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ナ行 [コミックスレビュー]

「タイトル」
作者・既刊数・出版社(掲載誌)

「ナイトメア・アリス」
小野寺明・全1巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
人々に悪夢と死をもたらすナイトメア・アリス。
そのアリスと戦う少女の物語。
きれいに1巻でまとまっている話で、1巻の中に起承転結がしっかりとあり、山場や謎解きも用意されている。
話をすごく作り慣れている印象で、絵も安定していて読みやすい。
反面、きれいにまとまりすぎている印象も。

「ナイトメア★チルドレン」
藤野もやむ・全5巻・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★ ★ ★
意識のなくなってしまった姉を助けてもらうため、少女は「なんでも屋」をしているという青年を訪ねた。姉を助けてもらう約束はしてもらえなかったが、帰る場所がないと言った少女はしばらく青年の家で暮らすことになる。
かなり重いテーマを扱っている作品で、17歳でよくここまで描けるものだな、と感心してしまう。残酷なシーンも無駄にあるわけではなく、後々必要だからこそ描いている、という感じが出ているのがいい。
また、全5巻の中で無駄な回は1回もなく、最後も綺麗にまとまっていた。
将来性も含めて最高評価した。
絵はペン慣れしていないところもあるようで、線がまだ安定していない。

「ナイトウォーカー!」
東まゆみ・全1巻・エニックス(ガンガンWING&ギャグ王)
★ ★ ★
人間の精気を吸い取る夢魔とそれに狙われた男の子の話。
その他、短編が2本収録されている。
作者の初期短編集なので絵は成長段階を見ているようだが、ストーリーはわりと面白い。
他のコミックスとは作風が違うので、作者のファンなら買ってもいいと思える。

「ながされて藍蘭島」
藤代健・エニックス(ガンガン)
★ ★
家出少年が船の遭難に巻き込まれ、流れ着いた場所は女しかいない島・藍蘭島だった。
いわゆるハーレムものの典型ではあるが、全体的にキャラがそこそこ立っていることもあって、この手のジャンルが嫌いではあっても、わりと読める。
ただ、毎巻新キャラが登場するなどとにかくキャラが増え過ぎている上に本編が全く進まないので、10巻以降くらいからは読むのが辛くなってくる。
絵は萌え路線とは少々遠いが、作者がゲームのキャラデザをやっていたこともあり、CGは上手い。

「中村工房」
中村光・全3巻・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★
毎回主役の入れ替わるギャグ漫画。
笑える話とそうでない話の差が大きいのでこの評価。
ギャグ漫画にしてはコマ割が大きいので読みやすい。
絵はまだまだ未熟で、女の子が女の子に見えない、というのはあるが、読みにくくはない。
程よい長さで終わってよかった。

「なかよし公園」
ねじまき我人・全3巻・マッグガーデン(アヴァルス)
★ ★ ★ ★
捨て猫のクロとシロ、そして動物の言葉がわかる獣医師の青年たちの日常を描いた話。
基本は4コマなのだが、話がわりと切ないものが多く、ジーンとくるものが結構ある。
絵もかわいらしくて親しみがもてる。
刊行ペースは遅かったが、無事完結してよかった。

「亡き少女の為のパヴァーヌ」
こげとんぼ*・全7巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★ ★
明治末期、東京の音楽学校に通うため上京してきた少女は、憧れの少年と再会を果たす。
しかし、その少年には大きな秘密があった。
基本的にはそこまで珍しい設定の話ではないのだが、引きつける力がつなり強い話で、読んでいるうちにグイグイ引っ張られてしまう。
ちょっと絵に抵抗が出る人もいるかとは思うが、そこを乗り越えてほしい。
話は第一部完で止まっており、続編は連載されていない。
話として一旦区切りはついているが、謎のままの部分も多い。

「なきむしステップ」
カザマアヤミ・全2巻・芳文社(きららフォワード)
★ ★ ★
引っ込み思案で泣き虫の少女は、隣の席の男の子と偶然仲良くなれる。
ペットに励まされながら、少女はなんとか打ち解けようと努力していく。
基本的に「ちょこっとヒメ」(タ行参照)と同じと思えばいい。擬人化された動物がウサギだということと人間キャラが違うだけ。
「ちょこっとヒメ」が好きな人なら確実に楽しめる。
ネタが二番煎じなのが残念。
終わり方は割ときれいだったが、途中から動物がほぼ無視された展開になっていたのは残念。

