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カ行-3 [コミックスレビュー]

「タイトル」
作者・既刊数・出版社(掲載誌)


「ククルカン」
高田慎一郎・全7巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
ククルカンに乗る隊員を養成する部隊に入った少年。
その少年の同室になったのは、男装した少女だった。
作者得意の軍事もの、ということで期待していたのだが、展開としてはいまひとつ。話にあまり起伏がない。
一応きれいに終わってはいるのだが、期待したような謎解きもそこまでの威力はなく、微妙だった。
主人公の少年が覗きをしようとして失敗する、最終的には男性陣全員で覗きを敢行する、などの話が多く、それがなければな、とも思ってしまった。
逆にそれが好きな人ならお勧めだが。


「繰繰れ!コックリさん」
遠藤ミドリ・全12巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
自称人形少女・こひなが行ったコックリさんで召喚された狐の幽霊・コックリさん。
こひなに日々否定されつつも、ダメ生活を送るこひなが妙に気になってコックリさんはあれこれ世話を焼くようになる。
基本的にはギャグ漫画だが、シリアスな絵を描かせてもかなり上手いのが好感触。
主人公・こひなのキャラもいい感じで、最初から安定感のある笑いが楽しめる。
中盤でダレることもなく、最後もきれいに終わった。


「繰繰れ!信楽さん」
宗一郎・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
上記作品のスピンオフ作品。信楽が主人公の話で、ちゃらんぽらんに見えて陰ではちょっといいこともしている、という姿が描かれている。
本編の人間関係を知っている前提の話ではあるが、そこまで本編と話が絡んでいないので、単体としてそれなりに読める。


「草の上 星の下」
谷川史子・全1巻・集英社(コーラス)
★ ★ ★ ★
結婚してスイスで暮らしていたはずの姉が突然帰国。
姉に苦手意識を持っていた少女は、居心地の悪い気分を味わう。
表題作以外にも3本の短編が収録されており、どの作品も出来具合もよい。
特に「春が来たなら」は良作の部類に入る。
20代の女性には共感できる部分も多いと思われる作品集。


「くじら日和」
谷川史子・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★ ★ ★
両親が海外へ行ってしまうため、一人暮らしをすることになった少女。
少女は好きな人が管理人をするアパートで生活をすることになる。
途中まではすごくありきたりの話だと思っていたら、思いがけないラストが待っていた。その点で評価を上げた。
料理が下手な主人公は結構いるが、この話では現実感があっていい。
ただ、アパートの同居人たちは各々個性はあるが、それが活かし切れていなく、残念。


「楠桂傑作集」
楠桂・全1巻・小学館(サンデー)
★ ★
その名の通り、短編作品を集めた本。
表紙に使用されている絵の話は、この本のメイン作品だが単行本の中程に収められている。
普通ならば最初に持ってくるべき。また、その話は中途半端に終わりすぎ。
初期作品も収録されているので、絵がまだ見にくい部分もある。
少年漫画というより、少女漫画に近い作品もある。


「クズの本懐」
横槍メンゴ・全9巻・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★ ★
お互い別に好きな人がいる高校生の男女。
お互いを慰め合うため、表向きでは付き合っていることにして学校生活を送っていた。
主人公たち以外にも様々な人の視点で話が語られ、それぞれが自分のことを「クズ」だと思っていて、作品全体から罪悪感のようなものを常に感じることになる。
なので、読後感はよくないが、それでも読んでしまう力がある。
作風的には全体的にちょっとエロい。
序盤の展開から考えるとちょっと意外な結末を迎えているのもよかった。


「グッドモーニング キス」
きたうら克巳・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★ ★
異常なまでに寝起きの悪い女の子が、彼と一緒に泊まりがけの旅行に出かけることになる。
ここまで極端に主人公の癖が描かれている作品も珍しいが、それがかえって好感が持てる。
同時収録の作品にも、無言電話の被害を極端に描いたものがあって、それもいい。
しかしながら、ラストにはそれほど意外性もなく、この評価に落ち着いた。


「クツナシ姫」
赤夏・全1巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
10年に1度の祭りのときだけしか素足で土に触れることのできない巫女の少女と靴屋の青年の物語。
その他何本かの短編が収録されており、作者らしさがよく出ている。
表題作が1番面白いので、他の作品が小粒な印象。


