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ハ行-4 [コミックスレビュー]

「タイトル」
作者・既刊数・出版社(掲載誌)

「ふたごザウルス」
大島永遠・全2巻・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★
海沿いの新興都市に引っ越してきた小学3年生の双子の姉妹。
2人が街を散策中、よそ者を嫌う小学生グループと出会うが、いつの間にか友達になる。
明るくほのぼのとした話なので、何も考えずに読んだ方がむしろ楽しい。
絵も安定して上手い。
話としては打ち切りで、想定されていたキャラが全て出終わる前に終わってしまったようで、いろんなキャラが中途半端なままに見えたのが少し残念。

「双子の帝國」
鬼頭莫宏・既刊3巻(立ち消え)・講談社(バンチ)
★ ★
滅びた民族の生き残りである少年は、触れる者を死に至らしめる呪いを持った少女と旅をしている。2人は少女の呪いを解くため、既に死滅したとされている魔法使いを捜していた。
話としてかなり序盤で連載が立ち消えてしまったため、これから面白くなりそうなのに……という状態で放置されている感じになっている。
設定自体はそれなりに珍しくていいのだが。

「フダンシズム」
もりしげ・全7巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★
眉目秀麗・成績優秀で完璧王子と呼ばれる少年。
しかし、その少年が好きな少女は彼のことに全く興味がなかった。
そんなある日、姉の替わりに女装して同人誌即売会に参加した少年は、偶然少女と知り合い、仲良くなることに成功する。
BLや同人誌などの入門書のような作品で、ストーリー以外にも一通り用語を解説してくれたり、即売会に参加するための準備について説明してくれたりする。
ストーリーも腐女子の世界はこういう世界、というのが結構リアルに描かれていて、読み応えがある。
ある意味男性向け。
一応完結しているが、続編があるため話としては終わっていない。読むなら続編前提で。

「フダンシフル!」
もりしげ・全3巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★
上記作品の続編。
登場人物たちが高校に進学し、高校で同人ライフを送る。
続編ということもあり、基本的には前作を知っている人向け。
話の雰囲気はそのままなので、前作が好きならそのまま買い続けて問題ない。
ただ、話は意外と早く完結してしまい、少しびっくりした。
一応ハッピーエンドではあるが。

「ぶちかまし眠り姫」
楠桂・全1巻・角川書店
★ ★ ★
母親に夜逃げされ、男のみの家庭生活を送っていた少年が初めて恋をしたのは、極端に寝相の悪い女の子だった。
これは寝相が悪いのではなく夢遊病レベルなのだが、極端な設定にしている分、それはそれとして楽しめる。
少女漫画にしてはなかなか面白い設定だった。

「ぷちはうんど」
ねこねこ・マッグガーデン(マサムネ)
★ ★ ★
魔物を退治するハンターを養成する学校に入学した少年は、ひょんなことから2人の少女に家に居座られ、命を狙われることになる。
設定が非常にオーソドックスなため、序盤は個性皆無。
しかし、8巻以降くらいから謎解きが始まるとグッと面白くなる。
面白くなるまでが非常に長いので、そこを乗り越えるまでがきつい。
絵は読みやすい。

「プチプチ」
臣士れい・全3巻・エニックス(ガンガンWING)

師匠に守護精霊を集めてくるよう言われた少年が、守護精霊を集めながら旅をする物語。
守護精霊や登場キャラなど、性格からデザインからとにかく狙った感じがする。
絵は安定しているが、背景の書き込みがほとんどないのが気になる。
終わり方はハッピーエンドだったが、都合が良すぎる感じがした。

「ぶっしのぶっしん鎌倉半分仏師録」
鎌谷悠希・既刊5巻(立ち消え)・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)」
★ ★ ★
鎌倉時代、仏師だった少年は事故で半身を失ってしまうが、失われた部分を仏像で補うことで生き延びる。
人でありながら半分仏となった少年は、仏像を造りつつ都などで起こる異変に対応していく。
時代設定から人物設定まで、漫画のジャンルとしてこれまでにあまりなかったものを多く取り入れているところは素晴らしい。
ただ、話半ばで連載が立ち消えてしまい、話として何も解決していないのが辛い。
絵は上手いので読みやすい。