「嘆きのサイレン」
鈴木理華・全3巻・中央公論新社(書き下ろし)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの小説を漫画化した作品。
原作の挿絵を描いている作家さんが描いていることもあり、原作を知っていると非常に楽しく読むことができる。
しかし、そこまで楽しく読むことができるようになるためには、デルフィニア戦記、スカーレット・ウィザード、暁の天使たちと新書版30冊近い原作を知らないとまず無理。
加えて、本書の原作も一通り読んでおかないと状況がわかりにくい。
楽しめる条件を満たしている人になら、お勧め。
最後にサイレンが振り向くシーンは必見。
外伝の短編もなかなかよかった。

「夏のあらし!」
小林尽・全8巻・スクウェア・エニックス(ガンガンWING)
★ ★ ★ ★
とある田舎町の喫茶店に入った少年は、そこで現実離れした古風な少女と出会う。
その少女は、過去から来た少女で、過去へ飛ぶ力を持っていた。
つかみはそれほどよくなかったのだが、読み進める度に良さがわかってくる作品。
作者の経験がものを言っているのかな、と感じる。
話に安定感があって読みやすく、絵も完成しているので隙がない感じ。
中盤はややだれるものの、最終章の横浜大空襲での話はかなり引き込まれるものとなっている。
終わり方もよかった。

「七つの大罪」
鈴木央・全41巻・講談社(マガジン)
★ ★ ★
かつて王国転覆を企てたとされ、未だ捕えられていない7人の大罪人たち。
その大罪人を探す少女が現れ、少女が大罪人の1人と出会い、旅が始まる。
アーサー王の伝説をベースにした話となっており、作者が他作品でもいろいろとモチーフにしてきた設定がストレートに表れたような話となっている。
話は大きく3部に分かれており、戦闘力を数値化してくる辺りからちょっと吸引力が落ちてくる。
最後がきれいに終わっていたのは救いだった。
作者のファンタジーものが好きなら読んで損はしない。

「なにかもちがってますか」
鬼頭莫宏・全5巻・講談社(good!アフタヌーン)
★ ★ ★ ★
平凡な日常を送っていた少年は、1人の転校生と出会ったことで「物と物を入れ替える」という超能力に目覚める。
しかし、不安定な力のせいで、同級生を1人殺してしまい、罪悪感に苛まれることになる。
雰囲気は「ぼくらの」(ハ行参照)に近く、読んでいるといろいろと心が痛くなる。
しかし、話の吸引力はかなりのもので、続きが気になるいい作品。
「ぼくらの」が好きなら買って損はしない。

「隠(なばり)の王」
鎌谷悠希・全14巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
万有の頂点に立つと言われている秘術をその体の中に封じられた少年。
その少年をめぐって各地の忍たちが少年の奪い合いを始める。
しかし、少年は全てに無関心のままであった。
忍者を題材にした作品ではあるが、「NARUTO(下記参照)」とは全く別の世界観を持っている。
内容はシリアスあり、ギャグありでテンポよく楽しめる。
絵は安定していて戦闘シーンにも迫力があってよい。
中盤~終盤でやや中だるみの部分があるが、最後の謎解きはかなり引き込まれた。
終わり方もハッピーエンドで納得。

「なめこ文学全集 なめこでわかる名作文学」
小鳩まり・全6巻・幻冬舎(スピカ)
★ ★ ★
名作文学の登場人物を全てなめこに置き換えて漫画化した作品。
思っていた以上に原作に忠実に漫画化されており、文学作品のあらすじを知るにはいい作品。
原作についても紹介されているので、文学作品のとっかかりとしてもいい。
なめこが好きなら更に楽しめる。

「NARUTO」
岸本斉史・全72巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
体に九尾の妖狐の魂を封印された忍者・ナルトが最強の忍者を目指す話。
主人公・ナルトの性格は最初好きになれなかったが、次第に成長していく姿を見て好きになってきた。
戦いのシーンは忍者の戦いらしく、読んでいて裏をかかれることが多いので楽しい。
構図のいい場面が多く、戦闘シーンの迫力は出ている。
終盤は話がかなり入り組んでくるので少々わかりにくくなるが、最終的にはきれいに完結した。

