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打ち切りのない漫画雑誌 [エッセイ]

連載作品が掲載されている雑誌に付き物なのが「打ち切り」。
作者の体調不良などでやむを得ず打ち切りになってしまう作品もありますが、今回の話はそんな場合を除いた、作者が続きを描ける状態なのに人気が出なくて打ち切られている作品についての「打ち切り」の話です。

打ち切りシステムが1番はっきりしている漫画雑誌と言えば、真っ先に思いつくのが週刊少年ジャンプ。
アンケート至上主義とも言われますが、どんなに長い連載でも(一部除く)、話がどんなに中途半端でも、人気がなければ即終了。
「BAKUMAN」によれば、人気というのはアンケートで20作品中12~13位以内くらい、コミックスの発行部数が50万部以上というのが指針らしいですが、このラインを割ると雑誌でも明らかに掲載位置が後ろに来るとか、カラーがないとか、結構あからさまな感じになります。
これは他の漫画雑誌でも割とよくあることで、人気がなければ打ち切られる、というのは半ば常識のようなものでした。

しかし、これに当てはまらない漫画雑誌というのも存在しました。
有名なところだと、コミックバンチの初期、私が読んでいた雑誌だとブレイドの初期が打ち切りのない漫画雑誌でした。
極論すると、読者よりも作者の方を大切にする雑誌とでもいうのでしょうか、作者が納得するまで続けていい、人気がなくてもすぐには打ち切らないで様子を見る、そんな方針でした。
それが結局どうなったのかというと、その方針は長くは続きませんでした。
ブレイドの方がより長く打ち切りをしない方針を続けていましたが、その当時のブレイドを思い返すと、全体的にぬるま湯だったな、という印象です。
いつ終わるかわからないような緊張感がなかったな、と。
打ち切りがないというのは、中途半端に終わる作品がないということで読者にも優しかったですが、特に面白くもない作品を延々と読み続けさせられるという部分もありました。
ブレイドは打ち切りをしなかったという以外にも、アニメ化作品を無駄に連発したり、特に話題にもならなかったメディアミックス作品の連載が妙に増えたり、鳴り物入りで連載が始まった作品が次々と休載になったり別人が描いたり、といろいろと問題があった末に打ち切り作品を出すようになりましたが、たとえそういう騒動がなくても初期の方針はずっと続けられなかっただろうな、と今では思います。

全ての読者がそうだというわけではないですが、結局は、

最後まで作品を読みたい思い<<<<面白くない作品が延々と掲載され続ける苦痛

ということだったのではないかな、と思います。
人気作品であっても自分に合わない作品だったら読むのが苦痛になり、人気がなくても自分に合う作品だったらずっと続いてほしいと思いますが、作品の数からいったら、

人気があり、自分に合わない作品>人気がなく、自分に合う作品

となるのは必然で、いくら自分に合う作品を応援し続けても、その作品を応援する数が圧倒的に少なければ商品として市場ではあまり必要とされないわけで。
雑誌の売り上げそのものが下がり続けている中、ジャンプが他の雑誌に比べてそこまで部数を下げずにいられるのは、徹底して人気主義でやっているからなのだろうな、と感じます。
打ち切り作品を出さない方針というのは理想論でしかなかったのだな、と実感しました。
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