを」
松葉博・マッグガーデン(携帯配信)
★ ★ ★
「もっと心の星に輝きを」(マ行参照)の続編。
前作から数年経過していて、前作の主人公も出てくるが、サイドストーリーがメイン。
前作で語り切れなかったところが描かれているので、前作を知っているなら読んでもいいとは思う。
ただ、展開が都合がいいというかツッコミどころは多いので、その辺りは覚悟が必要。

「続・〆切はおとといです。」
team.きんだいち・全1巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★ ★
「〆切はおとといです。」(サ行参照)の続編。
基本的にやっていることは同じで、8割がハロプロの話というのも前作同様。
ドラマ「ゆうべはお楽しみでしたね。」の裏話など、こういうのが読みたかったんだよ、と思える話もあるにはあるのだが、数は少ない。

「続・少年三白眼」
私屋カヲル・全1巻・小学館(フラワーコミックス)
★ ★ ★ ★
「少年三白眼」の続編。どの話も面白いが、「新・少年三白眼」に勝てる面白い話がないので評価はここまで。
三白眼ネタがたくさんあって、この巻はそれで大いに笑える。

「続・少年探偵彼方ぼくらの推理ノート」
祥寺はるか・全5巻・エニックス(ギャグ王)
★ ★ ★ ★
原作者は同じだが、作画者が違う「少年探偵彼方ぼくらの推理ノート」の続編。
続編なので、キャラは前作と似せてあるし、画風も似ている。
前作よりも主人公が少し大人になり、中学生となった。魅力も失われておらず、前作同様楽しむことができる。
ただし、後半は主人公が中学生とは思えないほどの知識を持っているのが気になった。
必要のないところでも知識を披露している感じもする。

「即席戦隊ラブ&ピース」
椿カヲリ・全1巻・マッグガーデン(マサムネ)
★ ★
ゴミの埋立地の上に作られたモデルタウンは、正義の味方たちが日常的に活躍する戦隊特区として指定されていた。
その町で暮らす少年は、ある日突然戦隊ヒーローとして戦うことになる。
新人作家がいろいろがんばって作り上げた作品、という感じで、いろいろと粗は目立つものの、どうにか形にしようとした努力の跡は見える。
話のまとまりもそれほどよくないので、将来性を見る意味で買うならそれもありかもしれない。

「ZODIAC GAME」
真じろう・全4巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★
世の中に無関心だった少年のもとに、1冊の本と少女がやってくる。
少年は星座の名前を持つ少女と共に、生き残るための戦いをしなければならなくなる。
一見「金色のガッシュ」と被りそうな話ではあるのだが、読んでみると個性があってそこそこ読める。
絵がかなり不安定で戦闘シーンも微妙ではあるのだが、荒削りの才能みたいなものは見える。
ただ、最後は完全なる打ち切り仕様。
コミックス描き下ろしはあったものの、話として全く終わっていないので注意。

「外はいい天気だよ」
谷川史子・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★ ★
それぞれ少しつながりのある3組のカップルの話をオムニバスで描いたものと、他1本の短編集。
作者の作品にはこの形式のストーリーが多いが、いつも描き方が上手なので感心させられる。
やはりおまけ漫画は面白い。

「そにょもにょ」
たつねこ・全2巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★
1人暮らしをする少年の元に、あるとき未来からきたというネコミミロボットがやってくる。
そのロボットは未来に少年の手によって作られたと語り、なし崩し的に少年と同棲することになる。
1回の連載ページ数が8Pと短く、読み切り型の話が多いため、序盤は単なる萌え話に見えてしまう。
展開もベタなものが多く、こういった話が好きな人なら読めるとは思う。
最後も謎が謎のまま残されていて、意図的な終わり方だとは思うが、打ち切り仕様にも見えてしまう。
後味はあまりよくない。

「その恋はいちごのように」
イロノ・全4巻・スクウェア・エニックス(Pファンタピー)
★ ★ ★ ★
祖父が骨折で動けなくなってしまったため、祖父が営むいちご農園を手伝いに来た女子大生の少女。少女はそこでひと回り年上の青年からいちご栽培を教えてもらうことになるが、次第に2人は惹かれ合っていく。
いちごの栽培と初々しい年の差カップルを見て楽しむ作品。
話はテンポよく進んでいき、中だるみすることなくきれいに完結してくれた。
コミックスには大量の描き下ろしがあり、各キャラをそれぞれキチンと掘り下げているので、一見の価値はある。

「その向こうの向こう側」
渡辺祥智・全6巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★ ★
学校の帰り道で不思議な少女にマスターと呼ばれた少年は、突然謎の敵に襲われる。その後、少年は少女のマスターではないことが分かるが、少年は少女のマスターを探すために、少女と共に別の世界へと旅立っていく。
さほど珍しい設定の話ではないが、それぞれのキャラが立っているのと、王道の中で捻りを入れてくれているのとがあり、面白く読める。
絵は非常にきれいで、読みやすい。
完全なハッピーエンドではないものの、終わり方もよかった。