「南国少年パプワくん」
柴田亜美・全7巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
幼い頃引き離された弟に会うために、一族の宝「秘石」を盗み出した青年だったが、追手により船を撃沈され、不思議な島「パプワ島」に流れ着く。
前半はほとんどがギャグ漫画で、後半はギャグをふんだんに取り入れたシリアスストーリー。
ギャグは面白く、ストーリーも伏線がしっかりしていていい。
絵に関して、1巻と7巻とではどのキャラの顔も明らかに違っているので、読み返すときに少し驚く。
1つ難点を挙げるとすると、後半のシリアスストーリーになってから、一気に男性キャラが増えて、何度も読み返さないとストーリーの把握ができにくくなってしまう、というのがある。

「南国動物楽園綺談」
斎藤カズサ・全3巻・エニックス(ステンシル)
★ ★ ★
九州に転校してきた少女が、都会との違いに戸惑いながら、友人を通じて動物たちと触れ合っていく話。
動物がたくさん出てくるので、動物好きな人に勧められる。
ストーリーは気楽に読めるものだが、全体的に解説部分が多いく、やや読み難い。
絵は完成されていてきれいで、動物も可愛い。
終わったのか終わっていないのか、よくわからないところで最終回になっていることが惜しまれる。

「なんて素敵にジャパネスク」
山内直美・全11巻・白泉社(花とゆめ)
★ ★ ★
平安時代の大貴族の娘であるにもかかわらず、とんでもなくおてんばで常識破りの少女が色々な事件に巻き込まれる。
原作が氷室冴子さんということもあり、伏線などしっかりしている。
原作は平安時代であるにもかかわらず横文字がバンバン出てきて違和感を覚えたが、漫画はその辺りをかなりマイルドにしているので読みやすい。
絵は後半安定してくる。

「なんて素敵にジャパネスク 人妻編」
山内直美・全11巻・白泉社(花とゆめ)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編。
上記作品との間に大きなブランクがあるため、絵は退化している。
話の雰囲気は同じだが、前作を知っていることが前提で、前作の話をストーリーの中で語ってはいるが、それが説明的で読みにくい。
前作が好きなら買っても大丈夫ではあるが。
中盤以降は画力も戻り、原作の力もあって、面白く読めた。

「新山たかし短編集」
新山たかし・全1巻・エニックス(ギャグ王)
★ ★
新山さんの初期の頃からの短編を集めたもの。
全体を通して、どれもストーリーは可もなく不可もなく。読めないものではないという程度。
初期作品も含めて絵柄は描き慣れてはいるが、どれにも共通してコマ割りが小さく、セリフが多いので読みにくい。途中で飽きてしまう人もいるのではないかと思える。

「逃げ上手の若君」
松井優征・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
足利高氏の裏切りによって鎌倉幕府は滅ぼされ、北条氏は関東での支配権を失ってしまう。北条氏の最後の当主である時行は諏訪地方の神社の力を借りて再起を目指す。
北条時行の生涯を描いた作品で、史実をベースにした話になっている。
時行が最終的にどうなってしまうのかがわかっていても読みたくなる力があり、主人公を取り巻くキャラも個性的でよい。
当時の武士とはどんな感じだったのか、というのもわかるので、解説を読むのも楽しい。

「ニコイチ」
金田一蓮十郎・全10巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★ ★
かつて付き合っていた彼女が交通事故で死んでしまい、その息子を引き取って育てることにした青年。
青年は女装して自分が母親となって息子を育てたが、自分の正体を言えないまま月日は流れ、男と女の二重生活を続けていた。
一見突拍子もないように感じる設定の話だが、実際読んでみるとどんどん続きが読みたくなる話だった。キャラもよく立っていて、絵も読みやすい。
次々に起こる問題を解決していき、最後はハッピーエンドとなった。
序盤の展開からここまできれいに終わるとは思っていなかったので、こうしてまとまったのが素晴らしいことだと思う。

「西の善き魔女」
桃川春日子・全7巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★ ★
平凡な田舎少女として暮らしていた女の子が、あるパーティに出席したことで自分が女王の資格を持つ者であることを知る。
原作があり、それが既に完結しているので、ある意味安心して読める。
典型的な少女漫画とも見えるが、そこかしこに軽く捻りが入れられていて、飽きることなく読める。
話の進むスピードは強烈に速いが、ついていけないことはない。
最後までキッチリ描ききっている。
絵は安定していて読みやすい。

