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ア行-4 [コミックスレビュー]

「タイトル」
作者・既刊数・出版社(掲載誌)


「海が走るエンドロール」
たらちねジョン・秋田書店(ボニータ)
★ ★ ★ ★
夫に先立たれた65歳の女性が、たまたま入った映画館で知り合った美大生から、映画を見るのではなく撮りたいのではないか、と言われ、美大に入学して映像を学んでいく話。
65歳からでもやってみようと思えばまだやりたいことが出来るんだよ、というのを教えてくれる作品。
読んでいると何かに踏み出す勇気が与えられるような気がしてくるところが素晴らしい。
映画を撮ろうと決意するときに出てくる海のシーンが印象的でいい。


「うみねこのなく頃に Episode1」
夏海ケイ・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンパワード)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
話の進むテンポはなかなかよく、シリーズ定番の残酷描写も結構描けている。
絵の癖は気になるレベルではなく、ゲームファンも安心して読める。
きっちり裏お茶会まで漫画化してあるのがうれしいところ。


「うみねこのなく頃に Episode2」
鈴木次郎・全5巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
全体的にいい意味でオーバーアクションなキャラの表情に惹かれる。
構図もかなり良いし、原作エピソードをじっくりなぞっている感じもいい。
原作を知っているなら確実に買っておいて損はない。
序盤から中盤にかけてやや長くなっている印象もあるが、一気に読めるのでそこまで気にはならない。


「うみねこのなく頃に Episode3」
夏海ケイ・全5巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
作画はEpisode1と同じで、Episode1同様かなり上手く描かれている。
安心して読める良作。
終わり方もEpisode4に上手く繋がる形でなかなかよい。


「うみねこのなく頃に Episode4」
宗一郎・全6巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
作画が新人であることでちょっと敬遠してしまいそうな雰囲気もあるが、ふたを開けてみると、ファンにも納得の作画となっている。
巻数が進む毎に画力も上がっている。
シリーズを買い続けているなら買って間違いはない。


「うみねこのなく頃に 散 Episode5」
秋タカ・全6巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。ここから解答編。
話の構成に関しては他のシリーズと遜色ないが、作画に関しては他の作品より劣る。
大ゴマの作画はよいが、小さいコマや細かいところの作画が荒い。
これは最後まで続いてしまい、画力の成長が見られなかったのが残念。
他のシリーズ作品と同レベルの作画であれば文句はなかったのだが。


「うみねこのなく頃に 散 Episode6」
桃山ひなせ・全6巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
作画は「ひぐらしのなく頃に 解 皆殺し編」を担当した方なので、最初から画力が高く、安心して読める。
ヱリカなどのキャラの立て方もよい。
中盤以降はちょっと話の進むペースが遅くなった感じで残念。
終盤はゲームでは表現しきれないキャラの表情などが上手く描かれていて、漫画化する意味が感じられたのが良かった。


「うみねこのなく頃に 散 Episode7」
水野英多・全9巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
作画は「スパイラル」の作画を担当していた方で、絵の上手さは保証付き。
話は今までの謎解きがメインになっているせいか、1巻分のページ数がかなり多い。
各エピソードの殺人に関する犯人がゲームよりもはっきりと描かれているので、登場人物の遠回しな言い方を考察しなくても大丈夫なのはありがたいところ。
シリーズを通して読んでいる人は確実に読んでおいたほうがいい。


「うみねこのなく頃に 散 Episode8」
夏海ケイ・全9巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
作画はEp1、Ep3を担当した夏海ケイさんということで、安定の仕上がり。
原作で明かされなかった謎解きがかなり入っている上、上手く話が再構築されているので、原作をプレイしてモヤモヤした人は読んでみることをお勧めする。
原作はシリーズ最終作といってもエピローグという感じが強かったが、こちらは最終作に相応しい謎解き多めの話なので、これこそ最終作に相応しいと感じられる。
これさえ読めば、原作の謎解きは全てわかると言っても過言ではない。


「うみねこのなく頃に 翼」
伊東フミ・全3巻・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの同人ソフトを漫画化した作品。
うみねこシリーズの番外編的短編を漫画化しており、登場人物たちはEp6辺りまで関わってきているので、少なくともそこまでのゲームもしくは漫画を読んでおかないと話がわからなくなる。
ただ、短編を忠実に上手く漫画化しているので、シリーズを知っている人なら間違いなく楽しめる。


「海のような空の色」
夢路行・全1巻・秋田書店(きららセーズ)
★ ★ ★
カラスに襲われたところを見ず知らずの青年に助けられた少女。
少女はわずかな手掛かりを頼りに、その青年を捜し始める。
作者らしい、全体的にやわらかい雰囲気が漂う作品。
話はオーソドックスだが、読むと癒される。
作者のファンなら買って損はしない。


「海辺の季節」
夢路行・全1館・秋田書店(エレガンスイブ)
★ ★
流されるままの不倫から逃げるために会社を辞め、田舎に帰って来た彩音。
彼女はその街でちょっと不思議な人たちと出会い、少しずつ心を癒していく。
5作の連作短編で、話の雰囲気はいいのだが、全ての話において不思議な人たちが誰なのか?、というのがわかりやす過ぎて、後半になるに連れあまり驚けなくなってくる。
1人くらい普通の人が混ざっていてもよかったように思う。


「裏世界ピクニック」
水野英多・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
廃墟探索が趣味の女子大生が偶然現実世界とは別の次元・裏世界を発見し、探索するようになる。そこで死にかけたときに助けてくれた同じ大学の女子生徒と共に、2人は裏世界を探索していく。
裏世界では様々な都市伝説をベースにした異形の生物が登場してくるので、都市伝説好きの人なら楽しめる。
非常に上手く作画されているので、裏世界の雰囲気が良く伝わってくるのもいい。