「空声」
こがわみさき・全1巻・アスキー・メディアワークス(電撃大王ジェネシス)
★ ★ ★
吹奏楽部の演奏に不満を持つトランペット吹きの少女は、ある日河原で太鼓を叩く少年と出会う。
4本のオムニバスストーリーで構成された短編集で、登場人物たちの心の声をテーマにした話が集められている。
話の持つ雰囲気の良さはいつもの通りで、読んでいると癒される感じがする。
ただ、これはいいという話がなく、いまひとつな印象もあった。

「空の謳」
天野こずえ・全1巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
作者の2冊目の短編集。
表題になっている作品の他に3本の読み切りが収録されている。
どれも平均以上の作品だが、表題作品は「ぼくの地球を守って」(ハ行参照)の設定と非常に似通っている部分がいくつも見うけられるので、それが減点。

「空のグリフターズ~一兆円の詐欺師たち~」
加藤元浩・全6巻・講談社(月刊マガジン)
★ ★ ★
祖父の借金100億円のカタとして生まれ育った島を奪われた少女。その島を取り戻すため、少女は自分に従えば100億円が手に入るという謎の少年と行動を共にすることになる。
1巻の冒頭に少女たちが詐欺師として逮捕されたと報道される場面があり、少女たちの取り調べ場面が時折入りつつ過去が語られていく形で話が進行していく。
詐欺の手法は割と現実感のあるもので、これなら騙されるかも、と思わせてくれる。また、タックスヘイブンなどの現代らしい経済事情の話もあり、ためになる部分もある。
最初から終わりが決まっていた作品なので、最後はきれいに終わっている。ただ、盛り上がりには少し欠けた感じもした。

「そらのひとひら」
野々原ちき・全1巻(立ち消え)・スクウェア・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★
空を飛ぶ力を持った少年と、その少年を研究対象として見る学校一のアイドルの女の子。
2人は一見付き合っているように見えるが、その関係は微妙だった。
特に何も考えることなく、のんびり読める話。
絵も読みやすいので、この絵が好きという人なら読んでみてもよいかも。

「そら☆みよ」
梅川和実・全1巻・双葉社(コミックハイ!)
★ ★
中学時代の仲間から1人孤立して別の高校に行くことになった少女。
なかなか友達ができない中、校内で有名な変人3人組に誘われて天文部に入る。
典型的な少女マンガ、という感じでベタな展開が多い。
全体的にどこかで見たことがある、という展開がほとんど。
都合のいい設定も多い。

「Solty Rei-赤の淑女-」
瀧宮一隆・全1巻・一迅社(Rex)
★ ★
アニメをそのままコミカライズした作品ではなく、アニメと同じ登場人物が出てきたりするサイドストーリー的な作品。
アニメを知らなくても読める話だが、知っていた方が話がわかりやすいようにも見える。
絵に関してはかなり粗いので、表紙である程度察した方がいい。
話としてはキッチリ終わっている。

「それじゃあ吉田くん!」
よしむらなつき・全4巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
ある日突然魔界の王に任命されてしまった吉田くんの元に様々な悪魔がやってきて、吉田くんを魔王にしようとしたり妨害したりする。
ギャグとしていまひとつ弾けきれていないところがあるものの、それなりには楽しめる。
作者のファンなら買ってもいいが、他の作品に比べるとパワー不足。
長い休載期間を経て完結したので、途中で投げた人も最後まで読んでみては。
ちゃんと終わっているので。

「ゾンビッチはビッチに含まれますか?」
柊裕一・全6巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
事故で死んだときにエロい妄想をしていたため、ゾンビとして蘇ったもののエロい妄想をしないと心臓が止まって再び死んでしまうゾンビッチになってしまった少女の物語。
普通の単語にエロフィルターをかけてしまうという設定で、その無理矢理さ加減が面白い。
読んでいくとちょっとワンパターンに感じる部分もあるが、話が進むに連れて少しずつ捻りも入ってきているし、あまり長い話にならずにきれいに完結してよかった。
ちなみに、絵はそこまでエロくない。

「ZOMBIE POWDER」
久保帯人・全4巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
死者を生き返らせ、生者を不死にするという「ゾンビパウダー」。それを手に入れるために必要な「死者の指輪」を集める青年と、姉を生き返らせるために青年と一緒に旅に出た少年の物語。
絵はまだまだ荒くて未熟だが、勢いがあってそこに惹かれた。
また、話にも勢いがあって、これからよくなりそうだ、と思っていたが、あまりに中途半端な部分で打ち切りになってしまい、残念。

「ZOMBIE-LOAN」
PEACH-PIT・全13巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
人の首にあるリングを見ることで、人の死期やゾンビかどうかを知ることが出来る少女と、大金を積んでゾンビから再び人間に戻ろうとする少年2人の物語。
キャラだけの力で話が進んでいるように見えるが、最初のエピソードが終わった頃に化ける。
最後は謎解きもキッチリ終わり、きれいに完結している。
最低3巻くらいまで読まないと、良さがわからない。
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