「西の善き魔女 外伝」
桃川春日子・全1巻・マッグガーデン(ゼーベル)
★ ★ ★
上記作品の外伝で、アデイルが主人公となっている作品。
本編で不在中のアデイルが何をしていたのか、がわかる作品なので、基本的には上記作品を知っている人が対象。
内容そのものの出来はよく、本編を補完するものとして楽しめる。

「20世紀少年」
浦沢直樹・全22巻・小学館(スピリッツ)
★ ★ ★ ★
1960年代後半に少年時代を過ごした大人たちが、身の回りで起こる行方不明事件などを調べるうちに、とある新興宗教のシンボルマークが少年時代に自分たちが考えたものだということに気付く。そして、少年時代にもう1人仲間がいなかったかどうか、という疑問にぶつかる。
同作者の「MONSTER」とある意味似た雰囲気のある作品。1つの疑問から大きな謎に迫っていく、という部分が共通点。
面白くなるのは7巻以降くらいで、破滅に向かう世界を止めようとするが、それができないもどかしさがいいと思える。

「21世紀少年」
浦沢直樹・全2巻・小学館(スピリッツ)
★ ★ ★ ★
上記作品の完結編。話は完全につながっているので、前作を知っていることが前提。
掲載誌が変わっていないのにどうしてタイトルを変えたのかが疑問ではあるが、ラストスパートの部分なので、目が離せない。
結末に納得できるかどうかは、読者次第。
とりあえず、最初から全て読み返したくなる。

「20世紀少年の脇役」
浦沢直樹×ウジコウジオ・全1巻・小学館(ビッグコミックスピリッツ)
★ ★ ★
上記作品に登場した漫画家・ウジコウジオの作品集。
ウジコウジオの作品をユキジが読んで感想を言う形になっている。
ウジコウジオの作品はあえてベッタベタなネタ作品なので読んでいて微妙だが、ユキジの評価はなかなか面白い。
思っていたよりも面白く読めた。

「21世紀マンガ大賞セレクション」
作者4名・全1巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
エニックスで募集している21世紀マンガ大賞の大賞、準大賞受賞の4作品を集めたもの。
大賞、準大賞受賞作だけあって投稿作であるにも関わらずどれもレベルが高い。
やはり絵の未熟さは感じられるが、それぞれの作品の作者が作品に対するコメントを載せているところがよい。

「偽PAPUWA」
作者多数・全1巻・スクウェア・エニックス(書き下ろし)
★ ★
「PAPUWA」の作者黙認アンソロジー。
参加している作家さんが22人と多いが、読める作品は半分くらい。やはり、原作には遠く及んでいない。
原作を知っていて、スクエニ系雑誌を買っている人なら知っている作家さんがいて楽しめるかもしれない。

「日常茶飯事」
夢路行・全1巻・一迅社(ぶ~け)
★ ★ ★
小さな骨董店を訪れる様々なお客さんと、ちょっと不思議な骨董品たちの話。
短いページ数で構成されている話が多く、作者のよさがよく表れている。
話の間にある1Pの植物の話もいい。

「NEWS PARADE」
久米田夏緒・全1巻・スタジオDNA(ゼロサム)
★ ★ ★
ある小さな町で起こったバス事故。その事故に前後して被害者たちの周囲で起こった出来事をオムニバス形式で語る話。
全3話形式でそれぞれ主人公が変わるので、話としては少々つかみにくいところがあるが、通して読むといろいろと伏線がわかって面白い。
同時収録の読み切りの出来もなかなか。
絵はまだ描きなれていなくて不安定だが、読みにくくはない。

「ニューパラダイス」
木下さくら・全2巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★
平凡な日常を送っていた少年の元に、1人の不気味な少女が現れる。
そして、今暮らしている世界が夢の世界だということを知る。
連載初回から約3年半の休載期間を経て復活した作品。
当初はギャグ漫画の方向に行くかと思われたが、ギャグだった2話はなかったことになり、全体的にはシリアスな雰囲気で進んでいる。
作者にはシリアスな話の方が向いているとは感じるものの、この作品はやや設定が込み入りすぎていて話を理解するのに苦労する。
絵は1話だけ下手ということもなく、違和感なく読める。
一応ひとつの決着がついて完結したものの、作者はもっと描きたかったのだろうな、と思える終わり方で、最後はちょっと微妙だった。