「うりポッ」
有馬啓太郎・全2巻・マッグガーデン(マサムネ)
★ ★ ★
パパが大好きな女の子は、実は宇宙人でパパと血が繋がっていないことを知ってしまう。
おまけに、大人に変身できる力があると知ってパパに告白しようとする。
設定が設定だけにものすごく狙った作りではあるが、作者にそれなりの力があるので、わりと面白く読める。
それでも平凡な作品なので、インパクトは弱い。


「#000000(ウルトラブラック)」
如月芳規・全7巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
施設育ちの少年をずっと支援してくれた謎の人物が、里親となり少年を引き取ってくれることとなった。
胸躍らせて里親の元へ行くと、そこは特殊能力を持った人たちで営む何やら怪しい会社があった。
良くも悪くも普通の作品。
絵が安定しているので、読むとそこそこ面白く読める。
特に後半の謎解きに入ってからの吸引力はかなりのものがあった。
ただ、謎解きは終わっているものの、そこまできれいに終わっていないので、読後感があまりよくない。
惜しい作品だった。


「ウロボロスの指輪」
川添真理子・全1巻・新書館(WINGS)
★ ★ ★
持つ者のあらゆる願いを叶えるというウロボロスの指輪。それを持った青年が少年の前に突如現れ、友人を人質にとってウロボロスの指輪と対になるシャミルの宝石を取ってくるように命令する。
タイトル作の他に2本の短編が収録されている。
タイトル作品は序盤にかなりの強引な展開が目立ち、あまり評価はできないのだが、他の短編がなかなかの出来なので評価を上げた。
作者の初期作品なので絵は若干不安定だが、読みにくくはない。


「ウロボロスの輪」
有栖川るい・全1巻・集英社(EYES)
★ ★ ★
飛級制度が確立された日本で、成人前に博士課程を修めた子供たちを集めた学校に通っていた4人の少年・少女たちが突如異世界に飛ばされてしまう。
序盤の展開が唐突でストーリーについていくのが大変だったのだが、タイトルにもなっている「ウロボロスの輪」が上手く物語りに活かされていて、終盤になるほど楽しめた。
ただ、それでもわかりにくい部分があるのでこの評価。
絵はすっきりとして見やすい。


「噂屋」
蓮見ナツメ・全14巻・一迅社(WARD)
★ ★ ★
様々な噂を広めることを生業としている噂屋。
その依頼をこなしつつ、噂に潜む謎を解明していく話。
ペルソナ2っぽいなぁ、とまず最初に感じたが、基本設定が被っているだけで、そこそこ読める作品。
ただ、原作が「私はすごい話を書いている」という上から目線の雰囲気を持っているのと、狂ったデッサンの目立つ絵が気になる。
登場キャラたちはそれぞれ特殊能力を持っているが、コスプレが得意な主人公は体形を縮めて子供にも化けられるなど、その設定ちょっと無理があるのでは?、というのも気になる。
それが気にならなければ、まずまずの作品なのだが。


「うわの空チュートリアル」
みずしな孝之・全4巻・竹書房(まんがライフ)
★ ★ ★
劇団「うわの空」に入団した作者のエッセイ漫画。
少なくとも、「うわの空」という劇団を1回でも見たことのある人とそうでない人とでは感じ方が大きく変わってくる。
実際に本人と登場人物たちの見た目はよく似ていて、キャラもそのままに感じられるので、劇団の裏を知りたい人にはお勧め。
これから舞台を見に行きたいと思っている人に対する入門書と考えてもいいかもしれない。
劇団に興味がある人なら。


「ASB-封魔九星伝-」
小杉繭・全5巻・スタジオDNA(ゼロサム)
★ ★ ★
あるものを封じるために作られた街で、その封印を守るために存在する中央高校生徒会。
その生徒会のメンバーたちが封印を破ろうとする幽霊たちや組織と戦う物語。
話としては王道なので、絵が気に入れば買ってもいい、というレベル。すっきりとして読みやすい絵なので、話は頭に入りやすい。
最後はきっちり終わってくれたのだが、中盤以降主人公の影が薄く、脇役たちの方がメインになってしまったのが残念。
もっと主人公が中心の話であればよかったのだが。


「A・D-天使の嘘-」
あき・既刊2巻(打ち切り)・リブレ出版(クロフネZERO)
★ ★
型破りな貴族として悪名高い少年と、それにつき従う2人の従者。
彼らは各地を旅しながら、様々な事件に出合う。
全体的にキャラは立っていると感じるものの、作者の別作品と比べるとちょっと見劣りしてしまって、いまひとつ世界に入れなかった。
全体的に明るい話のせいだからかもしれない。


「栄光の手」
上田信舟・全2巻・角川書店(ミステリーDX)
★ ★
ある日左手が切り落とされる夢を見て目を覚ました少年は、その日から何者かに襲われるようになり、夢の中で彼の手を切り落とした人物とも出会った。
謎解きにはちょっとしたひっかけもあり、全編通じてそれなりに読ませてはくれた。しかし、これからまだ続いて行くような終わり方であったのがよくなかった。
絵は暗い雰囲気があって、物語と合っていてよかった。


「EIGHTH」
河内和泉・全16巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
主に遺伝子工学を扱う巨大研究所のセキュリティガードとして働く少年。
若いながらも腕のいい少年のもとには、日々無理難題が押しつけられ、少年は休む暇もなかった。
非常にテンポのいい作品で、登場人物同士の掛け合いが楽しい。
ギャグとシリアスのバランスもよく、吸引力もかなりのもの。
遺伝子工学についてもよく調べてあるようで、設定もしっかりしていて安心して読める。
1人だけ特殊能力者が出てくるが、それ以外は科学知識にしっかり基づいていると感じられるので、特殊能力者が異質に感じられないのはいいと思う。


