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カ行-1 [コミックスレビュー]

「タイトル」
作者・既刊数・出版社(掲載誌)


「カードキャプターさくら」
CLAMP・全12巻・講談社(なかよし)
★ ★ ★
昔クロウという魔術師が作った魔力を持つカード「クロウカード」が封じ込められていた本を、父の書斎で見つけてしまった少女が、カードキャプター(カードの捕獲者)となり、実体化したカードをカードに封じ込めて集めていく話。
なかよしで連載されていただけあって、子供向けの漫画という感じ。また、アニメ化などを狙っているのがわかりすぎて、作者の作品が好きなだけに引いてしまった。
終わり方はよかったが、ストーリーの謎解きであまり驚かされなかったのが残念。
割と線の太い絵が中心だったCLAMPさんの作品が、この作品から折れてしまいそうなほど細くなって驚いた。


「解錠ジャンキー・ロック」
山田秋太郎・全2巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★
鍵師として鍵を開けることにすべての力を注いでいる青年。
その青年が様々な開錠に挑んでいく。
開錠を行うシチュエーションには結構無理があり、それはそれで漫画だから、と思える人には楽しめるかもしれない。
依頼者の彼女の貞操帯の鍵を開けるためにベッドに忍び込む、など首を傾げたくなるような話も少なくない。
また、作者も先を考えずに話を描いていたようで、非常に中途半端なところで終わっている。
もう少し作者が先のことを考えていてくれれば、と読み終わった後で感じてしまう。


「廻生のカリカチュア」
轟斗ソラ・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)

制服によって差別が明確化されている学園に通う少年は、存在しないはずの兄が自分をかばって死ぬ夢を毎晩見ていた。そして、1人の少女と出会うことで運命が動き始める。
ほぼ謎解きがないまま打ち切りになってしまった作品で、読んでもモヤモヤしか残らない。
不思議の国のアリスがモチーフになっているが、他の作品との差別化はあまりできていない。
絵がきれいなことだけが救い。


「怪談と踊ろう」
野沢ビーム・全1巻・講談社(シリウス)
★ ★ ★ ★
「ひぐらしのなく頃に」の作者である竜騎士07さんが原作・監修の作品。
受験を間近に控えた中学生3人組は、ちょっとした遊び心から祟りを捏造して噂を広める。
それが思わぬ事件へと発展していく。
話は1巻できれいに完結していて、原作者らしい話だな、と感じた。
絵も不気味な雰囲気がよく出ていて、わりと引き込まれた。
ちょっとしたミステリーが読みたい人にお勧め。


「階段途中のビッグ・ノイズ」
亀屋樹・全4巻・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★ ★
先輩の不祥事で廃部寸前に追い込まれた軽音楽部。
ただ1人残った部員の少年は、何とか軽音楽部を立ち直らせようと奮闘する。
同名タイトルの原作小説があり、話は王道ながらも吸引力があって面白い。
絵は見開きなど引きつけられる構図が多く、それを見るためだけに買ってもいいくらい。
1巻の表紙は原作小説のオマージュなので、見比べてみていいと思ったら買って損はしない。
最後もキッチリきれいに終わっていて、文句なしの終わり方だった。


「回遊の森」
灰原薬・全1巻・太田出版(マンガ・エロティクス・エフ)
★ ★ ★
それぞれが心に闇と罪を持つ7人のオムニバスストーリー。
各話の主人公には少しずつ関係がある。
人の深層心理をえぐるような話で、かなり吸引力がある。
絵もかなり色っぽく、唇に艶があるのも必見。
オカルトはないにしても、オカルト系が好きな人にもお勧め。


「ガウガウわー太」
梅川和実・全11巻・新潮社(コミックバンチ)
★ ★ ★
動物と血で接触することにより言葉を交わす力を持つ少年。
その少年が獣医師を目指しつつ、父親の経営する動物病院にやってくる動物たちの問題を解決していく。
動物と話せる、という設定以外は現実的で、いろいろな動物に対する社会問題を取り扱っている。
後半になるに連れて吸引力は落ちているが、楽しめる作品。
絵は全体的に顔がのっぺりしているのが気になる。
なお、全11巻とあるが、完結はしていないので注意が必要。