「グラール騎士団」
sion・全3巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★
世界に突如として現れた人類の敵・アルコーンに対して、唯一対抗できるのは人間の体から引き出される武器・聖杯のみ。
その聖杯を持つ能力者が集められたアルコーン討伐軍をグラール騎士団といった。
乗っていた船が襲われ、親友と離れ離れになった少年は、聖杯を持つ能力者であったため、グラール騎士団に入り、親友を探すことにする。
オリジナルアニメ・CDが原作の作品で、ストーリーよりもキャラを楽しむための作品。
ストーリーはやや単純でいまひとつ。
原作のキャラデザと本作の作画が同じなので、原作が好きな人なら楽しめるかもしれないが、打ち切りになってしまい、かなり中途半端なところで終わっているため、何とも言えない。


「CROWN」
中西達郎・全5巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★
万年クラス委員長をさせられていた少年。
その少年があるときその国の王の息子だということで、王に祭り上げられる。
事情もわからず流されていく少年。しかし、少年を置き去りにして他国との戦争も始まってしまう。
前作「ドリムゴート」よりはだいぶ絵も読みやすくなり、話もわかりやすくなった。
粗い部分も多いが、読むに耐えないレベルではなくなった。
ただ、残念ながら多くの謎を残したまま打ち切りとなってしまった。まだ序章段階くらいで終わっているだけに、結末の予想も難しい。


「CRY EYE」
空野晶・全2巻・マッグガーデン(ブレイド)

同級生に誘われて参加した携帯ゲームのテストプレイ体験会。
しかし、ゲームは孤島で行われるリアル殺人ゲームだった。
最初はツッコミ所満載に見える話で、中盤の伏線の張り方には引き付けられるものがあったが、話の進むスピードも遅く、化けそうで化けない作品だった。
最後は完全なる打ち切りで、非常に中途半端な終わり方だった。
作者の頭の中だけで話が展開している典型のような作品だった。
絵は割といいものがあっただけに、惜しい作品。


「くらしのいずみ」
谷川史子・全1巻・少年画報社(ヤングキング)
★ ★ ★ ★
6組の夫婦の話+1本の短編集。
全ての話が「夫婦縛り」という設定がなかなか珍しい作品集。
既に結婚した後の話なので、夫婦がお互いを見つめ直す過程が切なかったり微笑ましかったり、で癒される。
ドロドロしたものが嫌いな人にお勧め。


「グラスホッパー」
井田ヒロト・全3巻・角川書店(コミックチャージ)
★ ★ ★
殺された妻の仇をとるため、非合法組織で働きながら復讐の機会を狙っている青年・鈴木。
しかし、その仇は別の殺し屋によって殺されてしまう。そして、犯人を追ううちに様々な裏世界の人たちが関わってくる。
雰囲気は作者の「戦線スパイクヒルズ」に近いものがあり、リアリティがあるようでない現実の裏側が見られる。
最後まで読むと話の概要がわかるが、読んでいる途中だと話がどこに向かうのかよくわからないのがマイナスに感じられた。


「クラブクライム」
凛野ミキ・全3巻・スタジオDNA(ゼロサム)
★ ★ ★
ネコの死体ややたらと長いFAXが送り付けられ、そのストーカーに怯えた少年は全寮制の高校に入る。
しかし、その高校には少年にストーカー行為をしていた少女が通っており、少年は少女が部長を務める「殺人鬼研究部」に入ることになる。
話が進むに連れて作者が開き直ってキャラが無茶な行動に出たりするが、それが結構笑える。
ただし、それほどギャグ風味が強くもなく人がガンガン殺されたりするので、そのブラックさについていけなくなることもある。
絵はそれほど恐くはなく、読みやすいのだが。
無駄に引き伸ばさず、最後はサックリ程よい長さで終わった。
ブラックなギャグが合う人なら、楽しめると思う。


「クラリオンの子供たち」
堤抄子・全1巻・ふゅーじょんぷろだくと(リトルボーイ)
★ ★ ★
第3次世界大戦が起こった世界で生きる青年と、超能力を持つ子供たちの物語。
その他、6本の短編と宮崎駿さんの解説がついている。
作者の初期短編集なので絵にまだ不安定なところがあり、ストーリーもある種独特の感性についていけないと読んでいて辛いかもしれない。
私は好きだが。