「人形草紙あやつり左近」
小畑健・全4巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
明治初期の文楽人形右近とそれを操る左近とが様々な殺人事件に出会い、解決していく。
とにかく絵で読ませてくれる作品。
殺人現場の残酷さは漫画の中でも指折り。
また、それぞれのキャラたちの顔がとてもきれいでいい。
ストーリーもまあまあいいのだが、一種超能力的な力を使って事件解決の手がかりをつかむことがあるので、そこを減点してこの評価。

「人魚の首」
大橋薫・全1巻・講談社(サスペンスホラー)
★ ★ ★
好きな男の子との出会いのきっかけを友人に奪われ、彼と彼女の仲が良くなっていくことに嫉妬する女の子の夢の中に、首だけの人魚が現れ、自分の首を食べるよう勧める。
この話の他にも2作品人魚関係の作品が収録されている。
また、その他短編も1つ。ハッピーエンドとそうでない作品があるのがいい。
結構引き込まれて、どの作品もそれなりに読ませてくれる。

「忍ペンまん丸」
いがらしみきお・全11巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
動物園で飼われていたペンギンが山に連れていかれ、そこで忍者としての修行を受けることになる。
作品中に登場するサブキャラたちは、作者選考のもと、ほぼ全て読者応募の中から選ばれている。
よって、話の中にはどうでもいいキャラが結構登場する。
しかしそれを使ったギャグや、主人公たちのキャラクターはかなり面白い。
間の使い方が上手いので、思わず声に出して笑って しまう。
唯一の難点は、ストーリーの進み具合がこれほどまでか、というくらいゆっくりなこと。
終わり方は満足のいくものだった。

「ぬすまれた放課後」
松本洋子・全2巻・講談社(なかよし)
★ ★ ★
ある日、少女の目の前で屋上から少女の友人が飛び降り自殺をする。自殺の動機がわからないまま少女は転校してしまうが、転校先でもまた殺人事件が起こる。
原作が赤川次郎さんなので、伏線がしっかりしていて、犯人にも意外性がある。
ただ、謎解きの場面に登場した殺された3人の女生徒のそっくりさんは何だったのかという疑問が残る。よって評価は高くしなかった。

「ぬらりひょんの孫」
椎橋寛・全25巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
妖怪の総大将・ぬらりひょんの孫で妖怪の血を1/4だけ引く少年。
少年は3代目の妖怪総大将となり、様々な妖怪たちと戦ったり交流を持ったりしていく。
描き込みの多い絵で少々読みにくいところがあるのが残念。
ただ、その分絵に迫力はある。
初代ぬらりひょんの過去の話と羽衣狐との決戦は面白かったが、それ以外が微妙。
最後は駆け足な終わりだったのが残念。

「ねこあきない」
夢路行・全4巻・秋田書店(恋愛よみきりMAX)
★ ★ ★
作者が飼っている猫のエッセイ。
虫の多い家に住んでいたりして、単なる猫のエッセイ漫画より面白い要素がある。
絵はかなり手を抜いているようにも見えるが、エッセイなら、と許せる範囲。
作者が好きな人にはお勧め。
終わり方はキッチリ終わっているわけではないが、日常を切り取ったエッセイなので、さらに続く感じになっていても、これはこれでアリだと思える。

「猫ラーメン」
そにしけんじ・全6巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
猫が店長を務めるラーメン屋とそこの客のサラリーマンの話。
絵が受け入れられるかどうかで、その後読み進められるかどうかが決まる作品。
話は本当に単純で、時事ネタも多い。
慣れてくるとそれなりに読めるが、人を選ぶ。
バカバカしい話が好きな人になら。

「猫ラーメン物語 子猫のトーマス」
そにしけんじ・全1巻・マッグガーデン(EDEN)
★ ★ ★
上記作品の番外編。
猫の店長が子猫時代に子猫モデルだったときの話。
超人気アイドルでスパルタな父、数多い兄弟の中での友情や争い、次々に生まれる弟・妹たちの間で人気が出ずに悩む姿など、意外とシリアスな部分も多い。
本編よりむしろこちらの方が面白いくらいだと思うのだが、本編を知っていないと楽しめない部分もあるので、一長一短。