「ガウガウわー太2」
梅川和実・全5巻・一迅社(REX)
★ ★ ★
上記作品の続編。話は完全につながっているので、実質12巻目からと考えて差し支えない。
休載期間が長かったものの、絵が劣化していることもなく、普通に続き物として読める。
ちゃんときれいに終わっているので、前作の打ち切りでトラウマがある人は読むべき。


「かえで台風」
桃栗みかん・全1巻・集英社(ぶ~け)
★ ★
忍の末裔である少女は親が決めた結婚相手が気に入らなく、街へ出て自分で結婚相手を見つけ出した。
しかし、家のしきたりで自分より強い相手でなければ結婚が認めてもらえないのに、少女が見つけた相手は人がいいだけでけんかにはめっぽう弱い普通の少年だった。
設定はよくあるものでも、最後まで描き切ってくれればもう少し評価できたのだが、中途半端なところで切れているのでこの評価。
話のノリは作者らしくてよかったのだが。


「黒地旅記-カオスアイル-」
ゆづか正成・全2巻・一迅社(REX)
★ ★
大地が黒くなり、作物も何も取れなくなる呪いが世界に蔓延していた。
その大地を白く元通りにする力を持つ少年とその少年を守る少女が旅をする物語。
基本にある物語はオーソドックスで、それなりに読める作り。
ただし、コミックスで作者が、「設定も何もほとんど白紙で行き当たりばったりで描いています」というようなことを公言しているため、先行きがかなり不安になる出だしだった。
そして、案の定最後は打ち切り。
話がまとまっていないので、完結していないのと同様。
こうなってしまったのは、コミックスでの発言が原因では、とすら感じた。


「かきかけとけしいん」
たし・全1巻・一迅社(書き下ろし)
★ ★ ★ ★
親に捨てられ、学校ではイジメに遭い、性格が捻くれてしまった少年が無愛想な青年の家に預けられることになる。
主人公の少年と青年のやり取りが楽しいほのぼの系の作品。一見すぐにでも壊れそうなほど危うく見える2人の関係がなかなかよい。
主役2人の個性も強く、いつまでも読んでいたい気にさせられる。
全1巻で終わってしまっているのが惜しまれる。


「混沌(カオス)の城」
松葉博・全3巻・マッグガーデン(アヴァルス)
★ ★ ★
2012年、地殻変動により壊滅的な被害の出た地球。
それから143年後、退化した文明の中で巨大な何かを復活させようとしている者がいた。
原作が夢枕獏さんなので、それだけである程度内容が想像できる人もいるかもしれない。
退化した文明が舞台なだけに、江戸時代のような服装と迷彩服が入り乱れているので、その辺りの違和感がなくなるまでに結構時間がかかった。
しかしながら、話は非常に良くできていて、いい意味で暗い画面や残虐なシーンも出し惜しみしていないところなど、引き付けられる部分は多い。
ただし、話は中途半端なところで終わっており、中ボスを倒したところで終わってしまった感じ。
最後まで読みたかっただけに、残念。


「夏期限定トロピカルパフェ事件」
おみおみ・全2巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
小市民を目指す小鳩くんと小山内さんの高2の夏を描いた物語。
前作「春期限定いちごタルト事件」(サ行参照)と作画は変わっているが、雰囲気は同じ。
前作を知らなくても一応読める作りだが、知っていた方がいい。
軽いミステリーを読みたい人に。
続編前提ではあるが、終わり方はそこまでハッピーエンドではないので、読後感はやや悪い。


「各駅停車」
谷川史子・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★ ★
彼氏と別れて1年たった少女が、別れた彼にそっくりな男の子に告白される。
また、その話と少し共通点を持った登場人物の話が続けて掲載され、全3話のオムニバスのような感じ。
どれも、当たり障りのない話。
ただ、やっぱり絵がいいので、当たり障りがなくても読ませてくれる。


「学園革命伝ミツルギ なかよし」
行徒・全4巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★
少子化による学園の統廃合が相次ぐ中、生徒数確保のため学園の改革を試みる生徒会メンバーたちの物語。
「学園革命伝ミツルギ」の続編ではあるが、前作を知らなくても読める作り。
基本的には生徒会メンバーたちがいろんなテーマについて生徒会室などで駄弁りまくるという内容。
絵が全体的にゴチャゴチャしていてやや読みにくいが、キャラにかなり個性があるので、じっくり読むとじわじわくる面白さがある。
キャラの表情は硬いが、ギャグ漫画だと考えると、これはこれで味があっていいと思える。
最後はやや打ち切りっぽい感じではあったが、ギャグ漫画としてこの終わりならいいかな、と感じる。