「仏ゾーン」
武井宏之・全3巻・集英社(ジャンプ)
★ ★
弥勒菩薩の生まれ変わりだという少女に悟りを開かせるために、千手観音の少年が少女をインドまで連れていこうとする。
まあまあ面白いのだが、バトルシーンがあまりよくなく、ストーリーが進んでいるときの方が面白く読むことが出来た。
ラストは今一つ。絵は和月伸宏さんのアシスタントをしていたということもあって、何となく似ているが、上手だというわけではない。

「ふつつかな悪女ではございますが~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」
尾羊英・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
古代中国に似た王宮で、病弱だが皇帝に愛されている少女・玲林と、健康だが宮中のドブネズミと言われている少女・彗月の体と心が入替ってしまう。宮中で最も嫌われている少女の体になってしまった玲林だったが、それを嘆くこともなく、健康な体を手に入れたことを喜び、畑仕事に精を出すことにする。
とにかく主人公・玲林のポジティブシンキングが楽しい作品。
苦境を苦境と思わず、可能な限り努力し続ける姿もいい。
絵も上手いし、話はテンポよく進むので、サクサク読める。

「舞勇伝キタキタ」
衛藤ヒロユキ・全7巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★
勇者たちの大魔王封印からしばらく。キタキタおやじはキタキタ踊りの後継者を探す旅を続けていた。
魔法陣グルグルからのキタキタおやじスピンオフ作品。
基本的に世界観はつながっているものの、前作の登場人物はキタキタおやじくらい。
本当にキタキタおやじが好きだった人のための作品、といったところ。
ただ、出来具合はなかなか良く、グルグル以外の作品で作者の作品が楽しめなかった人にも勧めたい。
話としてはちょっと長い感じもしたが、きれいに完結している。

「FUTURE」
渡千絵・全1巻・講談社(サスペンス&ホラー)
★ ★ ★
人の死を予知してしまう少女が、その力に悩みながら友人の力を借りて人の運命を変えようとしていく。
タイトルになっている話はありがちな展開であまりよくないのだが、もう1つ収録されている作品の出来がよい。
ラストはあまり納得できないものの、伏線の張り方がうまく、謎解きの部分は感心してしまった。

「BROTHER」
峰倉かずや・全1巻・ラポート(コミックゲンキ)
★ ★ ★ ★
保父さんの兄と、喧嘩がめっぽう強く、口は悪いが兄思いの弟の、2人兄弟の話。
作者の初期作品なので最初の方の絵は頭と体のバランスが悪い絵が目立つ。
しかし、描き下ろし作品がかなり良い出来なのでこの評価。
全体的に質の高い話が集まっている。

「BROTHERS」
成瀬芳貴・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンWING)
★ ★
兄弟のみがエクソシストになれる世界。
ある幼い兄弟はエクソシストになるために、エクソシストを養成する学校に入学するために田舎を出る。
兄弟のみがエクソシストになれる、という設定自体は面白いのだが、それ以外は割と普通。
最後はかなりいい盛り上がりを見せたものの、打ち切り仕様で終了。もう少し読んでみたかった。
また、キャラの名前のほとんどが歴史上の人物名なので、気になる人は気になってしまうかもしれない。

「+C」
遊行寺たま・全8巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
妾の子ということで王位継承権を持ちながら肩身の狭い思いをしていた少年。
その少年を唯一認めてくれていた王太子の兄が、ある日暗殺されてしまう。
その犯人を知ってしまった少年は城を抜け出す。
序盤からいろいろと伏線が張られていて、様々な思惑が入り乱れている感じが何とも言えず引きつけられる部分。
話としてはそれなりのまとまりを見せて終わったものの、終盤はかなり終わりを急いだ感じがするのが残念。
中盤が少し長すぎた感じもした。