「CLAMP学園探偵団」
CLAMP・全3巻・角川書店(ファンタジーDX)
★ ★ ★ ★
巨大学園都市である、CLAMP学園の小等部学生会のメンバー3人が、この世の女性の悩みを救うべく探偵団を結成する。
探偵といっても重々しいものではなく、シリアスな絵柄のギャグ漫画に近く、楽しく読むことができる。
事件にも意外性があっていい。
ただし、CLAMPさんの作品は現代物であると大きく横の世界でつながっているものが多く、全ての作品を知らないと内容が理解できないものもある。この作品は特にそれが強いために、評価を少し落とした。


「クリア・クオリア」
遠藤海成・全2巻・角川書店(アスカ)
★ ★ ★
徐々に四肢が腐って死に至る病が蔓延する世界。
その世界で五体満足のものは極少数で、ドナーと呼ばれて珍重されていた。そのドナーである少女は、廃棄されようとしていたロボットと自分の右目を交換する。
作者らしいストーリーとキャラ設定で、ちょっと毒のある話を読んでみたい、という人にはお勧め。
やや人を選ぶかもしれないが、一応話は完結していて伏線回収もほぼできていたので悪くはない出来だった。


「グリオットの眠り姫」
藤村あゆみ・全3巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
人里離れた森の奥で静かに暮らしていた少年たち。
それがある日、黒い騎士と魔物に村を襲われ、少年は幼なじみを黒い騎士に殺されてしまう。
少年は黒い騎士を追い、旅立つ。
「ティンダーリアの種」(タ行参照)と同様に音楽CDが原作で、作画も同じ人が担当している。
話は全く違うものだが、話の雰囲気は近いものがあり、前作が好きだった人なら買って損はしない仕上がりになっている。
ただ、最後は前作ほどきれいにまとまっておわず、やや含みのある終わり方をしていて残念。
大きな物語としては終わっているのだが。


「クリスト-橙眼のメシア-」
空のカイリ・全1巻・マッグガーデン(マサムネ)
★ ★ ★
攻撃性を持つ新種の生物・アディスを倒すことを生業とするスウィーパー。
そのスウィーパーになったばかりの青年は、アディスの住む場所で伝説のスウィーパーと出会う。
設定はかなり平凡だが、最後の盛り上がりがわりとよかったので、評価を下げないことにした。
主人公の個性が弱く、主人公が傍観的な立場であったことがマイナス。
絵は安定しているが、全体的にゴチャゴチャしていて読みにくい。


「クリムゾン・エンパイア」
双葉はづき・全3巻・一迅社(WARD)
★ ★ ★
親に売られ、地下組織で育てられた少女は、とある国の第二王子のメイド長として売られた。
少女はそこで第二王子を暗殺から守りつつ、王宮の陰謀に巻き込まれていく。
乙女ゲーが原作なので、主人公の周りには様々な形で美形が絡んでくるが、それ以上にストーリーがしっかりしているので、乙女ゲーだということをあまり意識せずに読むことができる。
話の進むペースがやや遅いので、まとめて読む方がいいかもしれない。
最後は急に話が終わったしまったような感じがするが、一応1人相手が選ばれているので、乙女ゲー原作の終わりとしてはこれでいいのかもしれない。


「Crimson-Shell」
望月淳・全1巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
プルミエの薔薇の種を体内に入れられた者は狂って人を襲いだす。
その者に唯一対抗する力を持ち、同じように体内にプルミエの薔薇の種を持つ少女の物語。
設定はわりとありきたりだが、そこかしこに捻りがあり、話を面白くしようという努力が見える作品。
この作品は少々展開が早く無理やりまとめた感じもあるが、将来性に期待できる。


「クレセントノイズ」
天野こずえ・全6巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
人の心が奏でる音を聞くことができる少年たちと、人の負の望みを命と引き替えに叶えさせようとする者たちの戦いを描いた作品。
「音」という特殊能力の定義がまず面白い。
絵もきれいで制服もかわいいし、ストーリーもなかなか。
終盤の盛り上がりもかなりよかったが、唯一纏使の解釈だけ納得できなかった。
続編前提の終わり方をしているので、読後感はあまりよくない。