「学園イトナメア」
方條ゆとり・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★
全寮制の高校で囁かれるネットを通じて伝わる都市伝説・ネットロア。
それをカード化してコレクションする少女の元には、他のカードコレクターや様々なネットロアが集まってきていた。
都市伝説をネットを通じて伝わらせる、というのは割と現代風にアレンジしていていいな、と思ったものの、全体的に明るい雰囲気でバトルものに近かったのが個人的には残念。
時々出てくる幽霊の登場シーンなどで怖い場面があり、それにはハッとさせられていいのだが、それ以外はいまひとつ。
「ひぐらしのなく頃に」の綿流しや目明しを期待すると裏切られるかも。
終わり方も打ち切りっぽい感じだった。


「学園天国パラドキシア」
美川べるの・全10巻・一迅社(REX)
★ ★ ★
霊感が強いのに霊を信じない少女が、霊がたくさんいる学園でいろいろな霊がらみの事件に巻き込まれる話。
作者の別作品「ストレンジ・プラス」(サ行参照)とテンションは近いものがあるのだが、こちらは少々パワー不足で、あまり声に出して笑える要素がない。
ギャグマンガとして悪くはないが、そこまでお勧めはできない。
終わり方は悪くなかったのだが。


「学園都市ヴァラノワール」
碧門たかね・全2巻・スタジオDNA(ゼロサム)
★ ★
同名タイトルのPCゲームを漫画化した作品。
原作がPCゲームだけあって、設定やキャラなどはいかにも、な感じのものが多い。
内容もよく言えば王道、悪く言えばベタベタな感じで、あまりお勧めできない。
終わり方も打ち切りのような感じなので、読むとしたら、ゲームの導入編を読むくらいの感じにしないと裏切られる。
絵はかわいく描けている。


「学天の嵐」
神堂あらし・全2巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★
弟を溺愛するオカマの長男がいる家庭に、見習いキューピッドに居候される家、などの個性の強いキャラたちが繰り広げる日常ドタバタコメディ。
とにかくキャラ先行の作品で、全体的にキャラだけで話が進んでいるような印象。
絵が受け入れられるのであればそれなりに読めるが、ストーリー性はあまりない。
終わり方は典型的なギャグマンガの終わり方だった。


「楽屋裏」
魔神ぐり子・全3巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
編集と漫画家のやり取りを面白おかしくギャグマンガにした話。
とにかく全編通してテンションが高く、皮肉があったり自虐ネタがあったり、でかなり楽しめる。
声に出して笑えるネタも多い。
全3巻ではあるが、続編もある。


「楽屋裏-貧乏暇なし編-」
魔神ぐり子・全3巻・一迅社(ゼロサム・WARD)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編。
基本的な内容は同じだが、漫画家デビューしてから10年、未だ連載の持てない井上さんを主人公にした「漫画家デビューはしたけれど」も同時収録されている。
個人的には「漫画家デビューはしたけれど」の方が好き。
猫漫画になりつつある部分もあるが、それもそれで面白く読める。
前作から通算連載100回目で最終回となり、特に最終回らしいこともやらなかったが、スパッと終わったのは潔かった。


「賭ケグルイ」
尚村透・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
ギャンブルが推奨される学校にギャンブル狂の少女が転校してくる。少女は大金をかけた様々な特殊ルールのあるギャンブルに挑んでいく。
ギャンブルに勝ったとき、負けたときの顔芸を楽しむ作品。
ギャンブル自体も一捻りされているものが多く、そちらも楽しめる。
登場キャラも個性が強くていい。


「賭ケグルイ双」
斎木桂・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
上記作品のスピンオフ作品。
上記作品は主人公が高校2年生だが、本作はクラスメイトのサブキャラ・早乙女芽亜里が1年生のときの話となっている。
本編主人公の夢子が運にも頼るのに比べて、芽亜里は徹底した合理主義者で確率的に分のいいものを取っていくところが差別化されている。
絵柄も本編に近いものがあり、違和感なく読める。