「+C APPENDix」
遊行寺たま・全1巻・一迅社(ゼロサムオンライン)
★ ★ ★
上記作品の番外編の短編集。
本編では詳しく触れられなかった国が誕生した頃の話やエピローグなどが収録されており、本編を補完する形になっている。
特に国が誕生した頃の話は読み応えがあるので、本編が好きな人は確実に押さえておきたい作品。

「プラスティック:ベイビイズ」
美川べるの・全2巻・光文社(アンソロジーより)
★ ★ ★
PSソフトのペルソナシリーズアンソロジーで作者が執筆したものを集めたコミックス。
元ネタを知らないとわからない部分は多いが、知っていると結構笑えて楽しい。
作者らしさはよく出ている。

「プラチナエンド」
小畑健・全14巻・集英社(ジャンプスクエア)
★ ★ ★
神の代替わりが近付き、13人の天使がそれぞれ1人ずつ人間の中から神候補を選んで、最後の1人になるまで争わせることになる。神候補たちはお互いに協力したり敵対したりしながら、次第に数を減らしていく。
「DEATH NOTE」(タ行参照)コンビによる作品で、神候補が持つアイテムの制約などは「DEATH NOTE」に通じるものがあるな、と感じる。
神候補同士の戦いではいろいろな駆け引きが行われるので、それを楽しむ感じ。
主人公が中盤くらいまでかなりウジウジした性格をしているので、そこは読んでいてちょっとイライラする。
話としてはきれいに終わったが、ハッピーエンドではないので、終わり方は人を選ぶ。

「BLACK CAT」
矢吹健太郎・全20巻・集英社(ジャンプ)
★ ★
かつて闇の世界に君臨した伝説の暗殺者と呼ばれた青年は、2年前に組織を裏切り、賞金首をつかまえる掃除人となって生活していた。しかし、彼を見つけた組織とかつての相棒は、彼を取り戻そうと彼のもとに次々と刺客を送り込んでいた。
ストーリーは決して悪くはないのだが、別作品のエピソードをつぎはぎした様に思える箇所が多数見受けられる。
キャラの能力に関しても同様で、それと気付いてしまうとかなりきつい。
話がきれいに完結していることだけが救いか。

「ブラックジャックによろしく」
佐藤秀峰・全13巻・講談社(モーニング)
★ ★ ★ ★
一流の私立医大を卒業して研修医となった青年。
青年はそこで様々な医療業界の裏事情を知るが、それでも患者を助ける医者になろうと努力する。
読んでみると、まず医療業界の有り様を知ることになる作品。
今までのTVや漫画では描かれなかった内容なので、それだけでも読む価値はある。
主人公の性格が普通の主人公過ぎる、という点で評価を下げたが、見る人が見れば、それだからこそいい、ということになるかもしれない。
買って損はしない。
話はここで完結していないので、続編「新ブラックジャックによろしく」を読むこと必須。

「フラッシュ!奇面組」
新沢基栄・全3巻(立ち消え)・エニックス(ガンガン)

かつてジャンプで連載され、アニメ化もされた奇面組シリーズのリメイク作品。
ジャンプ連載版は現在読んでも割と面白いのだが、こちらは全く面白いと思えなかった。
ギャグが全体的に古臭く、コマ割も小さくて読みにくい。
作者体調不良のため、連載が立ち消えになってしまった。

「ブラッディ・クロス」
米山シヲ・全12巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
天使とヴァンパイアの混血・月宮と日向。お互いその体に刻まれた呪いを解くために純魔族を追っていた。
月宮と日向がお互いに協力しつつ騙しあいをしたり、呪いを解くことが最終目的ではなく話が二転三転するところが面白い。
ただ、終盤は行き当たりバッタリの展開が目立ち、謎解きも含めて終わり方は絶対に後付けだろうな、と思える展開で残念だった。