「18エイティーン」
ヨシノサツキ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
父親が様々な仕事に手を出しては辞めていくことを繰り返しているため、数限りない転校を繰り返した少年とその妹は、少年が18歳になったとき、とある田舎町にやって来る。
誰とも深い交流をするつもりのない少年だったが、転校先の高校にはやたらと絡んでくる金髪の少年がいた。
父親とクラスメイトに振り回されて気苦労が絶えない主人公を見て楽しむ作品。
話としてもっと続いてもおかしくなかったが、割と短期にキリの良いところで終わってしまった。
明確な結末がないので、読み終わると少しモヤモヤする。


「英雄のススメ」
宮条カルナ・全2巻・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★
パルスという謎のバクテリアが発生し、物に取り付いて人を襲うようになった世界。
その世界でパルスと戦う人々の物語。
主人公が組織の中でも閑職にいるところはお約束だが、脇役が結構しっかりしているのがあって面白く読める。
謎解きを終えて連載終了したが、これから、というところで終わってしまい、残念。
全5巻くらいの余裕があれば評価がもう1つ上がったと思える。


「エクソダスギルティー」
佐伯弥四郎・全1巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★
PSソフト「エクソダスギルティー」を漫画化した作品。
ストーリー的に密度の濃いゲームを1冊にまとめてあるので、展開は非常に早く、途中で消えてしまっている伏線もある。
また、ゲームをやっていなければストーリーを理解できないところも多い。
ただ、ゲームよりは救いのある終わり方になっているところは評価出来る。
絵はまだまだ未熟で見にくいところもあるが、所々にあるギャグのセンスはいいものがあると思える。


「E’S」
結賀さとる・全16巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
近未来の地球で特殊能力者E’Sが淘汰されている時代。
少年は特殊能力者養成施設で働いていたが、とある事故で施設の外で暮らし始める。
外の世界で暮らし始めた少年は、次第に様々な陰謀に巻き込まれていく。
序盤はかなりいい勢いで話が進んでいたが、次第に尻すぼみになってしまった印象。
終わり方も問題山積みで終わっていて、話として終わっているものの、微妙だった。
絵はものすごくきれいなのだが……


「SP 警視庁警備部警護課第四係」
灰原薬・全7巻・小学館(ビックコミックスピリッツ)
★ ★ ★ ★
要人警護を任務とするSPを描いた物語。ドラマが原作。
ドラマ原作だと、そのネームバリューだけと思いがちだが、この作品はよくできている。
オリジナルのエピソードも、ドラマを元にした話も原作の雰囲気を壊していないし、アクションシーンや心理描写など、かなり上手く描けている。
ドラマを知らなくても読めるので、ドラマを知っている人にも知らない人にもお勧め。
ついでに、女性もかなり色っぽくていい。
最後も映画・革命篇の最後まで描き切っていて、中途半端さもない。


「エスプリト」
筒井大志・全8巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
閉ざされた島で暮らしていた少女は、偶然そこを訪れた航務員(未開拓の地を探す人たち)の少女と共に島を出て自らも航務員になる決意をする。
話の進むテンポはよく、読み始めると一気に読み進められる。
ただ、絵が若干不安定で読み難い部分もあり、設定もありきたりの範囲を出るものではないので、印象には残りにくい。
最後は若干急ぎ足というかまとめ切れなかった感じもあったが、大団円で終わっている。


「エスペリダスオード」
堤抄子・既刊5巻(打ち切り)・一迅社(REX)
★ ★ ★
20年前に5人の勇者たちが魔族との戦いに勝利し、平和が訪れた世界。
戦いの終わりと共に封じられた1本の剣が奪われたことにより、世界は再び魔族と人とが争い始める。
「聖戦記エルナサーガ」(サ行参照)の作者が贈る新たな西洋ファンタジー、という売り文句で始まったこの作品。
設定そのものはありがちでも、その見せ方がうまく、世界に入り込める。
キャラが揃うまでは少々平凡でもどかしいが、そこからが面白くなりつつあったのだが……中途半端なところで第一部完となり、以降続編はない。


「X」
CLAMP・既刊18巻(続編未定)・角川書店(あすか)
★ ★ ★ ★
神威を中心に地球の運命をかけた天の竜7人と地の竜7人の戦いの物語。
1996年夏には映画が、2001年にはアニメ化もされたが、漫画は完結していない。
CLAMPさんの作品だけあって、話の筋、伏線などしっかりしており、「東京BABYLON」「CLAMP学園探偵団」のキャラが出るなどスターシステムも一部採用されている。
もこなあぱぱさん作画で絵もきれい。
非現実的な話ではあるが、死んだ人が生き返るといったことがないことはいい。
天の竜と地の竜がそれぞれ7人揃った辺りで話が止まっており、既刊数が多いだけに結末まで描いてほしかった。


「enigma」
榊健滋・全7巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
突然眠気に襲われ、自動で描かれた夢日記により未来を予知することができる力を持つ高校生・スミオ。
スミオを含む特殊能力を持つ7人は、ある日高校の校舎に閉じ込められ、3日以内にパスワードを入手して脱出するゲームに強制参加させられる。
1つ目のエピソードは面白く読めたのだが、以降は次第に尻すぼみになっていった印象。
1巻の辺りは話に吸引力もあって面白かったのだが……


「1/Nのゆらぎ」
土塚理弘・全1巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
ショート&オムニバスのギャグを集めた短編集。
大笑いできる話はないが、センスを感じる話が多い。
作者の感性と合うなら買って損はしない。
作者の投稿作も収録されているため、全体的に絵のレベルは低め。


「Evangel」
雛木ひなた・全1巻・スクウェアエニックス(ステンシル)
★ ★
天使と悪魔の両方の力を持つ天使と、その天使に付きまとう悪魔が一人暮らしの女子高生の家に居候することになる。
設定と話の展開は典型的なものが多く、これといった特徴がない。
少女漫画としてはよくあるタイプ。
絵はすっきりしていて読みやすい。