「賭ケグルイ妄」
柊裕一・全4巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★ ★
上記作品のスピンオフ作品。
サブキャラ・生志摩妄が主人公。
本編が始まる少し前、妄が美化委員長になった直後の話で、運や戦略関係なくその場の勢いでギャンブルをしていく姿が描かれている。
話があまり広がらないまま中途半端なところで終わってしまった印象があり、本編との関わりも希薄で微妙だった。絵はきれいなのだが。


「陽炎ノスタルジア」
久保聡美・全5巻・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★
戦乱の時代に生きる少年たちの物語。
ストーリーは久保さんが描く中で1番好きな戦国時代のもの。キャラも非常によく立っているので、人物の把握がしやすい。
絵はコミックスではかなり修正されていたが、やや見にくさが残る。
ストーリーがかなり盛り上がってきたところで一旦打ち切りとなったが、「新章」として続編が発売された。


「陽炎ノスタルジア-新章-」
久保聡美・既刊3巻(打ち切り)・マッグガーデン(コミックブレイド)
★ ★ ★
上記作品の続編。
冒頭にあらすじはついているが、完全なる続編で新作とは考えない方がいい。
中途半端なところから始まっているので、前作を知っていることが大前提。
話としては前世の謎解きが始まった辺りで立ち消えとなってしまった。
長い休載期間後に1話だけ続編が発表されたが、以後音沙汰なし。


「がじぇっと」
衛藤ヒロユキ・全3巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★
機械をいじるのが得意な少年の元に、あるとき憧れの女の子がCDプレイヤーを直してほしいと持ちかけてくる。
そのプレイヤーを直そうと機体を開けると、そこにはあるはずのない回路が存在していた。
それ以来、少年の周囲で不思議なことが起き始める。
設定はわりと珍しいが、特に面白いということはほとんどなかった。
前半に比べると後半はわりと盛り上がった感じがしたが、盛り上がりきる前に終わってしまった印象。
時代も現代なので、妙に丸っこい登場人物にも違和感があった。


「カジカ」
鳥山明・全1巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
罪もない狐を殺してしまい、その呪いを受けて1000匹の生き物の命を救わないと呪いが解けなくなってしまったカジカ。
カジカはその旅の途中で、世界でたった1匹だけ残った竜の卵を研究所まで届けてほしいという依頼を受ける。
1巻できれいにまとまっている作品。
ストーリーは最後がそれほどよくないもののなかなかよいし、鳥山さんらしいアクションも多くて楽しめる。


「かしずき娘と若燕」
高透レイコ・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★
両親を亡くし、叔母の家に居候して家事全般をこなす少女は、神社で行き倒れている青年に出会う。
その青年を気まぐれで助けてしまったのが運の尽き。
青年に懐かれ、同居することになる。
シリアス半分、コメディ半分、という感じで、普通ではあり得ないようなシチュエーションを楽しむ作品。
退魔師物の要素も入っているが、意外と早く連載終了したため、退魔師物要素は消化不良のまま終わってしまった印象。
話は一応まとまっているが、最後は駆け足で打ち切り感はぬぐえない。
絵は不安定だが、かわいらしい。


「花燭の白」
高山しのぶ・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
体に花を咲かせ、それが鬼の食事となる花燭となった少女と鬼の物語。
舞台設定は大正頃となっていて、街の雰囲気などがいい感じに再現されている。
自分に自信の持てない主人公が鬼に見初められて戸惑いながらも愛される、という基本設定が理解できれば割と楽しく読める。普通に読むだけだとそこがわかりにくい。


「風追い人」
しっちーしちだ・全1巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
世界樹に守られた世界で、世界樹の作り出す生命の源・水精気を操る”風解き”と呼ばれる人々の物語。
世界観の設定、ストーリーの運び方も非常にいいのだが、中途半端なところで終わっているので、この評価。
あと1巻分話が続いていればきれいにまとまったと思えるだけに、残念。
作者にとってはこれが初めての連載だったが、画力は最初からかなり高く、絵に迫力もあるし、構図が息を飲むほどきれい。