「flat」
青桐ナツ・全8巻・マッグガーデン(アヴァルス)
★ ★ ★
マイペースな高校生・平介はある日いとこの保育園児・秋を預かることになる。
子供らしくなく落ち着いている秋と平介の穏やかな日常が始まる。
秋のかわいらしさとまったりとした日常がなかなか心地よい作品。
絵は決して上手いわけではないが、穏やかないい感じの柔らかい雰囲気が出ている。
ほのぼのしていて読んでいると癒される。
最後までこの雰囲気は続いていてよかった。

「ブラトデア」
速水時貞・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
「アラクニド」(ア行参照)の続編で、前作終了直前の別主人公の視点で話が始まる。
作画は前作から変更されて「キャタピラー」「蝶撫の忍」と同じ人が行っている。
前作の主人公も登場するが、新しくゴキブリの能力を持った少女も主人公扱いで登場するので、ダブル主人公という感じ。
前作から引き続き登場するキャラも数多くいるので、前作を知っていないとわかりにくい部分もある。

「プラトニックチェーン」
遠野ヤマ・全5巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
世界中のカメラが捉えた映像を集めたコンピュータのハッキングに成功した人物が開設するWebサイト「プラトニックチェーン」。
とある高校に通う3人の女生徒たちが、プラトニックチェーンを使いながら様々な都市伝説の謎を解明して
いく。
七不思議やオムニバス形式の話が好きな人にお勧めで、ちょっと先の未来ではこういったことが本当にありそう、と思えるところで共感できる。
ただ、回が進むに連れて話を引っ張っている感じが強くなり、尻すぼみになっていった印象。もう少し短くまとめていてくれたら、名作になっていた可能性もあり、残念。
絵はまだまだ粗いが、読みにくくはない。

「プラトニックチェーン Selection Stories」
作者多数・全1巻・スクウェア・エニックス(書き下ろし)
★ ★ ★ ★
上記作品のアンソロジー。
作画の作家さんたちがオリジナルで考えた話ではなく、原作があるアンソロジーなので、作品の質は平均している。
1話完結の話で、上記作品同様オムニバス形式の話が好きな人にお勧め。
なお、イラストしか寄せていない作家さんもいるので、作家さんで買うなら裏表紙は要チェック。

「プラナスガール」
松本トモキ・全6巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
高校の合格発表で運命的な出会いをした槙と絆。
絆に一目惚れした槙だったが、絆は実は女にしか見えない男だった。
普通に読むとただのラブコメなのだが、女の子が男だと考えると、それだけで割と面白く読めてしまうのが不思議。
女装男子ものが好きな人にお勧め。
終盤はそろそろネタ切れかな……という雰囲気になり、少し尻すぼみな感じで終わったのが残念。

「プラネットガーディアン」
高坂りと・全4巻・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
脱走した宇宙犯罪者を捕まえる魔女っ子としての使命を授かった少女。
しかし、使命を授かってから5年、少女は恥ずかしがって魔女っ子として戦うことを毛嫌いしていた。
序盤はよくある魔女っ子の話に見えたが、回を重ねるごとにいい具合に壊れてきている。
終わりの方はなかなかの壊れっぷりで、ワンパターンに陥る前に程よい長さで終わった。
絵はすっきりとしていて読みやすい。

「BLANC Project」
小杉繭・全2巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
突然発売中止になった謎のゲームソフト。
その体験版のダウンロードに成功した少年がゲームを起動させると、その中から不思議な少女が現れる。
序盤は「電影少女(ハ行参照)」と似た設定のせいで好意的に見られなかったのだが、中盤以降1話のページ数が増えてから面白くなってきた。
終わり方もまずまず満足できるもので、きれいに完結している。
絵柄はすっきりとしていて読みやすい。