「エビアンワンダー」
おがきちか・全2巻・少年画報社(アワーズライト)
★ ★ ★
悪魔と契約し、地獄のエネルギーとなる悪の魂を狩る「銀符」である少女とその弟の物語。
設定もストーリーも王道的な話で、終わり方も結論のある終わり方ではない。
話の雰囲気を楽しむだけならいいが、何かしらの結論を求めるのであれば肌に合わないかもしれない。
1話1話、目立って面白いものはないが、それなりに読める。


「エビアンワンダー REACT」
おがきちか・全2巻・スタジオDNA(WARD)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編。あらすじが書いてあるものの、読むなら前作を知っていることが前提。
話の雰囲気はそのままで、より深いテーマを扱うようになっているので、わりと読み応えがある。
前作からの伏線を回収して、最後はきれいに終わっている。
ラストシーンは一見の価値あり。


「える・えるシスター」
邪武丸・全5巻・一迅社(REX)
★ ★ ★
大好きな姉と同じ高校に入学したふたばだったが、2年ぶりに再会した姉の態度はなぜかそっけない。
しかし、それは深ーい愛情の裏返しだった。
一見百合ものに近い設定ではあるが、わりとライトな雰囲気でキャラにも個性があるので、あまり抵抗なく読める。
ただ、最後の方は結構百合ものとしてはっちゃけているので、その辺りは注意が必要。
話はテンポが良くてサクサク読める。
終わり方は割とハッピーエンドでよかった。


「EREMENTAR GERAD」
東まゆみ・全17巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
空賊の少年が偶然見つけた、主と契約することで体を武器にすることができる少女。
少年はその少女と契約し、少女を故郷まで連れていく約束をする。
作者のオリジナル作品にはあまり期待していなかったのだが、実際読んでみるとそこそこ面白い。
しかし、ありがちな展開が多く、そこまで話に意外性はない。
また、17巻続いたものの最後は主人公とヒロイン2人の話が完結しただけで、回収されていない伏線は山盛りある。
読むなら全シリーズ追いかけるつもりで。
絵はきれい。


「EREMENTAR GERAD 蒼空の戦旗」
東まゆみ・既刊8巻(続編未定)・マッグガーデン(マサムネ)
★ ★ ★
上記作品と設定が同じで違う国の話。
国を滅ぼされた王女が、国を復興するために旅に出る。
展開は上記作品と同様にありきたりの範囲を出ない。
ただし、読んでいて引き込まれる部分はあり、王道な少女漫画的展開が多いが、これはこれで楽しめる。
絵も読みやすい。
作者の病気治療のため連載が中断している。


「ENGAGE」
柊あおい・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★ ★
「星の瞳のシルエット」の続編。
大学生になった香澄に1人の男が恋をして、その男の視点で話が進む。
本編を知っているからこそ価値のある作品。
本編を知らないと、なぜ香澄が遠距離恋愛の彼氏のことを強く想っているのかがわかりにくい。


「ANGELIC LAYER」
CLAMP・全5巻・角川書店(少年エース)
★ ★
自分の意のままに動かせるオリジナルキャラを作って実際に対戦させる「ANGELIC LAYER」のとりこになった少女が、自分のキャラを使って「ANGELIC LAYER」で戦っていくお話。
CLAMPさん初の少年マンガだが、少年マンガらしくするためなのかどうか、絵が非常に雑に見える。細かいところまで描き込んでいる絵が好きだったので、この絵柄だと好きになれない。
ストーリーはCLAMPさんの独自の世界ではなく、広く一般受けしそうなことを描いている感じがして、アニメ化やキャラの商品化ををあからさまに狙っているように見えて残念。
終わり方も1つの大会が終わったところで終了していて、中途半端に見えた。


「Angel Dust」
喜名朝飛・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンWING)
★ ★
トレジャーハンターの男女はある遺跡で謎の記憶喪失の少年と出会う。
序盤はかなりありきたりな展開で、最後はかなり駆け足な打ち切り展開ではあったが、一応キッチリ伏線が張られていてその消化もしていたので、評価は最低までは落とさなかった。
もう少し個性の見える作品だったら。


「天使(えんじぇる)にお願い」
あいざわ遥・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★
まだ恋をしたことのなかった高校生小説家の女の子が、他の男の子とは少し態度の違う男の子に恋をして、その男の子をモデルに小説を書く話。
スランプの様子などは漫画家の締め切り同様、使い古された感じがしてしまった。
また、高校生で小説の連載を持つのは物質的に不可能のような気がしていまひとつ。
主人公が小説家ではないと、ごくありきたりの少女漫画のような気がするので、評価は低い。


「エンゼルのお仕事」
大橋薫・全1巻・朝日ソノラマ(ネムキ)
★ ★
少し不思議な世界で保険の調査員をしている青年の物語。
表題作の他にもいろいろと短編が収録されているが、数が多いだけでどれもいまひとつの出来。
悪くはないが、特によくもない。
作者のファンなら買ってもいいとは思うが。


「機工魔術師(エンチャンター)」
河内和泉・全19巻・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★ ★
元人間で一級悪魔となり、魔力を付加した様々な道具を作ったフルカネルリ。
そのフルカネルリの死後、フルカネルリとよく似た匂いを持つ少年のもとにかつてフルカネルリと行動を共にしていた悪魔(女)がやってきて、少年の体にフルカネルリの魂を入れるように迫る。
ファンタジーとお色気の中間にあるような作品だったが、中盤のメルクーリオ編からシリアス傾向になり、ここから一気に良くなった。
後半になるほどいい感じに引き込まれる。
絵はすっきりしていて読みやすい。