「風の谷のナウシカ」
宮崎駿・全7巻・徳間書店(アニメージュ)
★ ★ ★
大規模な戦争によって崩壊し、ゆっくりと滅びて行く世界でそれでも戦争を止めない人々。
そんな世界で、世界をどうにか救おうと戦い続ける少女の物語。
アニメ映画として有名な作品で、原作を知りたいと思って買った本。
映画になっていたのは2巻の途中までで、原作は映画よりももっと複雑な設定。
ただ、映画の演出がよかった分、そこが原作でそっけなかったり、終わり方も完全に納得できるわけではなかったので、映画ほど好きになれなかった。
人が死ぬべきところで死んだり、アクションシーンに迫力があるのは好きだったのだが。


「風の魔道士」
上田信舟・全1巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★
FCソフト「ファイアーエムブレム」に登場するマリクとミネルバを主役にした短期連載作品。
ファイアーエムブレムがSFCに移植される前に描かれた作品なので、作者のキャラの捉え方がSFCの印象と異なる。
また、かなり昔の作品なので、表紙と中身との絵にかなりのギャップがある。
上田さんのファンになら、という本。


「カッコカワイイ宣言!」
地獄のミサワ・全5巻・集英社(ジャンプSQ)
★ ★ ★
世界で1、2位を争うくらいの美貌を持つドジっ子少女や、そのほかいろいろな人の物語。
表紙を見ればわかるが、世界で1、2位を争う美貌と言ってもかなり不細工なのだが、作中では本気で美人として扱われている。
とにかく合う人、合わない人が極端に分かれると思われる作品なので、買う前にネットで「地獄のミサワ」を見ておいた方がいい。
それが面白いと思えば、買って損はしない。
とにかく全編ネタとして割り切って読む必要がある。
終わりも唐突でシュールだった。


「かつて魔法少女は悪と敵対していた」
藤原ここあ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
オラオラ系マスコットに魔法少女にされてしまった貧乏少女が、悪の組織の幹部に一目惚れされて、敵対しているように見せかけて愛されまくる、という話。
テンポのいいギャグと個性的なキャラが魅力で、確実にアニメ化されるくらいのクオリティがあった。
しかし、作者急逝のため打ち切りとなってしまった。それが非常に惜しまれる作品。


「カッパときのこ」
魔神ぐり子・全1巻・一迅社(アルカナ)
★ ★ ★
擬人化したカッパときのこが、いろいろなテーマをもとにひたすら駄弁る話。
ほぼアルカナに掲載された話なので、アルカナを集めている人にはほぼ見覚えのある話になっているのが残念。
ただ、描き下ろしがかなりあり、それがわりと面白いので、作者が好きなら描き下ろし目当てで買ってもいいくらい。


「カナシカナシカ」
紺野キタ・全1巻・新書館(Wings)
★ ★ ★ ★ ★
幼い頃から誰かの気配を感じていた少年・藍はある日異世界に迷い込んで不思議な少女・すずろと出会う。
異世界に迷い込む話としては珍しく、きれいに1巻で後腐れなく完結している。
話がきれいに終わっている分、読後感もいい。
絵も幻想的で切ない雰囲気があってよい感じ。


「彼女の腕は掴めない」
理央・全3巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
体の欠損を愛するというアポテムノフィリアの青年が、生まれつき両腕のない女子高生をたまたま街で見かけて誘拐してしまう。少女は逃げ出すことのできる状態でも逃げ出さず、青年と暮らすことにする。
第1話にかなりインパクトのある作品だっただけに、その後は尻すぼみな感じになってしまったのが残念。
青年と少女の微妙な距離感は割と良かったのだが。


「カノジョは官能小説家」
後藤晶・全6巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★ ★
官能小説雑誌の編集部に配属になった新人編集の青年は、彼自身もファンである官能小説家の担当になる。
作者に奴隷のように扱われながらも、いいものを世に出そうと青年は奮闘する。
官能小説をテーマにしているところが珍しく、エロの描写もさほど気にならないので、わりと女性でも気軽に読める作り。買い難い表紙ではあるが。
後半になるに連れ話がシリアスになってきて、引き込まれる部分も増えてくる。
大団円ではない終わり方もよかった。


「Capricious Bullet」
浅田やすか・全1巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
荒廃した世界で探偵業を営む青年2人と少女。
いろいろと失敗しながらも3人は依頼をこなしていく。
ひたすら王道を行く作品ではあるのだが、作品のところどころにある小ネタで笑えるところがあって、そのためにコミックスを買った感じ。
絵は安定しているので、絵が気に入れば買ってもいいかも。