「フランケンシュタインズ・プリンセス」
たつねこ・全4巻・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
魔法と科学との合成で作られた人形の少女が、ある街で捜していた主人を見つけ、そこで暮らすことになる。
たつねこさんは同人誌界でかなり有名だった人らしいのだが、この本が初コミックス。
絵柄は高河ゆんさんとよく似ており、同じ絵を描いたらほとんど区別が付かなかった。
ストーリーは中盤のほのぼのした感じのものが長く、中だるみな感じがするが、それ以降の話はすごく良い。
終わり方も満足のいくものだった。

「BLANの食卓」
葉月翼・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガンパワード)

罪人の魂を食べる邪竜ブランとその下僕になった少年。
少年が様々な事件を解決し、ブランはその犯人の魂を食べていた。
推理ものというのもおこがましいほど、小学生でもわかるトリックを使った殺人が連発。設定もネウロと似ていてどうかと思う。
また、途中からエセ推理ものからギャグ漫画へと変化。
巨大すごろくやオセロで戦って、最後は無理矢理タイトルと中身を結びつけて打ち切り、と酷い内容だった。
絵もトーンがうるさくて非常に読みにくい。

「フリージア」
佐藤真樹・全1巻・集英社(りぼん)
★ ★ ★
借金のせいで家族がバラバラになり、親戚の家に引き取られた少女だったが、生活が苦しいために親戚の家族にはつらく当たられてしまう。
結構感動できる話。
しかし、同時収録の作品は別の単行本に収録されている話の続編で、それが2つもあるのはよくない。
絵は安定していて見やすくてよい。

「BLEACH」
久保帯人・全74巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
幼い頃から幽霊を見ることができた少年は、偶然出会った死神の少女から力を貸し与えられ、死神代行として人に害をなす霊・虚を倒すことになる。
話は大きく分けて三部構成となっており、敵対勢力と戦うバトル要素が強い。
長期連載化したことで非常に登場人物が多いが、きちんと個性がついていて全て描き分けられているのは素晴らしい。セリフや戦い方もスタイリッシュで引き込まれる。
ただ、思わせぶりなセリフもまた多く、伏線を張るだけ張って回収されていなかったり、謎解きがなされないままの設定も多かった。
雰囲気で読む感じ。

「自由人(フリーマン)HERO」
柴田亜美・全12巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
7つの種族が共に生活する世界での、人間界のNo.1を父に持つ少年の物語。
最初の頃は柴田さんらしいギャグ漫画だったが、途中からシリアスなストーリーへと変化した。
ギャグも面白く、ストーリーも都合のいい展開が少ないのでよいのだが、やはり登場人物が多く、顔が似ているので人物の見分けが大変。
ラストはハッピーエンドでよいのだが、最初の設定がほぼ忘れ去られていたのが残念。

「ブリザードアクセル」
鈴木央・全11巻・小学館(サンデー)
★ ★ ★ ★
兄弟たちの出来があまりにもいいため、親にあまり相手にしてもらえない少年。
その少年がフィギュアスケートと出合い、ジャンプ力という自分の才能に気付く。
全くの素人からスポーツを始める、というのは著者の「ライジングインパクト」と似たような感じ。話の雰囲気もよく似ている。
この作品の本番は4巻くらいから始まるフィギュアの大会以降。
細かい点数のつけ方、曲の意味、パフォーマンスの意味などフィギュアの世界がよく見えてくる。
スケートの表現力もかなりのもので、のめりこめる。

「プリティフェイス」
叶恭弘・全6巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
バスの事故で1年間意識不明となってしまった少年。
その少年が目覚めたとき、顔は好きだった女の子に整形されており、その女の子の家を訪れると、少年は行方不明の女の子の双子の姉と勘違いされてしまう。
行く当てのなかった少年は女の子の家で姉として同居することとなる。
作者がこの作品の設定を細かく考えていなかったようで、話の進展はほとんどなく、だいたい学校でのドタバタや正体がバレそうでバレない、といった展開が繰り返される。
終わり方は悪くはなかったが、予想の範囲内。
絵はすっきりとしていて読みやすい。