「猫の島」
小花美穂・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★
不思議な伝説のある「猫島」から猫の死体が流れ着くようになる。その謎を調べるために、少年と少女は行っては2度と帰ってこられないという猫島に行くことにする。
小花さんの短編は結構好きだが、この単行本は例外。
どの作品もそれほど面白くない。
特に、最後の話は前半話がわかりにくい。

「ねじまきの庭」
榧世シキ・全2巻・一迅社(WARD)
★ ★ ★
とある寄宿学校で起こるちょっと不思議な話を集めた作品。
私の感性と非常に合う作品で、絵の雰囲気もよく、そこでちょっと不思議なことが起こるという設定自体が琴線に触れてしまう。
キャラもそれぞれ個性があって、全体的に見ても読みやすい。
最後の展開がちょっとわかりにくかったのが残念。

「ねねね」
萩原ダイスケ・全1巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
16歳の少女が常に狐の面で顔を隠している20歳以上年上の男性に嫁ぐ。
少女は少しでも夫との距離を詰めようと努力する。
大正×年差婚物語だが、常に顔を隠しているという設定と作画上そこまで年上に見えないのはちょっと残念。
2人の純愛を楽しむ話で、もっと続いてもよかったのだが、1巻で終わってしまった。

「眠り姫は夢を見ない」
大橋薫・全1巻・角川書店(あすか)
★ ★ ★
10ページ前後の短編と長めの短編合わせて10作品収録されている短編集。
どれも重い作品で、うち3作品がいじめに関係しているのは題材が被りすぎ。
どれもそれなりに読ませてくれるが、特に引き立つ作品はない。

「年中無休☆サンタさん!」
仏さんじょ・全4巻・一迅社(REX)
★ ★ ★
真面目な優等生だった少女は、16歳の誕生日に、うちはサンタの家系だからサンタに変身して敵を倒すように、と母から伝えられる。
少女は強制的にサンタという名の魔法少女に変身させられ、敵と戦うことになる。
バカバカしいことを大まじめにやる、というのは作者の前作「ろりぽ∞」(ラ行参照)と共通しているが、こちらは少々インパクトに欠ける。
最後はきれいに完結していたものの、サンタとして戦うことより日常シーンの方が面白かったように感じた。

「neun(ノイン)」
村崎久都・全2巻・一迅社(REX)
★ ★
地底より現れて人を襲う怪物と戦うため、とある学園には特殊学級があった。
そこに通う少年は、ある日地下で怪物と戦う少女と出会う。
画面全体から漂う切ない雰囲気がいい作品なのだが、それ以外パッとした部分がない。
話の進むペースが非常にゆっくりで回り道も多い。
そのせいか、早い段階で打ち切られてしまい、話は中途半端なままだった。
もう少し個性が出ればよかったのだが。
原作がありそうな話だが、オリジナル作品。

「Noesis」
喜名朝飛・全1巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
一度崩壊して立ち直りつつある世界で、殺戮兵器として育てられた少年はその組織から逃げ出し、ジャンク屋として生活していた。
そんなとき、少年は兄の仇を探す少女と出会う。
1冊できれいにまとまっている。
気になるのは、作者も自身で指摘していることだが、ヒロイン以外の顔がほとんど前作「幕末風来伝斬郎汰」(ハ行参照)で見たことのあるものばかりであること。
髪型など、もう少し工夫して欲しかった。

「ノッキン!」
群青・全3巻・一迅社(WARD)
★ ★
国で五指に入る名家の後継者候補でありながら、その権利を捨ててとある屋敷の所有権を手に入れた少年。
その家にはマガモノと呼ばれる人とは違う生物が住みついていた。
全体的には童話的な雰囲気で、キャラ達を楽しむ作品。
登場人物がいきなり多く出てくるので把握するのが少し大変だが、そこそこ読める作りになっている。
終わり方は割とよかった。

「のりりん」
鬼頭莫宏・全11巻・講談社(イブニング)
★ ★ ★ ★
自転車が大嫌いな青年が、運転中に自転車と接触事故を起こしたことから、再び自転車に触れるようになる。
自転車についてかなり深く調べてあるようで、読んでいてなるほどな、と思うことが多々ある。
作者の作品は心を抉ってくるものが多いが、この作品は純粋に自転車の話として読める。

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