「かみあり」
染谷カイコ・全9巻・一迅社(REX)
★ ★ ★
世間では神無月と呼ばれる10月。しかし、出雲では神様が全国から集まる神在月。
そこで少女たちは様々な神様と出会う。
世間一般に知られている神様からマイナーな神様まで、いろいろと扱ってくれているので割と飽きることなく読める。
基本的にのんびりとした話なので、穏やかな話が読みたい人に。


「神クズ☆アイドル」
いそふらぼん肘樹・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
顔はいいのに全くやる気のない男性アイドルに、夢半ばで事故死してしまった女性アイドルの霊が取り憑く。2人は時々入れ替わりながらアイドル活動を続けることになる。
全くやる気のない主人公とやる気に満ち溢れるヒロインのギャップを楽しむ作品。
絵はあまり上手くはないが、話のテンポはよく、楽しく読める。


「神作家紫式部のありえない日々」
D・キッサン・ゼロサム(一迅社)
★ ★ ★ ★
夫に先立たれて同人誌を書くことで寂しさを紛らわせていた女性に、断れない宮仕えの話が来る。中宮の教育係となった女性は藤式部という名前を与えられ、公認同人活動を許されて源氏物語の続きを書くことになる。
舞台は平安時代だが、セリフには結構な横文字が使われているので、その辺りのノリが合わないときついかもしれない。極端に現代語訳されていると思った方がいい。
背景や当時の生活様式などは結構しっかり描かれている。


「神さまのつくりかた。」
高田慎一郎・全14巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★ ★
15年間女だけの別空間・一神殿で育った、戦神子になる予定の女の子が、男に会いたいがために現実世界へ未熟のまま逃亡。
そこでは倒すべき敵として15年間教え続けられた遊風稜(ゆせみ)と、それに関わる敵が待ちかまえていた。
日本的な絵に好感が持て、ギャグとストーリーのバランスがよい作品。
連載開始当初は、今までの読み切り作品にそれほどギャグが登場していなかったので、ギャグの多さにビックリした。
ストーリーに大きな矛盾はなく、謎解きに驚かされたことも多かった。
全14巻できれいにまとまっており、名作に入ると思う。


「神の名は」
楠桂・全3巻・角川書店(少女帝国)
★ ★
姉願いにより、姉の幸せと交換に不死を手に入れた少年が、日本の神と共に異国の神と戦う。
設定が「3×3EYES」(サ行参照)と若干かぶって見えたのと、作者が作る他の話と似たり寄ったりのところがあったのでこの評価。
特に悪いところはないのだが、終わり方はいまひとつ。


「カミヨミ」
柴田亜美・全15巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★ ★
強い意志を残した遺品から死者の霊を呼び出す力を持つカミヨミ。
カミヨミとして日本最高の力を持つ少女、その婚約者、少女の双子の兄など、カミヨミの力に関わる人たちの物語。
シリアスがメインの話ではあるが、伏線がしっかりと張られていて、引き込まれる内容。
登場人物は多めだが、キャラがそれぞれ立っているので読みやすい。
連載初回から提示されていたテーマは最後までぶれることがなく、キッチリきれいに終わった。
名作の域に入ると思う。


「KAMUI」
七海慎吾・全11巻・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★ ★
2度の大地震で崩壊した日本。そこに突如現れたアタナンと呼ばれる巨大な化け物。
そのアタナンと唯一素手で戦う術を持つNOAという組織で戦う若者たちの物語。
設定自体はよくあるものかもしれないが、キャラがよく立っているのと、設定も骨組がしっかりしているので非常に引きつけられる。
絵も読みやすい。
中盤までは最高評価をあげていいくらいの個性ある展開だったのだが、最後が平凡で残念。
あと1歩踏み込んでほしかった。


「仮面ライダーSPIRITS」
村枝賢一・全16巻・講談社(マガジンZ)
★ ★ ★ ★
世界各国で仮面ライダーとして悪と戦う男たちの物語。
一見、TVシリーズのように日本で悪の組織と戦う一人の男の話のように見えるが、世界各国で戦っている仮面ライダーたちの話を描いているので、漫画でしか出来ないことをやっていて好感が持てる。
また、単なる勧善懲悪だけではなくて、人間ドラマも入っているし、画力も高いので安っぽく見えることもない。
熱い漫画が読みたい人にお勧め。