「紅心王子(くれないおうじ)」
桑原草太・全18巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
魔界の王子で成績優秀な少年は、密命を帯びて人間界にやって来た。
しかし、手違いで住む場所がなくなってしまい、偶然出会った少女の家に居候することになる。
掲載誌は少年誌でも、雰囲気としては少女漫画。
全編穏やかな感じで話が進んで行くので、そういった雰囲気が好きな人ならいいかもしれない。
キャラを見る作品だな、とは思う。
1巻に掲載されている読み切りバージョンの出来はなかなかのもの。
終盤に明かされる各登場人物たちの過去は読み応えがある。
長い休載期間を経て無事ハッピーエンドで完結した。


「グレペリ」
たくま朋正・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
父親がラーメン店を経営するために転校することになった少女。
その少女の元に、地球のエネルギー消費を抑えるために宇宙から派遣された生物がやってきて、一緒に暮らすことになる。
対象年齢を少し低めに設定してあるので、ドタバタの展開について行けないことがたまにある。シリアスな部分も子供っぽい感じ。
終わり方は完全な打ち切り仕様で、何の解決もないまま終わっている。
キャラに個性が足りなかったところが敗因か。
絵は描き慣れているので、読みやすい。


「クレヨンしんちゃん」
臼井儀人・全50巻・双葉社(アクション)
★ ★ ★
かなり子供離れした性格の5歳児が中心となって、近所や幼稚園を舞台に暴れるギャグ漫画。
16巻で主人公に妹が生まれ、名前付きのキャラが次第に増えていくのはギャグ漫画らしい部分。
絵はそれほど上手くはないが、それはそれでいい味を出している。
作中には様々なパロディが出てくるので、その辺りも面白い。
作者急逝のためちゃんとした最終回がないまま終了となり、続編がアシスタントたちの手で続けられている。


「CROW」
森清士郎・全3巻・一迅社(REX)
★ ★
いじめられっ子の少年が、ある日不思議な羽を拾ったことで、その持ち主の少女と共に謎の敵と戦うことになる。
序盤はベッタベタな展開が続くものの、1巻の終盤から2巻以降、グッとよくなる。
絵も次第に勢いが出てきて、構図もよくなってくる。
最後まで戦闘シーンの迫力は右肩上がりによくなっていったが、打ち切りとなってしまった。
非常に中途半端なところで終わっている。


「CLOVER」
CLAMP・全4巻・講談社(アミ)
★ ★ ★ ★ ★
退役した軍人の青年は、将軍の依頼で様々な組織に狙われる少女を、少女が望む場所へ運ぶ依頼を受けるが、その道中で様々な妨害を受ける。
描き文字が一切なく、白と黒の画面が巧みに使われていて、画面的には白い部分が多いのに、それが完璧な構図に見える。構図もストーリーも文句なし。
作品中によく登場する歌の歌詞がまたいい。


「グローランサーⅣ」
式部玲・全1巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★
同名タイトルのゲームを漫画化した作品。
連載開始当初からキャラの魅力に乏しく、打ち切りとなった作品なので、例の如く話は全く完結していない。
ゲームの雰囲気などを知りたい人、もしくはゲームのファンなら参考程度にはなると思うが、それ以外の人にとっては辛い内容。
絵は読みにくくはないが、キャラの表情が全体的に硬い。


「黒神」
朴晟佑・全19巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★ ★
人間を超越した力で戦う元神霊。
その元神霊の少女に命を助けられた青年は、元神霊を巡る戦いに巻き込まれていく。
韓国の作家さんが描いているのだが、それを全く気にすることなく読める。
絵に違和感もないし、話の流れもよい。
戦闘シーンには迫力があり、設定も小出しにしてくれるので理解しやすい。
中盤でやや中だるみなところはあったが、最後はきれいに終わってくれた。
読後感もよい。