「エンバーミング」
和月伸宏・全10巻・集英社(ジャンプSQ)
★ ★ ★ ★
体中つぎはぎだらけの男に両親を殺された2人の少年。
2人は復讐を誓い、5年後それは果たされるが、別の運命が2人を待ち受けていた。
話がしっかりしていてキャラも立っているので、非常に読みやすい作品。
ジャンプ掲載時代よりも対象年齢が若干上がった感じがあるが、それがよい方向に働いている。
ただ、ストーリー以外の作画環境の暴露話やネタバレ満載の人物紹介は最後にまとめて読むかあえて読まないほうがよいかもしれない。
話は割ときれいに終わっていた。
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ア行-2 [コミックスレビュー]

「タイトル」
作者・既刊数・出版社(掲載誌)


「アストロベリー」
金田一蓮十郎・既刊2巻(打ち切り)・スクウェアエニックス(ガンガンパワード)
★ ★
新しい商売を探して地球にやってきた宇宙人の青年は、1人の少女の性格を2人のクローンにコピーした。
しかし、そのクローンの性格は少女の性格とはかけ離れたものになり、青年はその謎を解くために少女に近付く。
作者曰く、作品としてはラブコメらしいが、実際読んでみてもそんな感じはしない。そのため、ギャグは弱く、恋愛面は中途半端なので、微妙な作品になってしまった感じがする。
もっとギャグに走ってほしかった。
掲載誌が片っ端から休刊になり、6誌移り変わるという憂き目を見た作品でもある。


「Azrael’s EDGE」
遊行寺たま・全1巻・一迅社(WARD)
★ ★ ★
用心棒などの依頼を受けながら各地を旅する2人の騎士。
その騎士たちが出合った事件が描かれている。
読み切りからシリーズ連載に昇格した作品なのだが、とんでもなくキリが悪いところで話が終わっており、それまでのなかなかの出来の読み切りが価値をなくしているのがちょっと辛い。
最終話以外は意外性もあって、よい出来。
続編が出れば話は別なのだが……


「あたしの王子様」
咲良あさみ・全2巻・エニックス(ステンシル)
★ ★
幼い頃のトラウマで男性恐怖症になってしまった少女。
その少女が唯一恐くないと感じた男性が少女の前に現れるが、その男性は実の兄だった。
軽い近親相姦ものから始まり、いじめていた幼なじみの登場、その幼なじみにそっくりで少女のことが好きな少年、などなど展開はとにかくベッタベタ。
王道な少女漫画が好きな人ならいいが、そうでない人は拒否感すら感じるかもしれない。
終わり方も典型的なハッピーエンド。
中盤以降、兄の存在が希薄になってしまったのは残念。
絵はわりと読みやすい。


「アダ戦記」
堤抄子・全5巻・スタジオDNA(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
星の位置によって人の運命を決め、政治を行う国で、最凶の星回りの日に生まれた青年アダ。
アダはずっと城の地下牢に幽閉されていたが、ある日その国の姫の手によって逃がされる。
そのアダは月の精霊と出会い、この国の王になる人だと言われる。
作者の得意分野がよく表現されている作品で、キャラ立てがよく、人の生き様が丁寧に描かれている。
わりと世界観もしっかりしていて、きれいに完結している。ただし、話としては結構観念的なことが描いてあるので、ややわかりにくい部分もある。
絵は王道的なファンタジー路線で読みやすい。
作者のファンなら買って損はしない。


「あっけら貫刃帖」
小林ゆき・全2巻・集英社(ジャンプ)
★ ★
江戸時代、横行する辻斬りの原因となっている妖魔を倒すために戦う青年の物語。
スートーリー、絵共に好きな作品だったのだが、人気低迷であえなく中途半端に打ち切りにされてしまった作品。
読み切りバージョンのように早めに変身シーンが出てきていればもう少し続いたかもしれない、と思えて残念。


「あの夏のイヴ」
如月命・全3巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)

古い言い伝えや掟が存在する田舎の村で凄惨な事件が起こる。村では野犬の仕業だと処理されるが、それを不審に思う主人公たちが独自に事件を調べ始める。
一言で言えば「ひぐらしのなく頃に」の劣化版。
序盤の事件発生時は引き込まれる展開だったが、最終的な謎解きが結構酷い。超能力で殺人をしましたというレベルで、到底納得できるものではなかった。
最後はいい意味でのバッドエンドだったが……


「あにふぁみ!」
南京ぐれ子・全2巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★
神父である父が退治し損ねた吸血鬼にかまれた青年は体が幼児化してしまい、ペットの鶏・犬・猫たちもまた吸血鬼にかまれ、人間化してしまう。
作者得意のドタバタコメディで、話そのものはテンポよく読める。
反面、そこしかいいところがなく、話は平凡で声に出して笑えるところがないのがちょっと辛い。あと一歩、足りない。
そして、人気がなかったのか、あっさり打ち切りに。
やはり、平凡すぎたか。


「アニマ・カルリブス」
朴晟佑・全4巻・集英社(ウルトラジャンプ)
★ ★
魂を宿した刀・アニカルを使って52名が戦う舞刀会。
偶然アニカルを手に入れた少女は、否応なく戦いに巻き込まれていく。
設定はどこかで見たことあるな……というものを寄せ集めた印象で、あまり個性は感じられない。
絵の力である程度見せてくれる部分はあるものの、吸引力には乏しい。
「黒神」(カ行参照)を期待すると裏切られるかも。
最後はそれなりにまとまってはいたが、打ち切りのような感じもある。


「アニメ店長B’店長候補生」
真崎はるか・全4巻・スタジオDNA(ゼロサム)
★ ★
アニメショップの店長に半ば拉致される形で連れてこられ、そこでバイトをすることになった4人の少年たち
おかしな客たちに翻弄されながら、4人は店長になるべくバイトを続ける。
アニメイトに行ったことのある人なら、わりと頷けるエピソードがあって楽しめる。
行ったことのない人だと内容についていけない部分もあるのだが、後半になるほどそういったエピソードがなくなってしまって残念。
最後はあまりキリがよくなく、マンネリ化していたところを無理矢理終わらせた感じ。