「COLOR MAIL」
藤原カムイ・全1巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
全ての色が奪われてしまった世界で、色を取り戻すべく人間化した動物と旅をする少女のお話。
ストーリーに合わせ、色が取り戻されていく度に色が付いてくるコミックスの作り方がわかりやすくてよいのだが、いかんせん1800円では値段が高い。
作者のファンでどうしても読みたい、という場合以外は買わない方がよいかもしれない。


「機関夢想幻戯セクシオンドール」
時狩秘都・全4巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
人形師の青年と、その青年が造った人形の少女が日々起こす騒動が中心の、シリアスとギャグの中間作品。
登場するキャラのほとんどがかなり変わっているので、それを見るのが楽しい。
絵は完成されているようだが、横顔に違和感があった。
終わり方は王道的なもので少々残念だった。


「ガラス色のBOY」
あいざわ遥・全2巻・集英社(りぼん)
★ ★ ★
仲のいい幼なじみの男女の恋物語。
女の子は勉強もスポーツもできて、容姿が格好いいので女の子にもてる。
男の子はサッカー好きでまあ普通の子。
「制服のBOY」の続編ではあるが、前作を知らなくても読める。
典型的な恋愛少女漫画なので、もう少し評価を落とそうと思ったが、私の好きな設定「幼なじみ」があること、絵がきれいなこと、を考慮してこの評価になった。


「CARAT!」
渡辺祥智・全2巻・マッグガーデン(ZEBEL)
★ ★ ★
ある魔法世界で起こった王位継承問題。眠ったままの王子を目覚めさせた者が王になるのだが、仲のよい継承候補者はお互いに戦えない。そこで、人間の代理人を立てて争わせ、勝った方が継承権を得るということにした。
魔女っ娘ものの話だが、いい意味でバカバカしい話で、変身の魔法が「肉うどん」だったり、対する魔女っ娘が男だったり、とここまでやってくれれば文句はない、というくらい弾けている。
絵もきれいで読みやすい。
2巻で割ときれいに終わっている。


「カラフルパレット」
あいざわ遥・全5巻・集英社(クッキー)
★ ★ ★
彼のことが信じられなくなって新しい恋人と付き合い始めたが、新しい恋人は彼女を束縛し、そのうち暴力を振るうようになっていった。
その後、暴力男と別れてよりを戻したが、彼女の前には様々な障害が立ちはだかった。
読み切り作品よりも話の流れに説得力があり、都合のいい展開もそれほど目立たなかった。
大学生~社会人にかけての等身大の女の子の姿を描いているところは評価したい。
ただ、終わり方が微妙で、一応決着はついているものの、話の先に様々な障害が見えた。


「瓦礫の楽園」
吉川博尉・全1巻・ラポート
★ ★
短編8本が収録してある短編集。
どれもそれほどページ数がないため、これで終わり?、と思ってしまう作品が多いので評価を落とした。
絵は最近の作品ほど暗い感じのいい雰囲気を出していてよい。
この短編集を再編集した「パノラマアワー」(ハ行参照)という短編集もあり、作者の短編集は「パノラマアワー」の方がお勧め。


「ガレリオのモザイク」
清野桂也・全3巻・スタジオDNA(ゼロサム)
★ ★
人工的な魂を持ったモザイクと呼ばれる人形。
その中でも最高傑作と言われた7体のガレリオが作ったモザイク。
そのうちの2体である2人のモザイクはレンタル家族という商売をしていたが、あるときモザイクの存在意義と自分のあり方に疑問を持った1人が姿を消す。
よくある人工生命体の話を描いた話ではあるが、そこかしこにわりと珍しいと思える設定があったり、設定がしっかりしているところがあったりするので、そこが評価できる。
しかし、中盤から作者が制御できないほどキャラが暴れているのがわかり、そこがマイナスに響いてしまっている。
ハッピーエンドではあったが、中盤から話がわかりにくくなってしまい、残念。
絵は全体的に不安定ではあるが、読みにくくはない。