「黒執事」
枢やな・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
掃除・洗濯・料理、全てをパーフェクトにこなす執事・セバスチャン。
そのセバスチャンが仕える高飛車な英国貴族の少年との物語。
ここまでやってくれれば文句はない、というくらいのスーパー執事っぷりと、その主人である少年とのやり取りが見所の作品。
狙っていることは確かなのだが、それを通り越した域に作品があるため、嫌悪感も何も感じることなく、純粋に作品が楽しめる。
女性向けの作品ではあるが、男性が読んでもある意味楽しめると思われる。
話も常に謎を提示してくれるので、飽きることなく読み続けられる。


「クロスファイア」
藤森ゆゆ缶・全3巻・メディアファクトリー(週刊コナミ)
★ ★ ★
宮部みゆきさんの小説を漫画化した作品。
1巻は原作をほぼ忠実に、2巻は原作を漫画化したものと別の結末を用意したものの2種類が用意されている、という意欲作。
1巻は原作の要所要所を上手く取り出していて、絵も原作の雰囲気がよく出でいて、原作ファンも楽しめる出来。
2巻は、ちょっと原作を端折りすぎていて、原作ファンは不満が残るかもしれない。
アナザーストーリーはそこまで違った世界観ではなかったのがやや残念だった。ガラッと変えてほしかったところだったのだが。


「クロスボーン探偵団」
箱田真紀・全1巻・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★
売れない探偵事務所を開く少女と、その事務所で働く人たちの話。
わりとコメディタッチの話で、作者の別の面が見られる作品。
ストーリーはまずまずといったところ。
いかんせん連載期間が短く、謎が残ったまま終わっているのが残念。


「crock clock」
ネスミチサト・全1巻・マッグガーデン(アヴァルス)
★ ★ ★
人気の時計職人の家のメイドとしてやって来た少女。
少女には大切にしている鳩時計があったが、時計職人はなぜか鳩時計の話を避けようとする。
ほのぼのする恋愛ものの話で、ちょっと長い短編という感じでサクッと読める。
絵はまだ不安定な感じがあるが、話の雰囲気と合っていて癒される感じがする。


「クロックワークガール」
ハラヤヒロ・全1巻・一迅社(REX)
★ ★
事故で亡くなった幼なじみの少女がぜんまい仕掛けのロボットとして復活する。
全編軽い気持ちで読める作品で、ややシリアスな部分もある感じ。
一応話は完結しているものの、ギャグ漫画としてオチが付いているレベルなのできれいに終わっているわけではないので注意。
絵はまだ粗いものの、読みやすい。


「クロニクル」
高河ゆん・既刊1巻(立ち消え)・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
世界人類を滅亡に追い込むウイルスのワクチンになる血液を持った少年たちが、完全なワクチンを作るために、ワクチンが作れる施設に向かう。
作者らしく、最初からいろいろな謎があって物語の中に引き込む力はある。しかしながら、敵の出現が突然だったりするので、その辺りに必然性があるのかどうかで、まだ完全な評価はしかねる。
作者によくある「1巻だけ発売して続編の掲載がないまま次の別連載が始まる」という現象で、この作品はそのまま立ち消えた。


「CHRONOS-DEEP-」
相川有・全3巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★
自分に取りつく白い影に苦しんでいた少年の元に、その影の正体を教えた上で仲間にならないかと誘う2人組が現れる。
少年は悩んだ末、2人についていくことにする。
絵は描き慣れていて読みやすいが、話は至って平凡。
特に個性が強いというわけではないので、絵が気に入れば、という感じ。
最後は打ち切り感が強く、一応完結してはいるが、無理矢理話を詰め込んだ印象。


「群青」
桐原いづみ・全5巻・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★
幼い頃に出会った女子高の駅伝選手に憧れた少女は、その選手が教師を務める学校に入学する。
しかし、そこには駅伝部すらなく、教師も駅伝を毛嫌いしていた。
王道を行くスポーツもので、才能のある女の子が部の立ち上げから部員集めに奔走して大会を目指す、と
いう流れ。
普通に楽しく読める作品だったのだが、部員が集まり切った辺りで打ち切りとなってしまった。
駅伝大会に向けてこれからというところで終わってしまって残念。