「アニメの時間」
青井とと・全2巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
アニメーターを目指し、専門学校に入学した人たちの物語。
どうやって動画を描くか?、というアニメーターのメインの仕事を軸に、背景や人物デッサンなど、専門学校の授業を追っていく形で話が進むので、詳しく知らない人からするとなかなか面白く読める。
巷で言われているような、給与や休日などの待遇面が非常に悪いという話は抜きにして、純粋にアニメーターとはどんな仕事か?、専門学校では何を学ぶのか?、というのがわかる。
アニメ制作などに少しでも興味がある人なら、楽しめる内容。
話としてもっと続いてもよかったが、切りのいいところで終わっているので、読後感は悪くない。


「あねどきっ」
河下水希・全3巻・集英社(ジャンプ)
★ ★
父親が突如出張して一人暮らしをすることになった少年の家に、偶然道で知り合った年上の女子高生が転がり込んできて一緒に生活することになる。
とにかくパンチラ・ブラチラ・オンパレードの作品で、それを見せるための強引な展開についてある程度目をつむる必要がある。
絵はきれいなので、本当にエロ目的のための作品としてなら、買う方向で。
話は全3巻と短く打ち切り仕様だが、一応週刊連載の割にキッチリ完結しているのが救い。


「あの日見た桜」
藤野もやむ・全1巻・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★ ★
平安時代末期、源頼朝の娘・大姫と人質としてその夫となった木曾義高の物語。
その他、4本の短編が収録されている。
表題作は史実をもとにしていて、作者がずっと描きたかったと言っていただけあってかなり出来がいい。
その他の作品もそれなりに読ませてくれるので、評価を上げた。


「あの山越えて」
夢路行・全36巻・秋田書店(for.Mrs)
★ ★ ★ ★ ★
サラリーマンだった夫が両親の跡を継いで田舎で農業をすることになり、妻は夫について田舎で暮らすことになる。
全体的にほのぼのした話で、特に大きな波乱もなく話は淡々と進んでいく。
しかし、それがこの作品のいいところで、何度も読み返したくなる。
時間経過がちゃんと描かれている作品で、作中で約10年程度時間が経過する。
柔らかい、癒しの雰囲気がある。
作者が好きなら、確実に楽しめる作品。


「あの山越えて 日・日・天のたより」
夢路行・秋田書店(for.Mrs)
★ ★ ★ ★ ★
上記作品の続編。
作中では前作完結から数年後、義母が亡くなったところから話がスタートする。
主人公が小学校教師を退職するなど、話を仕切り直しただけあっていろいろな変化がある。
義母が亡くなったことで心無いことを言う親戚などはリアリティがある。
田舎暮らしをいろいろ考えさせられる。


「A-presto」
十峯なるせ・全3感・一迅社(WARD)
★ ★
自分が死んだことに気付いていない友人に思い出話を語り、記憶を取り戻させて友人を在るべき場所へ導こうとする青年の物語。
話は回想形式で、基本的には主人公2人の少年時代の思い出がメイン。
そのためか、話の進むペースは遅い。
最後はあまりスッキリしない終わりで微妙。
絵はかなり描き慣れていてスッキリしている。
絵が気に入れば。


「アブアビ」
よねやませつこ・全2巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★
数年前に発生し、10万人に1人しか助からないインフルエンザが蔓延した世界。
少年はそのインフルエンザによって両親を失い、妹もインフルエンザに苦しめられていた。
そんなとき、少年はインフルエンザに対抗する力を持つものの10万人に1人しか助からない、という未知のウイルスの投与を受ける。
全体的にそこそこ面白く読めるが、設定がさして珍しくもなく、あまり個性が感じられない。
ある程度はキャラの力で補っている感じ。
終わり方も打ち切りに近く、無理矢理ハッピーエンドにした感じで残念。


「アポクリファ/0」
ゆうきあずさ・全3巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
同名タイトルのPC用ゲームソフトを漫画化した作品。
美形キャラがザクザク出てきたり、魔法で天使と戦ったり、と典型的なPCゲーム的な話の展開で、目新しさはない。
しかし、ゲームのシナリオと原画を担当した方がこの作品を描いているので、ゲームをプレイした人及びこのゲームが好きな人なら違和感なく読めると思う。
中盤までは話がなかなか頭に入ってこなかったが、後半の盛り上がりはわりとよく、終わり方には納得。
絵はペン慣れしていて読みやすい。


「アホリズム」
宮条カルナ・既刊14巻(打ち切り?)スクウェア・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★
空に浮かぶ島を見ることができる者だけが入学を許される楢鹿高校。
そこを卒業できた者は無条件で高給取りの官僚になれるという。
しかし、学園内では神蝕によって現れる化物たちとの命のやり取りが日々繰り返されていた。
特殊能力を持った学生たちと化物との戦いを描いている部分はオーソドックスなものだが、序盤は割とガンガン人が死ぬので引き込まれる。ただ、巻数が進むに連れて人が死ななくなり、現時点では第一部完のところで非常に中途半端な形で止まっている。
続編であり前日譚「弩アホリズム」「堕アホリズム」があるが、人気が芳しくなかったようでもう続編は望めないかもしれない。
残酷描写も悪くない感じ。


「雨格子の館」
奥野十香・全2巻・マッグガーデン(アヴァルス)
★ ★
暴風雨と土砂崩れで閉ざされた洋館に閉じ込められた8人が、1日1人殺人予告と共に殺されていく。
同名タイトルのPS2ソフトを漫画化した作品。
ゲームはプレイしていないが、単純な推理物とはちょっと違う展開を見せていて、それなりに楽しめる内容。
絵がやや不安定ではあるが、雰囲気は出ている。
わりときれいに完結しているものの、犯人は唐突に出てきた印象だった。