「GUNSLINGER GIRL」
相田裕・全15巻・メディアワークス(電撃大王)
★ ★ ★
虐待などを受けて障害者となった人に機械の体を与え、洗脳して裏社会の仕事をさせる組織があった。
これは、そこで働く3人の少女たちの物語。
なぜ洗脳されるのは女の子ばかりなのかとか、機械の体という設定に違和感を覚えたりするので評価は高くしなかったが、話そのものは結構読ませてくれる。
洗脳されているということを上手く利用しているし、1話完結式の話が必ずしもハッピーエンドではないところがいい。
絵はすっきりしていて読みやすい。
後に擬体のキャラ達も増えていき、その中で死んでいく人もいて、しっかりと時間が経過しているのがわかる流れはよかった。
反面、中盤は少し中だるみしていたように感じた。


「かんなぎ」
武梨えり・全12巻・一迅社(REX)
★ ★ ★
近所の神社にあった切り倒されたご神木で、少年は木彫りの人形を作った。
すると、その人形の中から女の子の神様が出てきた。
話は典型的な萌えを狙ったもので、ヒロインの天然っぷりやライバルの幼なじみやヒロインの妹との対決を楽しむ感じ。
作者急病により長い休載期間があったが、終盤はシリアスな展開もあり、最後はきれいに完結した。


「神撫手」
堀部健和・全2巻・集英社(ジャンプ)
★ ★
母親が描いた名画の贋作を集めるため、泥棒となった少年。
その中で少年は神撫手という特殊能力に目覚め、母の絵に残されたメッセージを辿っていくことになる。
絵はわりときれいで、話もわりと面白いのだが、キャラの特殊能力がどこかで見たものであったり、話そのものの厚みがないなど、気になるところは多い。
打ち切り作品であるため、中途半端に終わっているのが残念。


「かんぱち」
結城心一・全10巻・一迅社(REX)
★ ★
「かんなぎ」(上記参照)のスピンオフ(?)作品。
魚のカンパチが小さなナギの形で顕現する。
原作者公認の作品なので、原作が好きなら買って損はしない。作者は本家「かんなぎ」にもおまけページで登場していたりもする。
原作の休載期間中に連載され、思いの外長く続いた印象。


「がんばらなくっチャ!」 仲尾ひとみ・全7巻・スクウェアエニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★
悪魔になるための最終試験で、人間と契約して3日分の寿命をもらうために人間界にやってきた悪魔の少女。しかし、契約した相手は人間ではなく悪魔で、試験は不合格となる。
けれど、特例措置として再試験を行うこととなり、その間人間界で契約した悪魔と一緒に暮らすことになる。
キャラ設定以外にも、悪魔とバレないように学校に行ったりするなど、けっこうベタベタなところが多い。
しかし、その後の展開でキャラの個性が出てきたり、ギャグがそこそこ面白かったり、とそれなりの成長を見せてくれた。
絵はまだまだ発展途上だが、こちらもそれなりに成長した。
興味がある人はせめて4巻くらいまで諦めないで読んでほしい。


「がんばれ!消えるな!!色素薄子さん」
水月とーこ・全12巻・一迅社(REX)
★ ★ ★ ★
存在感が非常に薄く、バス停でバスが止まってくれなかったり、自動ドアが反応しないのは日常茶飯事の色素薄子さん。
そんな彼女の日常を描いた作品。
存在感が薄すぎる、というのを主役に持ってきたありそうでなかった作品。
話の雰囲気は穏やかな感じで、それほど大きな事件はないものの、飽きることなく読める。
絵はスッキリしていて読みやすい。
色素薄子さんの大学4年間を描き切って最終回となり、なかなかにいい終わり方だった。


「GUN BLAZE WEST」
和月伸宏・全3巻・集英社(ジャンプ)
★ ★
中世アメリカで西の果てにあるという「ガンブレイズウェスト」を目指して旅する少年の物語。
前作「るろうに剣心」(ラ行参照)で美形を描き飽きたせいか、登場人物の見た目は個性的なものが多い。
しかし、そのキャラに魅力を感じられない。
話もそこかしこに別作品の影響が見受けられたり、進むに連れて時代考証もめちゃくちゃになっていって、終わり方も打ち切りそのものだった。
前作が好きだった人なら、むしろ買わないほうがいい。
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