「ゲーマーズヘブン!」
村上真紀・既刊4巻(立ち消え)・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
ゲーム大好きな少年の元に、ある日「ゲーマーズヘブン」というゲームのβ版が届く。
少年がそれをプレイしてみると、少年はゲームの世界に入り込んでしまう。
しかも、そのゲームは現実世界とつながっており、ゲームの世界で死ぬと現実世界でもその存在は消えてしまうのだった。
全体的にテンションが高く、テンポよくサクサク読める。
作者の力量が高いので、それほど珍しくない設定でも結構話に引き込まれる。
割と楽しく読めていたものの、連載途中で休載が続いてそのまま立ち消えてとなってしまった。


「携帯寓話」
久米田夏緒・全1巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
携帯電話を使う人たちの、携帯にまつわる読み切りを集めた短編集。
時代を象徴する読み切りだな、と感じる作品が多く、もしかすると数年後はこの作品の中の常識がなくなっているかもしれない。
そう考えると、この本が発売された時代はこんな感じだった、というのを思い出すのに持っていてもいい本だと思う。


「ケーキの切れない非行少年たち」
鈴木マサカズ・講談社(くらげバンチ)
★ ★ ★ ★
少年院に収容されている少年少女はIQが70~80くらいの子が比較的多く、一般の人よりも我慢が効かなかったり思い込みが激しかったりする。そういう少年少女に向き合う精神科医の話。
実話をもとにした作品で、気付きにくいけれどこの世界にはこういう人たちがいる、というのを教えてくれる。人との向き合い方などを改めて考えるきっかけになる作品。


「激」
西川秀明・全1巻・白泉社(ワニマガジン)
★ ★
「義和拳」という拳法を使う青年が、誘拐組織に狙われる女の子のボディーガードをする話。
西川さんの作品だから買ったという代物。
原作付きの話だが、短編なため骨格の強さは感じられない。青年誌に掲載された作品なので、私には少し受け入れにくいところがあった。
西川さんについては、初期の頃と比べてどうも絵が見にくくなってしまった。
西川さんの絵は初期の頃の方が好き。


「激流血」
28ROUND・全3巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★
イジメに遭い、友人と自殺を図るものの1人だけ生き残ってしまった少年。
少年はある日ネットで死んだはずの友人がストリートファイトで戦っている画像を目にする。
友人に再び会うため、少年はストリートファイトの世界で戦い始める。
作者が格闘技を習っているためか、話にある程度のリアリティがあって、引き込まれる。
絵も結構描きこまれているので少々読みにくいが、迫力があってよい。
話としては一応完結しているものの、打ち切りのような終わり方で残念。


「ケダモノの唄」
楠桂・全2巻・少年画報社(ヤングキング)
★ ★ ★ ★
通り魔に襲われて殺された双子の妹の仇を討つため、同じ高校に転校してきた少女。
妹をいじめていたらしき7人組は、死んだ妹の影におびえて少しずつ心を壊し始める。
オカルト要素なしで描かれているので話には割とリアリティがあり、ぐいぐい引き込んでいく力がある。
作者の暗い話が好きなら読んで損はない。
ちなみに、2巻の帯にネタバレがあるので、買うときは注意。


「月光のピアス」
しもがやぴくす&みらい戻・全1巻・集英社(マーガレット)
★ ★
夢に見た場所と同じ場所で、夢と同じようにピアスを見つけた女の子が、窓から飛び込んだサッカーボールのせいで、ピアスが耳に刺さり、はずせなくなってしまう。
しかも、そのピアスは呪われていた。
藤本ひとみさん原作の小説を漫画化したもの。
小説1冊分を漫画1冊にしたために展開が早く、都合のいい展開が続く。
原作も知っているが、原作は漫画ほど都合よくはなかった。
絵は小説の挿し絵と同じ人が描いているので違和感もなく、見やすい。


「GET!」
東まゆみ・全1巻・エニックス(ガンガン)
★ ★
サッカー選手になってワールドカップに出ることが夢だった少女の夢を継いで、中学からサッカーを始めた男の子の話。
サッカーをメインにした話にしては試合の風景が少なく、見る角度が違ってまたよいのだが、絵柄はどう見ても小学生、中学生のものではない。
等身が長すぎる。
ストーリーを変えて、舞台を高校に変えた方がよかった。
絵がきれいなだけに、どうしてもギャップを感じてしまった。