「あまつき」
高山しのぶ・全24巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
日本史の補習で大江戸幕末巡回展を訪れた少年。
少年はそこで奇妙な怪物と出会い、気がつくと江戸時代にに近い世界に閉じ込められていた。
作者の初連載作品だけあって、絵が全体的に読みにくく、荒削りな雰囲気がある。
ただ、巻数が進むに連れてよくなってくる。
1人1人の掘り下げが深いので話の進むペースは非常に遅いが、終盤に謎解きが続く部分はかなり引き込まれる。しかしながら、続編「未完成サイコロトニクス」を完結前に想定しているせいか、終わり方はそこまでスッキリしない。


「アマノイワト姫」
下村トモヒロ・全1巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★
とある国でお姫様の警備を任せられた軍属の3人。
しかし、お姫様は部屋から1歩も外に出ず、顔も見られなければその存在すらあやしい。
3人のうち1人・ハルはどうにかしてお姫様に会おうとする。
この作品の真価は続編の「自宅警備姫テラス」から発揮されるのだが、その前作であるこの作品は続編を十分楽しむためにも読んでおいた方がいい。
ゲームや漫画をそれなりに持っている人にお勧め。
あるあるネタがたくさん出てくる。


「あまんちゅ」
天野こずえ・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★ ★ ★
ダイビング好きの女の子が、高校に入学して新しく出会った友達と一緒にダイビング部に入る。
ダイビングの基礎知識もしっかりしていて、読んでいて俄かで描いていないことが分かるのがいい。
雰囲気は作者前作の「ARIA」に似ていて、のんびり穏やかな空気の中で雄大な景色を見せてくれたりする。
「ARIA」が好きだった人は間違いなく読んで損はしない。
高校入学時からスタートし、卒業で完結予定。


「飴色紅茶館歓談」
藤枝雅・全2巻・一迅社(百合姫)
★ ★ ★
とある閑静な住宅街にひっそりとある紅茶専門店のお話。
掲載誌からもわかるように女の子しか出てこないが、1巻はそこまで百合っぽくもなく、普通に読める。
2巻はやや百合風味が増すが、絵が好きならあまり気にしなくてもいいかもしれない。
紅茶が好きで、穏やかな雰囲気の話が読みたい人にお勧め。
絵はきれい。


「現神姫」
天乃咲耶・全9巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
戦国時代、邪神と契約した少年は1人の少女として現代に転生した。
そして、その体は神や鬼を含めて全ての魂を宿して育むことが出来るため、少女は様々な鬼から狙われることとなる。
話が少し込み入っているので、何度か読み返さないと話はわかりにくいが、絵がかなりきれいなので引き込まれる。
また、この作品が面白くなるのは5巻くらいからで、そこまで耐えていれば間違いなくはまれる。
惜しいのは、最後の展開がかなり駆け足で、もう少し時間があればな、と残念。


「荒川アンダーザブリッジ」
中村光・全15巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★ ★
人に借りを作ることのできない青年が、あるとき金星人だと名乗る少女に命を助けられる。
青年は少女に借りを返すため、少女の恋人となり、荒川の土手で暮らし始める。
大爆笑できるギャグはないのだが、じんわりと面白いギャグで満ち溢れている。
登場キャラは多めだが、どれも個性的で飽きさせない。
絵はあまり上手くないが、キャラが個性的で楽しめる。
最終巻の展開はわかりにくいが、きれいに完結している。


「アラクニド」
いふじシンセン・全14巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
伯父に虐待され、学校でもイジメを受けて暮らしていた少女は、伯父を暗殺した男に暗殺者としての才能を見いだされる。
蜘蛛の力を手に入れた少女は、その力で生き抜いていく決意をする。
登場する暗殺者たちは皆昆虫の力を持っていて、それに関する説明が全編通してかなり多い。それが受け入れられる人なら楽しく読めるはず。
絵はややぎこちない部分もあるが、悪くはない。
話は非常に中途半端なところで終わっていて、続編「ブラトデア」を読むこと前提。


「ARIA」
天野こずえ・全12巻・マッグガーデン(コミックブレイド)
★ ★ ★ ★ ★
「AQUA」の続編で、ストーリーも完全につながっている。
タイトルが変わっても前作のやわらかい雰囲気はそのままで、確実に買って損はしない。
見開きで描いてくれる風景がきれいで、それに関しても一見の価値あり。
話もきれいに完結しており、正しく傑作といえる領域に達している。


「アリサのために」
南澤久佳・全2巻・Bbmfマガジン
★ ★ ★
探偵事務所を開き、訪れた人の心の悩みを解決して「命の星」を集める3人の少年少女たちの物語。
話はそれなりに捻られていて、全てハッピーエンドで終わるようにしていないのはいいところ。
ただ、キャラにそこまで個性があるというわけでもなく、全体的には可もなく不可もなくの出来。
また、探偵としての話がメインの1巻と謎解きがメインの2巻では話の雰囲気が結構違う。
2巻の方が面白い。


「アリスのお茶会」
大川マキナ・全1巻・スクウェア・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★
千利休に憧れて高校の茶道部に入った留学生・アリスと茶道部のメンバーとの話。
作者の投稿作にしてデビュー作なので絵は全体的に不安定だが、茶道の知識はしっかりしていて面白く読める。
基本4コマ漫画だが、割と読みやすい。


「アリソン」
晴瀬ひろき・全2巻・メディアワークス(電撃大王)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの小説のコミカライズ。
コミカライズの仕方は非常に上手く、ほぼ原作通りに進んでいる。
原作の必要な部分を抜き出して、サクサクと話は進んでいっている。
キャラも小説の挿絵に近いもので読んでいて違和感はなかった。
原作を知っている人も、知らない人も楽しめる作品。
2巻できれいにまとまっている。