「PRINCESS☆BRIDE☆STORY」
藤野もやむ・全1巻・マッグガーデン(マサムネ)
★ ★ ★
動物の拾い癖がある少女が、あるとき人に害をなすと言われている動物を拾ってしまう。少女はその動物を守るため、家出して逃げることにする。
「ナイトメア☆チルドレン」(ナ行参照)の番外編なので、まずは前作を知っていることが前提。
時代的には前作が始まる直前くらい。
前作を知っているとなかなか楽しめる内容で、終わり方もすっきりしていてよい感じ。

「Princess Lucia」
瀬尾公治・全5巻・マッグガーデン(ブレイド)
★ ★ ★
平成6年6月6日6時6分6秒に生まれた少年。
その少年と交われば強大な力を持つ子供が産めるから、と少年に迫る悪魔・ルシアが現れる。
全編にわたりエロ満載。年がら年中服を脱いたり、海に行けば水着だけ溶けたり。
ストーリーよりもむしろそちらがメインのようになっている。
作者の絵が好きなら買っていいかもしれない。
最後はそれなりにキリがついて終わっていた。

「PLUTO」
浦沢直樹・全8巻・小学館(ビッグコミックオリジナル)
★ ★ ★ ★ ★
鉄腕アトムのエピソードの1つ「地上最大のロボット」をリメイクした作品。
人々に貢献した有名なロボットが次々と殺されていき、自らもロボットである刑事が事件の謎を探っていく。
原作が「鉄腕アトム」だとは思えないくらい、作者が上手くリメイクしている。
小さな謎から核心に迫っていく様子はすごく引き込まれる。
「MONSTER」(マ行参照)などが好きな人なら是非。

「FLUTEMAN」
五森架里・全1巻・エニックス(ステンシル)
★ ★
パワーストーンを売りながら各地を旅する青年の物語。
力の象徴としてパワーストーンを使っている設定が珍しくてよいのだが、それ以外はほぼ完全な勧善懲悪でひねりがなかったのが残念。
絵は全体的に不安定だが、わりと読みやすい。

「Bloom」
川添真理子・全1巻・ラポート
★ ★ ★
神の子と呼ばれ、幼い頃は大きな力を持っていた少女。しかし、年を取るごとに力をなくし、神殿にいる必要がないと感じた少女は母親に会うために神殿を抜けだし、1人の少年と出会う。
序盤はなかなか珍しい設定だと思えたものの、中盤から普通の話になってしまっていたのが残念。おしい。
その他4本の短編が収録されている。
それなりに楽しめる作品が多いので、作者のファンなら買って損はしない。
作者の初期短編集なので絵には不安定なところがあるが、読みにくくはない。

「無頼男-ブレーメン-」
梅沢春人・全9巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
都会で成り上がるために家出をした少年は、ある店で偶然出会った少年と一緒にロックの世界で成り上がることを決意する。
作者の前作「BOY」の設定と似たり寄ったりの部分はあるが、今作は主人公の目的意識がはっきりしている分、全体的なストーリーを楽しむことが出来る。
ある意味少年漫画らしい主人公の超人的な強さも、ある程度の現実感をもって見られる。
しかし、読み始めた当初はよかったのだが、中盤以降レイプネタが頻発し、引いてしまった。
終わり方も急ぎ足で、ハッピーエンドだったものの不満も残った。

「Break Free」
樋口大輔・全1巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
スポーツ万能で助っ人稼業専門の少年は、ある日弱小サッカー部から助っ人の依頼を受ける。
最初は断った少年だったが、熱意に負けて助っ人を引き受け、次第にサッカーにはまっていく。
作者の初期作品を集めた短編集だが、初期から絵がきれいなのでとても読みやすい。
ストーリーは短編なので都合のいい展開も多いが、楽しめる作品も多い。