「GetBackers」
綾峰欄人・全39巻・講談社(マガジン)
★ ★
奪われたものを奪い返す「奪還屋」を生業とする少年たちの物語。
ストーリーが全て丸く収まるようにしていないところはいいが、超能力を無理矢理科学的に説明しようとしているところには引っ掛かりを感じる。超能力なら超能力と割り切ってもらった方がよかった。
10巻くらいまではまあまあの出来だったが、それ以降は話を引っ張りすぎていてかなり微妙だった。
一応謎解きを終えて完結したが、もっと短くまとめてほしかった。


「Gemeinschaft」
佐伯弥四郎・全5巻・スタジオDNA(ゼロサム)
★ ★
モンスターや吸血鬼退治を生業とする破天荒な神父たちの話。
主役・脇役、とにかくキャラが濃く、テンポがいいのだが、絵が全体的に不安定で読みにくい。
読みにくいせいでテンポを壊していたり、話が頭に入らなかったりする部分もあるのが残念。
面白いときとそうでないときの差が激しく、最後もマンネリ化していたところを打ち切られた感じ。
せめてきれいにまとめてほしかった。


「幻影博覧會」
冬目景・全4巻・幻冬舎(コミックバーズ)
★ ★ ★
探偵を生業としている青年は、あるとき女の子の助手を雇う。
女の子は非常に有能ではあったが、素性が一切わからない謎多き人物だった。
その2人が様々な事件を解決して行く。
絵の雰囲気が大正時代の雰囲気をよく出していて引き込まれる。
話はわりとオーソドックスなので起伏には乏しいが、それなりに楽しめる。
謎が謎のまま終わってしまった感じもあるが、最後まで雰囲気は良かった。


「元気やでっ」
山本純二・全1巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
中学で起こったいじめを、事実を元に漫画化した作品。日常の何でもないことからいじめに発展していく様子がよく描かれている。
ラストもハッピーエンドには違いないが、学校の対応の仕方などまだまだ問題が残っているので、いい意味で考えさせられる。
ジャンプで短期連載されたものだが、ジャンプとしては異色作品。絵も見やすくていい。
ただ、いじめられた女の子には親友がいたのでよかったが、そうでなかった場合の実例が多いのが現状だと思うので、事実を元にしたものでもその点は少し考慮して欲しかった。


「賢者の長き不在」
藤野もやむ・全8巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★
様々な精霊と契約をすることで王になる試練を受けている少年。
その少年と出会った数人の少年・少女の物語。
世界観が若干抽象的で、世界観に入りにくく、物語が淡々と進むので話になかなか引き込まれない。
何度か読み返すと話は理解できるし、それなりに印象的なシーンもあるのだが、作品としては中途半端な感じがした。
キャラもさほど立っていなかったし、特に盛り上がることもなく終わってしまった印象。


「幻想世界魔法烈伝WIZバスター」
てんま乱丸・全3巻・エニックス(ガンガン)
★ ★
世界が機械文明によって支配されようとしている中で、それを阻止しようと父の形見を受け継いで旅に出る少年とその仲間の物語。
原作付きだが、少しありがちな設定なので読者を引き込む力がそれほど感じられない。
最初からかなりの登場人物がいるので、覚えにくいのも欠点。
同じキャラを描くときも髪がベタだったりトーンだったりするのでわかりにくい。
また、序章であろう「旅立ち編」がやたらと長いのも気にかかる。
話はとんでもないところで切れており、他誌で続編が掲載されたりもしたが、全て中途半端に終わってしまっている。


「幻想大陸」
夜麻みゆき・全2巻・エニックス(ギャグ王)
★ ★ ★
邪神竜が復活して魔物が狂暴化した世界を旅する魔物と仲良くできる少年・魔物を憎んでいる少年・女好きな少年、の合計3人の物語。
この作品と「レヴァリアース」(ラ行参照)は大きく横の世界でつながっており、更に続編の「刻(とき)の大地」(タ行参照)がある。
ラストは「これで終わり?」と思わせるほどあっけないもので、「刻の大地」と主人公が共通なので、「刻の大地」の番外編的な位置付けと考えた方がいい。
絵柄は手が多少変な形に見えるときもあるが、やわらかくて幻想的なので好感が持てる。
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