「Archaic Chain」
皇なつき・全1巻・マッグガーデン(マサムネ)
★ ★
影から剣を作ることのできる少年と、光から剣を作ることのできる青年。
2人は鬼や神が通る道だという霊道を守ることと開けることを宿命としていた。
なかなか面白い話だと思っていたのだが、コミックス1巻分の長さで打ち切りとなり、ものすごく中途半端なところで終わってしまっている。
一応謎解きは出てきているが、読後感は悪い。
作者のファンなど限られた人でなければ、買わない方がよい。


「Arcana」
アンソロジー・全16巻・一迅社(書き下ろし)
★ ★ ★
毎回ある1つのテーマについて複数の作家さんたちが書き下ろしで読み切りを描く、という企画本。
テーマは「執事」「盗賊」など、女性向けのものが多い。
しかしながら、執筆陣が豪華で、読み切りの出来もなかなかのものが多い。
企画本として侮っていると、意外にもやられてしまう本。
巻数が進むに連れてゲスト作家が弱めになっていくのが残念。


「アルスラーン戦記」
中村地里・全13巻・角川書店(ファンタジーDX)
★ ★ ★
田中芳樹さん原作の中世歴史物語。
田中先生原作なので、ストーリー的矛盾はほぼ皆無。
ただし、3巻までは内容の濃い小説1巻分を漫画1冊にまとめただけあって、話の展開はものすごく早くて小説を知っているだけに少し期待はずれ。
その後は小説1巻分が漫画2巻になり、3巻になったのでその点の不満はほぼ解消。
絵はというと、少女漫画的で、未熟というより私がそれほど好きではない絵柄。何となく好きにはなれなかった。


「アルスラーン戦記」
荒川弘・講談社(別冊マガジン)
★ ★ ★ ★ ★
上記作品と同じく、田中芳樹さん原作作品。
こちらは小説の内容に加え、オリジナルストーリー・キャラ追加などがあり、原作の内容を濃くしたものとなっている。
じっくり描かれているだけに読み応えもあり、甲冑デザインなども当時のものをよく調べているな、とわかるもので、かなり惹きつけられる。
おそらくは原作第一部完のところまで描かれると思われる。


「アルオスメンテ」
あき・既刊6巻(打ち切り?)・一迅社(WARD)
★ ★ ★
国で唯一「神託」を受け取ることのできるレグナは、ある時から明確な殺意を日毎受けるようになった。
その正体を確かめるため、賢者の夢(アルオスメンテ)の儀式を行うが、儀式を成功させるには10枚のタロットに該当する人物を探し出さなければならなかった。
中世ヨーロッパ風の世界観と作者の絵が上手くマッチしていて、雰囲気だけでも十分に楽しめる作品。
話の方向性が明確なだけに、前作「オリンポス」(ア行参照)よりもとっつきやすい。
掲載誌休刊に伴ってWeb連載となったが、現時点で立ち消え状態。
話としては非常に中途半端なままで残念。


「Artonelico」
あやめぐむ・全3巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★
同名タイトルのPS2ソフトを漫画化した作品。
ゲームとは別の話のようで、これはこれで1つの話として完結している。
ただ、話が平坦で少々頭に入りにくいのが難点。
ゲームのサイドストーリーとしてゲームをプレイした人なら読んでもいいかも。


「ArtonelicoII」
あやめぐむ・全3巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
上記作品の続編で、こちらはゲーム本編をそのまま漫画化している様子。
話の構造は結構単純で、謎解きを見ても、そんなものか、くらいに思ってしまうのが残念。
ただ、最後の盛り上がりやまとめ方は悪くない印象で、それなりの仕上がりになっていた。
前作が好きだった人なら。


「Ares」
瀬都ナルミ・全3巻・マッグガーデン(ブレイド)

師匠が殺された理由を求めて旅をしていた青年は、師匠が残したらしいアンドロイドを起動させ、主人となってしまう。
序盤からかなり典型的なアンドロイドものの話となっていて、作者の個性が見えないのが辛い。
また、最後は完全な打ち切り仕様で全く完結しておらず、まとめようとした跡も見受けられなかった。
読むならばそれなりの覚悟が必要。


「アロワナ通信」
夢路行・全1巻・スタジオDNA(クレッセント)
★ ★ ★
あるマンションで以前に住んでいた人宛に小包が届く。
それを開けてみると、中から不思議な魚が現れ、部屋の中を泳ぎまわった。
その他、ちょっと不思議な話を集めた短編集。
短めの話が多く収録されているので、読み応えがある。


「暗殺教室」
松井優征・全21巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★ ★
謎の生物が月の7割を破壊し、1年後に地球を滅ぼすと予告した。
しかし、同時にとある進学校の落ちこぼれクラスの担任をするとも言い出した。
政府は殺せんせーと名付けられた生命体を暗殺するようクラスの生徒たちに指示し、同時に様々な暗殺者をクラスに送り込む。
しかし、殺せんせーは先生としては非常に優秀で、クラスの生徒たちは殺せんせーを慕いながらも日々暗殺することを考えるという日常に置かれることになる。
連載初期から落ちこぼれクラスの1年間を描くと決まっていた話で、ジャンプにしては引き延ばしもなくきれいに終わった。展開もそれなりに早い。
殺せんせーを始めクラスの生徒たちにもいろいろと個性があってキャラが立っているため、読んでいて素直に楽しかった。


「アンダンテ」
小花美穂・全3巻・集英社(りぼん)
★ ★
吹奏楽部の部長をしている少女は、一緒に暮らしている天才音楽家として有名な義理の兄に想いを寄せていた。
そこへ両親からの頼みで1人の少女やってきて、同居することになる。兄はその少女と恋に落ちるが、実は兄とその少女は実の兄妹だった。
テーマは最近の少女漫画として目立ってきた近親相姦もので、この手の話は全てパターンが同じなので今後の展開に不安が残る。
作者が好きなので買ってみた本だったが、使い古された手法が多く出てくるのであまり好きになれなかった。
終わり方もいまひとつ。
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