「Bless The Blood」
CHIHIRO・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンWING)
★ ★
定期的に血を吸わせないと持ち主を喰ってしまう呪いの剣。
その持ち主である少年がせめて人のためになることをしよう、と世界を旅する。
読んでいると人殺しやスリを「生活のためならしてもいい」と感じてしまう部分があり、倫理的にあまり受け入れられない。
登場人物の心理描写もなんとなく薄っぺらい感じがして、特にどこがいい、という部分がない。
ただ、最終巻でいい個性を発揮したキャラが出てきたのはよかった。それだけで主人公を食っていた印象。
アクションシーンはわりといいが、全体的に絵が粗く、読みにくい。

「BRONZE」
尾崎南・全13巻・集英社(マーガレット)
★ ★
「絶愛(サ行参照)」の続編。
中盤は割と都合のいい展開が続いて微妙な気持ちになり、終盤はこれでもかというほど悲惨な展開になってガックリ来る。
ストーリーは行き当たりばったりで、最後も微妙な終わり方。
作者の自己満足だけで終わったようにも見えた。

「FRONT MISSION~THE DRIVE~」
studio SEED・全1巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★
新兵として前線に配置された青年は、敵の前に敗北寸前にまで追い込まれる。
しかし、そこをある部隊に助けられ、青年はその部隊で戦うことになる。
原作はゲームだが、ゲームとの共通点はあまりないように感じる。
仮想の戦争物語だが、泥臭い描写も結構あって、それなりのリアリティを持って読める。
話も1巻でわりときれいにまとまっており、読んで損はない。

「FRONT MISSION DOG LIFE&DOG STYLE」
C.H.LINE・全10巻・スクウェア・エニックス(ヤングガンガン)
★ ★ ★ ★ ★
地下資源が豊富なため、領土の取り合いで緊張の続くハフマン島。
そこにテレビ局の現地特派員として青年が派遣されたそのとき、戦争が始まる。
架空の島・ハフマン島での戦争を様々な人の視点で描く話で、上記作品との共通点やゲームとの関連性は薄い。ただ、人型ロボットを使って戦う、というのがわかっていれば話は理解できる。
グロテスクなところをしっかり描いているので、説得力があり、話に入り込める。
全7エピソードのオムニバス作品だったが、ハッピーエンドは少なく、最後もキリのいい終わりとは言えなかった。しかし、それもこの作品なら、と許せる。
もう少し連載が続いてほしかったことだけが残念。

「”文学少女”と死にたがりの道化」
高坂りと・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
本をちぎって食べてしまう女の子と、元美少女小説家と言われていた男の子のもとに様々な事件が舞い込む。
原作小説を知らなくても読める作りで、1巻後半から一気に面白くなる作品。
絵の雰囲気も儚い感じで、小説の挿絵に近いものがあるので、原作ファンも気にならないレベルだと思われる。
話は「死にたがりの道化」としてはきれいに完結しているが、シリーズ通しての謎解きはない。
続編もあるので、読むなら続編前提で。

「”文学少女”と飢え渇く幽霊」
高坂りと・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編。
前作が気に入っていれば間違いなく買って損はしない作品。
絵も話も安定しているので、安心して読める。
ただし、原作はこれ以降も話が続いているが、漫画版はここで終わりのようで、未解決な謎が残されたままなのが残念。

「分心」
大橋薫・全1巻・ぶんか社(ホラーM)
★ ★ ★
幼い頃に姉に言われたように「常に笑って生きる」ことを決めたものの、友人からは都合のいい人扱いされていた少女が、自分の生き方に疑問を持ち始める。
その他6本の短編が収録されている。
ホラーコミックスらしくあまり救いがある終わり方をしていないものもあるが、それだからこそいいという作品もある。
2本目に収録されている「ぶれ」はお勧め。
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