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就職活動日記~番外・教育実習編~ [エッセイ]

就職が決まらなくても、教育実習はやって来ます。
教育実習が始まる前には就職を決めておきたかったのですが、うまくいきませんでした。
ゼミの中で約半数は就職が決まって教育実習に入っていたので、それがとにかくうらやましかったです。
教育実習は出身中学に行ったのですが、これが私1人しか実習生がいなくていろいろ苦労しました。
誰か同級生が来ると思っていましたし(私が中学生のときは毎年3~4人来ていた)、そうでなくても短大に行った2歳年下の人とか、浪人した人とか、誰かはいると思っていました。

それがいない。

これだと就職状況を他の大学の人に聞くこともできず、休み時間も誰も話す人がいなく、いつ帰ればいいのかの判断もつきにくく、大変でした。1人でよかったことといえば、最終日に自分の判断でクッキー焼いて学校に持っていっても平気だったことくらいでしょうか。

教育実習中は最初の1週間でいろいろな授業を見て回り、次の1週間で授業をしました。
担当は1年生の数学でしたが、2~3年生の授業にも机間指導として入ることもありました。
これは、見学よりも、実際に授業している方が楽しかったです。だんだん生徒に対する遠慮も無くなりましたし、もともと声が大きいので生徒の評判も結構よかったです。
この実習期間で、生徒には散々、
「話すのが早過ぎる。」
と言われました。この癖は小学生時代から言われていたのですが(当時から早口言葉が得意だった)、言われなくなってずいぶんたっていたので、久しぶりに癖を思い出しました。
わりと楽しかった授業ですが、これをやるまでにはいろいろと準備が必要でした。
学生時代は先生方が自分のペースで何気なく授業を進めているように思っていましたが、実際はというと、1時間1時間指導計画というものを作って、1時間でどれくらい進めるかの他、板書計画や生徒の反応を予測したりして、それを紙に書かなければならないのです。
最初は進める感覚がわからなくて、1時間予定の授業が20分で終わって急遽その場で問題を考えたりもしました。
また、私は文字式の導入をやったのですが、私が当たり前にやってきたことも生徒たちはまだ知らないわけですし、理屈をすぐ理解できる生徒もいれば、出来ない生徒もいて、それを教えるのにも苦労しました。
例えば、「a円のノート5冊を買って、b円払ったときのお釣りは?」という問題では「a×5-b」と答える生徒がクラスの半分くらいいたりしましたし、「a×4」はもう当たり前に私は「4a」と書きますが、「×」を省略して数字を前に出すっていうのを教えても、「a4」と書く生徒も多かったです。
自分は感覚的にできたことを人に教えるのって難しいな、と改めて思いました。

実習を行った学校の先生については、基本的に皆さん優しく接してくれましたし、教育実習は全ての教師が通ってきた道でもありますから、温かい目で見てもらえていました。でも、正直なところ、かなりきつい先生(女)もいました。
言葉遣いとかは表面だけ取ればいい人なのかも知れないのですけど、そこかしこで、
「私って嫌われてる?(もしくは教育実習生そのものを迷惑がっている?)」
と思うことが結構ありました。こういう悪い予感というのは得てして当たるものなので、多分嫌われていたでしょう。
この先生、私が実習している期間で、結婚するということを発表していたのですが、
「こんな人と結婚するなんて、相手の人は一体何を(以下自主規制)」
などと思っていたりもしました。
まあ、これで人間関係の厳しさがわかったことはプラスだったと思います。

そんな教育実習期間でも、就職活動はしていました。
もちろん、企業を回ることはできません。夜中に企業のHPをまわって説明会の日程を調べたり、休み時間に抜け出して電話で説明会の予約を入れたり(学校が終わってからだと時間が遅くて予約出来ないから)などなどを、隠れてしていました。
実習期間というのは、たとえ教師になるつもりはなくても、教師になることを前提にしなければならないからです。教育実習期間中だけは、将来教師になるつもりで行け、と口酸っぱく言われていました。
とある学校では採用試験の願書のコピーを提出しなければならなかったといいます。
実習中の就職活動は、とにかくきつく止められていました。
実例として、実習期間と最終面接の日が重なって、その日の実習を休ませてくれと実習校に頼んだら、実習を中止させられた、というものもありました。そうはならなくても、実習校の態度がガラッと悪くなるのは間違いないと言われていました。

教育実習はかなりきつい日々でしたが、いい人生経験にはなりました。
実習を終えると、人間として少し成長した感じがしました。あくまで自分だけの感覚でしたが。
教職課程というのは、選択しなければならない科目も多く、事前指導でかなりの時間を費やさなければならないので、それ相応の覚悟がないと出来るものではありません。途中で挫折した人も結構いました。
それでも、やっただけの価値は出てくるものなので、経験してみるのもいいと思います。
こうして教育実習が終わり、私は再び就職活動に戻って行くのでした。
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